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夢tube断章、スカイ・エリアス編  作者: grow
断章 世直し新婚旅行編
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第4話 アル・ハラド砂漠王国2



~霧のヒントと燃える決意~



砂漠の夜は冷たく、大使館の寝室にランプの灯りが揺れる。


スカイとエリアスはベッドに並んで座り、


レイネのことを話し合っていた。


昼間の砂嵐、父親の怒鳴り声、

小さな背中が脳裏に焼き付いて離れない。



「レイネちゃん、あんな目に遭ってるのか……くそっ、どうにかならねぇかな」


スカイが拳を握りしめ、苛立つ。

エリアスはスカイの肩に手を置き、優しく

寄り添う。



「私も同じよ、クライム。あの父親、悪人じゃないわ。

ただ、水不足で追い詰められてるのよね。

でも、まだ情報が足りない。オアシスの本数、水質、灌漑の仕組み……現地調査が必要だわ」



「そうだな。力不足って感じだぜ。明日、

バザールで聞き込みだ。エイラ、頼むぜ」


二人は地図を広げてみるが、手がかりなし。ため息をつき、抱き合うように眠りにつく。


新婚の甘い夜のはずが、心はレイネでいっぱいだった。


翌朝、スカイが外を見ると――目の前が真っ白だった。


視界が白く濁り、前が見えないほどの霧! 砂漠に霧がかかるなんて、珍しい。


「うおっ、何だこれ!?エイラ、起きてみろよ!」


エリアスが眠そうに近づく。


「霧……? 砂漠で? 珍しいわね」


スカイが外を見上げると、


日除けの布が湿り、メッシュネットから水滴がポタポタ落ちている。


エリアスが興味深そうに見る。


「あら、結露? 霧の水分がこんなに……」



スカイの目が光る。


「これ、ヒントかもな。朝の霧、使えねぇかな?」


体を伸ばし、涼しい空気を吸い込む。

霧のおかげで、いつもより過ごしやすい。



その日も、バザールで情報収集。

霧が晴れると、カンカン照りに変わり、


スカイとエリアスは汗だく。


「暑ぅ……夢Tubeの知識で作った塩飴でも舐めるか。」


「クライム、汗拭いて。水筒持ってきて正解ね」


すると、広場が騒がしい。


群衆の中心に、2つの勢力。


バザール代表らしき太った男と、ラクダ使いの男たち――その中に、レイネの父親の姿があった。



「レイネ! あそこにいた!」



隅で隠れるレイネが、スカイたちを見つけ、エリアスの足元に抱きつく。


「エイラお姉ちゃん! お父さんが……!」


レイネが話し出す。


レイネの父親はラクダでの運搬業。


水や人、物を運ぶ稼業だ。だが、バザール側がその契約を切ると宣言。



「オアシスの水枯渇と汚染で、ラクダや運搬人の水まで面倒見切れん!気球運搬に切り替える!」



レイネの父たちが必死に訴える。


「契約を切るなんて!俺らの稼ぎがなくなるぞ!」


「家族が飢えるんだよ!!」




バザール代表は冷たく、


「もう決まったことだ。悪く思うな。

警備、追い払え!」



警備員が棍棒を振り、乱闘に。


レイネの父親も左腕が強く当たり、痛がって倒れる。


群衆が散り、父親は地面に座り込む。


「もう……おしまいだ。ラクダも俺も、仕事が無ぇ。

レイネたち、どうやって食わせりゃいいんだ……人生終わりだよ」


レイネがエリアスの足にしがみつき、大泣き。


「お父さああん! うわぁぁん!」




それを見てスカイの心に火がつく。


(くそっ!!水不足が家族を引き裂き、

仕事も奪い、人生を壊すなんて……許せねぇ!!)




目が燃え、拳を震わせる。


「レイネ、泣くな。お父さんも、絶対助ける!」



エリアスも涙を堪えて頷く。


「ええ、クライム。私たちで解決するわ」



レイネ親子を帰らせ、二人は大使館へ急ぐ。大使館の会議室。


スカイとエリアスが、地図と過去の報告書を机に広げる。


大使館職員たちが集まり、情報出し合う。



「オアシスの場所、ここよ。テロで5割破壊、水質汚染は数値教の毒薬が原因」


スカイが地図を睨む。


「レイネたちは別のオアシスで水を汲んでたらしいな。

バザールからあまり離れてない場所にもオアシスが有るけど、

ここは水が汚染されているのか……。


汚染はなんとできそうだ。


王国で最近成功した「アレ」と

簡易ろ過装置で活性炭と砂利の多層ろ過したもの煮沸する。簡単だろ?」



職員が頷く。「いけますね!」




だが、問題は水不足の壁。



「新オアシス掘るのも限界。雨季はまだ先だしな……」


この日はアイデアが出ず、夜を迎えた。

眠っている間、



スカイは夢Tubeの空間で没頭。



「砂漠の水確保……何かないのか!?」


動画が次々と出る。だが、大抵は機械等に頼る方法だった。

スカイは朝の濃霧を思い出し、


「砂漠 霧 水確保」と検索。



そして見つけた!

サハラ砂漠のクラウドフィッシャー。

蜘蛛の糸と現地のカブト虫からヒントを得た、霧を網で集める装置! 

メッシュに凝結し水滴が落ちる動画を見て、スカイがニヤリ。



「これだ!! 朝の霧を布とメッシュでキャッチ、水滴を貯める。ラクダの水、レイネの果物、全部救える!」



スカイは確かな手応えを感じると、さらに調べ出した。


(水を確保するだけでは足りない……、

他にも使える方法があるはずだ!!)



そして、夜は更けて言った。



翌日、砂漠の朝は、再び霧に包まれていた。



大使館の窓から外を見たスカイは、視界が白く閉ざされた世界に目を細める。



水滴がメッシュからポタポタ落ちる音が、静かな確信を呼ぶ。



「今日も完璧な霧だ……これなら、絶対イケる!!」



エリアスが後ろから寄り添い、肩に手を置く。



「スカイ、自信ありそうね。レイネちゃんの父親たちのためにも、今日が勝負よ。」



スカイがニヤリと振り返る。



「ああ。夢Tubeで見たクラウドフィッシャー、この朝霧で実証だ。バザールへ急ごう、エイラ!」



二人はローブを羽織り、大使館を出る。



霧が晴れるのを待つバザールは、いつもより重い空気に満ちていた。



広場に着くと、予想通りの光景。

レイネの父親と仲間たちが、まるでこの世の終わりみたいな顔で項垂れている。




ラクダの荷が地面に下ろされ、諦めの表情。


レイネも父親のそばで、小さな体を縮こまらせていた。


今日も訴えに来たらしいが、目には希望の欠片もない。


バザールの代表――太った男が、うっとうしそうに近づく。


「お前らもしつこいな。まだ諦めてないのか?

何度言っても無駄だ!気球配達に切り替えたんだよ、もう!」



レイネの父親が、神に縋るように声を上げる。


「代表殿、頼むよ!契約切られたら、俺らの

稼ぎがなくなる!ラクダの水代も、家族の飯

も……水不足の俺たちに、他に何があんだよ!!」



仲間たちも叫ぶ。



「子供たちが飢えるんだ!」



「せめて猶予をくれ!!」



代表はうんざり顔で鼻を鳴らす。


「いい加減にしろっ!また追い払われたいのかっ!!」


警備員に合図を送り、棍棒を持った男たちが前進。


レイネの父親たちは身構え、乱闘の予感が漂う。





その瞬間――「待ってください!!」





スカイの声が広場に響く。


霧の残る空気を切り裂くような、力強い叫び。



周囲が一斉に振り返る。バザールの人々、ラクダ使い、警備員――視線がスカイに集中した。


レイネの父親が驚きの声を上げる。



「アンタは……砂嵐の時の!?」




バザール代表が訝しげにスカイを睨む。



「誰だ? 大使館の関係者か何かか?」



スカイは真っ直ぐな目でバザールの代表と対峙した。









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