第八話 一次選考、合格しました
事務所へ応募してから一週間、ついに今日結果が出る......。
「ほんとに選考通過してると思う?」
(さぁな)
自分から応募しておいてさぁなとはなんだと考えながら、ポストを確認すると封筒が入っていた。
「ま、あの書き方で通るとは全く思えないけどねぇ」
余裕の顔でポストから封筒を取り出し、テーブルの前に胡坐をかいて座った。
「それじゃ、答え合わせといこうか。 なになに?」
テーブルに置いてあった麦茶に口をつけながら中身を読むと、
「この度はコウサスVtuber募集に応募いただき、誠にありがとうございます。 審査の結果、真部真央様の一次選考は合格となりました 」
「ぶっ!」
思わず麦茶を吹き出してしまった......何かの間違いではないかともう一度読み返すが僕の目は間違っていないらしい。
「そ、そんなバカなぁ......」
(......フン)
なんかマオが一瞬ニヤっと笑った気がする......。
「これどうすんの......?」
(どうするもなにも、二次選考も合格してVtuberになる。 最初からそのつもりだが?)
「はあぁ......」
(なんだ、いやなのか?)
「いや......ではないけどさ」
(ならばよいではないか、新しいことに挑戦することは素晴らしいことだ)
「うーん、そう......なのかな?」
確かに自分がVtuberに、しかも大手企業所属になると考えると夢あるかも......。
(では、二次選考の日程を確認するとしよう)
「う、うん!」
妄想にふけっていた頭を現実に戻し、続きを読み進める。
「えっと、二次選考の予定日は…...三日後!? で......場所はコウサスの事務所で、面接方式でやるみたい」
(やけに急だな、三日後とは)
「だね。 まぁ僕としては別に困らないけど」
まだ八月序盤、夏休みはまだまだあるし時間はいくらでもある。
「それじゃ、二次選考で言うことでも考えますか」
(お前がやるのか? 案外やる気だな、先ほどまではそこまで乗り気には見えなかったが......)
「い、いいの!」
べ、別にちょっと面白そうとか思ったわけじゃないんだからね!
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