桜
いつまでも、お前に伝えられないまま、今日まで来てしまった。お前は今も卒業証書片手に桜を眺めている。いつもは花より団子のお前でも、こういうときは感傷に浸るんだな、なんて呑気に考えてみる。
本当は、今言わなくちゃいけないのに、これが終わったらもう会えないのに、焦る心と、どうせアイツは俺の事恋愛対象としてみてねーよ、なんて捻くれた心が喧嘩して、声も掛けられない。
ああ、お願いだ、もう少しだけ、こっち向いて、
―俺に気付いて。
目が合った。
俺の名前、呼んで、笑った。
膝下のスカートと肩までで切りそろえた髪が揺れる。
ああ、そうだその髪俺が切ったんだ。すっげぇ嫌だったし、緊張したけど、お前がどうしてもっていうから
勢いに負けて頷いたら、嬉しそうに笑うから、ほら今も、あれ、あ近い、ちょ、まって、きゅうに
「もー夏ったら髪に花びらついてるよ?」
ああ、
「好きだ。」
「…え?」
違う、言うつもりなんてなかったのに、なのに、そんな、顔赤くして、勘違いするだろまるでお前も
「私も…私も夏のこと、好き…だよ」
俺のこと好きみたいな…
え
「ほんとに…?」
「ほんとに……」
「おっ俺たち付き合う……?」
「ぅっ、うん……」
まじか、うれしい、あ…キスしたい 、絢香が目閉じてるの、無防備でかわいいな うん、かわいい
―二人の影が重なった。
初めて書きました。お手柔らかにお願いします。




