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顔の見えない少年

作者: こーきち

幽霊の顔覚えてますか?

数年前に実際に起こった出来事です。

私は関西に住む社会人だが、お前といると普段起きないことが起こるとよく言われます。


夜勤最終日の日に仲のいいKさんから喫煙室で、夜勤明けに奈良県の天理にあるラーメン屋に行こうと誘われました。

するとたまたまいたT君も、僕も行きたいと言ってきたので急遽夜勤明けに天理までいくことに。

T君は大きいSUVに乗っていたので、T君の車に3人乗って行くことにした。


夜勤後一度家に戻り、シャワーを浴びて身支度を整えた。

T君は近所に住んでいるので家まで歩いて行き、合流した。

途中kさんを拾って出発。

するとKさんがコーヒー買いたいと言うので、道中のコンビニによった。

コンビニの前には大きなエンジンを鳴らしたミニバンがドアを全部開けて、男性がマットをバンバンとはたいてゴミを落としていた。

嫌な奴がいるなと3人で話しながら車を見ると、運転席と助手席の間に男の子が立っていた。

あんなマナーの悪いやつにも子供がいるもんなんやなと3人で話しながら入店し、お菓子を見ていると、ケバイ女とマナーの悪い男も入店してきた。

3人ともセルフでコーヒーを淹れながら、その2人を見てると


T君「あれ?男の子がいないな」


たしかにいない。子供を置いて2人だけで買い物なんて嫌な奴らだなと話をしてコンビニをでた。

エンジンかけっぱなしのミニバンを見ると、男の子の姿はなかった。


3人とも喫煙者なため、外でコーヒーを飲みながらタバコを吸っていると、嫌な2人が出てきて車に乗り込み、バオンバオン!とエンジンを唸らせながら走り出した時

運転席と助手席の間に男の子が立っていた。


Kさん「い、、今の見たか?」


私とT君「み、、みた」


Kさん「お前とおるから見えたらあかんもん見てもたな、これは」

Kさんは肩を落としながら言った。


私「まあまあ、3人とも夜勤明けやし、男の子はずっと車の中におったんやろ。あの車デカいから後部座席おったんやって、な?」

私は帳尻を合わせるようなことを言ってなだめた。


T君「まぁ、もう会うことも見ることもないでしょうし行きましょうよ、ラーメンが待ってますよ」


T君の言葉に賛同し天理までの楽しいロングドライブの時間が始まった。

何時間も会話を楽しんでいるといつのまにやら天理の峠道を越えて、ラーメン屋に辿り着いた。

そこは外でも食べれるということで、バイク乗り達にも人気な店のようだ。


私たちも3人で器を持ち外に行き、適当なところに座ってラーメンをすすった。夜勤明けの妙なテンションで天理まで来てのラーメンはたまらなく美味しかった。あっという間になくなってダラダラとスープをすすっていたら、隣のKさんが一点を見つめて固まっていた。


私「Kさん、どないした?」


Kさん「あ、、あれ見ろ、、」


私とT君はKさんの指差す方を見た。その先には白い軽自動車があった。

運転席は空席。助手席にはギャルがスマホをいじって退屈そうにしていた。


その運転席と助手席の間に、あの男の子が立っていた。


私 T君「嘘やろ?」

私とT君は見事にはもった。


T君「あの軽四って運転席と助手席の間にそんな広いスペースありましたっけ?」


Kさん「いやいや、そもそもあの車の中に子供がまっすぐ立てる高さなんかないやろ、、」


どういうことだと思いながら3人とも固まっていた時。

後ろから声をかけられた


「おい!お前ら!俺の車になんかあんのかい!」


後ろを振り向くと金髪のチャラチャラした男が睨みつけてきた。


私「いや、なんでもない。気を悪くさせて申し訳ないな」

子供いるなんて話をするのもどうかと思い、素直に謝って事をおさめようとしたが、


Kさん「なあ、にいちゃん、、にいちゃんって子供おるか?」

直球で聞いてしまった。


にいちゃん「はぁ?ガキなんかおらんわ!頭わいとんかオッサン!」

にいちゃんはとても怒った。


Kさん「じゃあ、あの男の子は誰や?」

声を上ずらせながら聞いた。


にいちゃん「はぁ?なにを、、、うおおお!!」

バカデカい声で叫びながら車に走って行った。


にいちゃん「でろ!おりろ!」

勢いよく助手席を開けて、彼女らしきギャルを引きずり下ろろした。

ギャルはいろいろ喚いていた。


にいちゃんはドアを全て開けた。トランクも。何もかも全開に開けた。


にいちゃん「おらん、、おらん、、なんでや!」


ギャル「さっきからなんしよん?」


にいちゃん「お前の隣にガキがおったんや!男の!」


ギャル「はぁ?どういうこと?おるわけないやん」


にいちゃん「ええから行くぞ!乗れ!」


にいちゃんはギャルを急かして車に乗せ、ドアを全部閉めた後エンジンをかけ、目をバキバキに光らさせながら猛スピードで駐車場を出た。


その運転席と助手席の間には、男の子が立っていた。


3人ともポカーンとしていた。恐らくその場にいたお客さん達もポカーンとしていたことだろう。


Kさん「とんでもないものを見てしまった、、あの子絶対ミニバンに乗ってた子やろ!?」


私「俺もそう思う」


T君「僕もそうや思います。アレは絶対やばいやつですよ。僕、幽霊って初めてみました。あんなにハッキリと見えるもんなんですね」


Kさん「あれ?、、、なあなあ、あの子どんな顔やったっけ?服装と髪型はハッキリ覚えてるんやけど、顔がでてこん」


私「何ボケたこと言うてんねん。2回もハッキリみたしバッチリ覚えてるわ、、、ん?おかしいな、顔に霧かかったように思い出せへんぞ」


T君「僕も顔だけ思い出せないです、、服はクリーム色のポロシャツに短パンでしたよね?」


私とKさんは、そうそうと強く頷く。


Kさん「顔見たはずやのに、なんでや、、見てなかったら男の子なんて分かるわけもないのに、、」


私たち3人は同じ男の子を見た。それも、県を跨いで。


男の子。

歳は小学校高学年くらい。

クリーム色のポロシャツに短パン。

髪はオシャレぽっちゃん頭。


ずっと無気力な顔で立っていた。そこまで3人とも覚えてるのに顔が思い出せない。

夜勤明けで頭がまわってないから錯覚を?

いや、あのにいちゃんも男の子を見ている。

ミニバンの件なんて知る由もない、ただカップルでラーメン食べにきただけの普通の人だ。

にいちゃんも含めると4人同じ男の子を見ている。


あのにいちゃんとギャルがどうなったか、ミニバンの夫婦らしき2人はどうなったか、わかるわけもない。


私は何度も心霊体験をしている。

顔が思い出せない人もいるが、ハッキリと顔を覚えている幽霊ももちろんいる。


ちなみに23年越しの自己紹介の話に出てきた可知さんは、何度も見てるが顔が思い出せない。

服装や髪型、だいたいの年齢はわかるのだが。


この話を読んで、俺、私もそんな体験あるよという方もいるでしょう。

あなたの見た霊の顔は思い出せますか?

私達と同じ男の子みたことないですか?

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