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群蒼列伝~高校生二十三名は召喚された異世界で征服戦争を開始した~  作者: 大ミシマ
第一章 高校二年クラスΛ改め、群蒼会

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第二十一話 黒耳長人Ⅱ

「この度は、その、まずは助けてくれたこと感謝する。あの時馬の手綱を引っ張って馬を止めてくれないかったら私は馬諸共、木に激突していた」


 こうして興壱は黒耳長人と関係を持つことに成功した。今は黒耳長人の準備した饗応に出席していた。興壱としてはやることやってさっさと皆の元に帰りたかったのだが、トゥアンたちはどういう訳か夕飯を兼ねた宴会に興壱とキリシマを招いた。


 以前魁世が招かれた白耳長人の盟主王の宴会と同じように地べたに座って食べるかたちとなっており、違いとしては宴会の肴が肉よりも魚、果物類の比重が大きかった。

 興壱は最初は面倒に思ったが彼女らなりに自分達と仲良くしようと歩み寄ってくれているのだとプラスに捉えて参加した。

 本音はトゥアンが自分に付きっきりで応対してくれる、酌してくれると聞いてキャバクラに行く感覚で参加したのだが。


「あっあと急に止まった馬から私が放り出された時、受け止めてくれたことも感謝する。うん、私も驚いたが兎に角助かった」


 興壱は隣で必死に何か言っているトゥアンの話を半分ほど聞きつつ、目の前のうず高くつまれた果物を頬張る。

 森に自生しているものや育てているものと様々であるらしかったが、どれも総じて甘くみずみずしく、元の世界に匹敵いやそれ以上の味だった。

 興壱は住居や服装から見てあまり文明が進んでいないのではと思っていたが、人類より進歩した弓やこの果物を食べて認識を改めはじめていた。

 今度は興壱がトゥアンに話しかける


「そういやキリシマさんとは商売やってくれる?」


「それは勿論、約束は守るとも。此方の果物と其方の酒といった……ええと酒などを交易しようかと考えている」


 見ると頬に朱色がさしているのがわかる。確かにトゥアン側から出された二酸化炭素を通した石灰水のような白く濁った酒よりかはキリシマの酒は上等だろうと興壱は思った。

 勝負が決したとみるやキリシマ、その他部下たちは船に積んでいたキリシマ屋謹製の酒を樽ごと宴会に持ってきた。最初は警戒していた黒耳長人の者達だったが、一口飲んだらもうやみつきになっている。

 酒が好きなのは世界や種族関係ないのかもしれない

(※未成年の飲酒は禁止されています)


「ま、仲良くしてくれるならそれでいいよ」


 興壱は極めて単純に判断した。


「それはそうとコウイチ殿」


 ついさっきまでは貴様と読んでいたがコウイチ殿と変わっていた。


「どしたんトゥアンちゃん」


「…最早その呼び方は指摘せん。私が聞きたいのはその弓術、馬上でのこともそうだがその弓自体についてだ。私も一族も皆、森の外にはほとんど出ない。だがそれなりに生きてるつもりだしそれ相応に知ってることは多い筈だ。

 だがそのような形の弓は見たことないし、馬上からの射撃といいコウイチ殿は我ら黒耳長人にとって未知なものが多い」


 そりゃそうだろ、なんせ俺は俺たちは別の世界から来たんだから

 そこは教えられないけどね


「これまでの非礼は詫びよう。どうか教えてはくれないだろうか」


 そんなこと言われてもなあ、余計にペラペラ喋って墓穴掘りたくないなあ。

 皇帝さんから黙ってろって言われたし


「その話はいつかするよ」


「いつかとはいつだ、コウイチはせいぜい五十年も生きれぬじゃないか」


 なんかメンドーだな


「今度話すからうん、また来るから」


 こうして興壱は深夜までトゥアンたちと飲み明かし、翌朝船で帰った。

 興壱は美人揃いの黒耳長人と関係を持てて満足ではあったが、同時にもう二度と行くもんかとも思っていた。

 友好関係結ぼうとして勝手に命かける勝負させてくるような集団に近づこうとは思わなかった。


 だがこうしたトゥアンにとって煮えきれない興壱の行動は閉鎖的だった筈の黒耳長人に思わぬ行動を促すこととなる。

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