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第六話 応募

(一応この体って僕のものなんだけどね? 勝手にあれこれされると困るんだけどね?)


自分の意思では動かせない体がPCでVtuber募集のページを探すのを見ながら愚痴をこぼした。


「今は私の体でもある」


(いやさぁ……)


何を言っても辞める気がないのはなんとなくわかるのでそれ以上は何も言わないが、いきなりVtuberになるなんて言われても困る。 いや、そもそもなれるのかさえ疑問ではあるが……。


(ていうかもうPC使いこなしてるし)


「これくらい、少し触れば簡単だ」


(適応力たっか……)


「それよりも、見つけたぞ。 ここなら私に相応しいだろう」


(うん?)


意識を画面に戻すと、そこには、


(いやいやいや、無理だよ? ここすごい大手だからね?)


魔王が見つけたと言ったのは、最近新しく出来た現在人気急上昇中の事務所、「コウサス」の応募ページだった。


「だからこそだ。 中・小よりも、大手に行った方が良い」


(倍率すごいからね? 知らないだろうけど)


コウサスが募集を開始した時、SNSで話題になったから僕も知っている。 倍率が凄まじく、前回の一期生の時の倍率は数千にもなったらしい。


「私なら問題ない。 私は、『魔王』だからな」


(全然問題あるって……)


「まずは個人情報の入力……」


(あっこら)


頭を抱えていると魔王が勝手に応募を進めようとし始めた。


「名前は……おい、そういえばお前の名前をまだ聞いていなかったな?」


(えぇ、言わなきゃダメ?)


「早く答えろ」


(ひっ……ま、真部真央……)


「真央……だと?」


(何さ……)


「私の名もマオだ、久しくその名で呼ばれてはいないがな……これもまた運命か」


(え!?)


突然明かされる真実に戸惑っていると、マオ?は勝手に名前を入力していた。


「次は……」


そんな感じにどんどん個人情報を(強引に聞き出されて)入力していき、応募理由などを書く項目が出てきた。


「応募理由か……」


(なんて書くの?)


まさか自分に相応しいからなんて書かないよなぁなんて考えていると、マオが書いた理由は、


「私がこの世界で頂点に立つため」


(うん?)


「全てを支配するため」


(僕の目おかしくなっちゃったのかな? すごいことが書いてある気が)


「送信っと」


(あっ)


マオはそれだけ書くと送信をクリックしてしまった。


「あとは待つだけか」


(絶対に無理でしょ……)


「無理じゃないさ、私ならな」


(なんでここまで自信があるのかまるで分からないけど、あの内容ならまず弾かれるし僕にとっては何も損は無いか)


そうタカをくくって安心していたが、僕はまだ知らない、そんな安心を裏切られることになると。


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