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高校生活に制服は必要か

 「おはよ~」

 「おはようヒロアキくん。今日のお題はこれよ!」


 【高校生活に制服は必要か】


 「なるほどな。んでお前はどっちを選ぶんだ?」

 「わたしは不要を選択するわ」


 そうして本日も始まったディベート対決。


 「本日の罰ゲームを発表します」


 (ごくりっ・・)


 「負けた方が勝った方の制服を着て登校」


 「お、おい、それはさすがにやりすぎじゃないか・・?」

 「そ、そうかしら?、わたしは良いけれど」

 (女装したヒロアキきゅんハスハスッ♡)


 「んーそうかぁ、じゃあ今日の体育の時間、負けた方は勝った方の体操着で授業を受けるってのはどうだ?」


 「まぁそれくらいだったら」

 「サイズが少し違うのと胸に書かれた名前が違うくらいよね。余裕よ。」

 (まじぃ~?♡これ勝っても負けても嬉しいやつだぁ♡タカヤくんないすぅ♡もちろん勝負だから勝ちに行くけどね~)


 「では、ごほんっ・・開始っ!!」


 戦いの火蓋が切られた。 


【本日の論題】

 高校生活に制服は必要か


【罰ゲーム】

 負けた方は勝った方の体操着で体育の授業を受ける


【意見】

 ヒロアキ:肯定派(必要)

 ミオ:否定派(不要)


 「高校生活に制服なんていらないわ。自由であるべきよ。」

 「お前は不要と言うが、制服着たくないのか?」


 今日の俺の着地点はここだ。

 【学生はモラルの為に制服をきるべき】


 「そうね、たまには私服が良いかしら。制服を着たい人だけ着れば良いじゃない。」

 「完全に自由にするってことか?」

 「ええそうよ」

 「完全に自由にするとダボダボのズボンで登校する生徒やセクシーな格好で登校する生徒、おふざけでメイド姿で登校する男子生徒なんかも現れるかもしれないぞ?」

 「そんな度が過ぎたのは先生が注意すれば良いじゃない!」

 「ならそれって完全に自由にはできてないよな?」

 「ふぐっ」


 よしダメージを与えたぞ。


 「良く映画とかで見るけど、自由の国アメリカだって制服ないじゃない!」

 「確かにアメリカは一部の私立学校以外服装は自由だな」

 「制服で生徒を縛り付けるのは可哀想よ!」

 「でもな、アメリカも経済格差に起因する盗難やいじめトラブルを防ぐ観点から制服を導入する学校も増えてきているらしいぞ」

 「で、でもまだ少ないと思うわ!」

 「今までと違ったことを浸透させるのには時間がかかるからな」


 今回は圧勝かな。


 「経済格差がそこまでない日本では私服でも良いじゃない・・」

 「制服はちゃんと意味があるんだぞ。学校なんて全国に山ほどあるだろ?でも学校ごとに制服のデザインが違う。制服についている校章だって違う。なんでかわかるか?」

 「他校との差別化?可愛い制服だったらたくさん入学してくれる的な・・?」

 「もちろんそれもある。だがそれだけじゃないと俺は思ってる」

 「何があるっていうのよ」

 「責任だよ」

 「責任?」

 「そう、制服を着せて登下校させることでわが校の生徒ですという責任を学校は負っているだ。外で悪さをする生徒がいても学校が責任を取る。もちろん外で良い行動をとる生徒がいれば学校の評価も上がる。」

 「そ、そうね」

 「反論は?」

 「さすがにわたしの負けよ・・」


 「ピッピー!終了ー!」

 「只今の勝負・・・ヒロアキの勝利!」


 今回のディベート対決は余裕だったな。

 俺が制服不要側だったら正直危なかった。


 「明日こそは勝つんだから!」

 (また負けちゃったかぁ。でもヒロアキきゅんの体操着着れるもんね~♡)


 ミオは手を出してきた。


 「ん?」

 「体操着貸して!」


 そうだった。ミオは俺の体操着を着て授業受けるんだった。


 「ほいこれ」


 俺はミオに体操着を渡した。


 そして体育の時間。


 「なんか男の匂いって感じ」

 (ふわわわぁ~♡ヒロアキきゅんの匂いだぁ♡ヒロアキきゅんの体操着着てると抱きしめられてるみたい~♡幸せ~♡)


 俺はというと。


 「同じクラスなんだから俺も体育じゃん!」

 「当たり前だろ?」

 「逆にタカヤはなぜ気付いていたのにこの罰ゲームにしたんだ・・」


 タカヤはにやりと笑ってミオの体操着を差し出してきた。

 俺はタカヤの魂胆に気付いた。


 (こいつ勝っても負けても着せるつもりだったのかぁぁぁあ)


 俺とミオはお互いの体操着を着て授業を受けることになった。

 今回の真の勝者はタカヤだった。

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