第十話 赤髪美人
「真央もオーディションに応募したからここにいるんだよな? なんで受けようと思ったのか聞いていいか?」
「えっと、なんていうか勢いで......」
現在知り合って数十秒の瑠菜さんとおしゃべり中。 めちゃくちゃぐいぐい来る人だなぁ......これが本物の陽キャか......。
「勢いで応募したのに一次審査通ったのか!? 真央はすげえやつなんだな!」
「いやいや、それほどでもぉ......」
「そういう瑠菜さんはなんで応募したんですか?」
「あたしか? あたしは面白いことが好きだからさ」
「......それだけ?」
「それだけ!」
「瑠菜さんもなかなかすごい人なのでは......?」
「やめろよぉ照れるだろ~」
瑠菜さんはにやにやしながら頭をかいている。
「ていうか、ずっと気になってたんですけど」
「うん?」
「声量が......」
「あっ」
二人で周りを見ると、部屋にいるほとんどが僕たちのほうを見ていた。
「ごめんごめん......」
「いえいえ......」
「あたしよくいわれるんだよね、声がでかいって」
「元気なのはいいことですよ」
「くうぅ......真央は優しいな…...」
僕たちは声のボリュームを下げて話を続ける。
「にしても二次審査まで時間あるなぁ、どうやって暇つぶすか......」
「......」
瑠菜さんが壁にかかった時計をぼーっと見るのを見ていると、口が勝手に動いて、
「赤髪美人......」
「へあっ!?」
「あっ」
しまった! つい口に出していってしまった......どうしよう、キモイとか思われてないかな!?
「そんなぁ~、美人だなんてぇ」
「なし! 今のなし!」
「なしにはなりません~、はっきり聞きました~」
あれ? 思ったより、ていうか一切嫌がってなさそう......よかったぁ......。
「へっへっへ、美人かぁ......真央にはこの瑠菜さんが美人に見えたんだなぁ?」
「うっ......」
「隠す必要ねえじゃねえか、言われてあたしは嬉しかったわけだし」
「うーん......そういう問題じゃない気が......」
「まあまあ、いいじゃないの」
「いい、のか......?」
「素直なのは良いことだよ~」
瑠菜さん、にやにやしながら言っても説得力がないです......。




