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第一話 魔王降誕2023

ここは魔界にある、魔王の住まう城。


「う……あ……私はなんてことを……」


今、私は部屋の壁にもたりかかるように倒れている。 目の前にいる家臣に腹を刺し貫かれて……。


「なぜ……と聞くつもりは無い……。 お前がこんなことをなんの理由も無しにする訳がないというのは、私が一番よくわかっている……わけがあるのだろう……?」


「それは……」


「お前を責めようなどと、考えてはおらぬよ」


「私も、ここで終わりか……」


「ただ……一つだけ……残念だ……」


「え……?」


「お前達と……共に道を歩めなくなるのは……とても……」


「あっ……あぁ……」


魔王と呼ばれる者はそこで息を引き取り、その場には王の亡骸を抱き、涙を流す家臣の姿だけが残った。





現代


「あぁ〜、結局なんにもしないで一日が終わったなぁ〜」


夕暮れ時、自室のベッドで横になりながらスマホ片手にそんなことをぼやく青年が1人。

この青年の名前は真部真央まなべまお、17歳。


「一日何もしなかったけど、そろそろお腹すいてきたなぁ……コンビニで何か買ってこよ」


そういうと真央は部屋着から着替え、財布とスマホを持って家を出た。

真央は現在高校生だが、第1志望の高校に通うためアパートの一室を借りて一人暮らしをしている。


「何食べよっかな……お弁当を買っても良いけどホットスナックも捨て難い……」


そんなことを考えながらコンビニまでの道を歩いていると、


「うん?」


「あれ? 気のせいかな……空の色が……」


一瞬、空の色が黄金と黒の混じったような色合いになった気がした。


「まぁそんなわけないか」


特に気にすることもなく再び歩き出そうとした時、足元に光る何かが転がっているのを見つけた。


「うん?」


それを拾おうとしてみたが、それに手が触れることは無くそのまますり抜けてしまった。それどころか、その光る何かは、真央の手から吸い付くように体の中に入っていった。


「え! ちょっ……」


驚き急いで手を離そうとした時には既に遅く、光が腕を伝って胸の辺りまで登ってきていた。


「これ何ッ!?」


真央が困惑していると光は胸の中で少しづつ薄れていき、やがて完全に消えた。


「一体……何が……うっ……!」


突然、胸が苦しくなりだした。 まるで何かに体の中に何かが無理やり入ろうとしているような感覚。


「ハァ……ハァ……」


しばらくするとその感覚は治まったが、焦りと息切れが体に残った。


「何なのさ……」


困惑の声を上げた直後、体に熱っぽさを感じ始めた。


「なんかだるくなってきた……さっさとコンビニ行って帰ろう……」


その後コンビニで弁当と風邪薬を買った真央はすぐに家へと帰り始めた。 これが自身の運命を大きく揺るがす始まりであるとも知らずに……。

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