表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ゴミ捨て場

作者: モモモタ

 私の住むマンションのごみ捨て場は、いつも不透明の黒いごみ袋が置いてある。規定では問題ないそうだが、いつも回収の曜日の早朝には必ず置いてあるので、誰かが置いているのは間違いないだろうが……やはり他が半透明の袋を使っているので黒い袋は目立つ。ただ、まぁ気にはなっていたけどそれ以上何かするわけではなかった。だが……朝にごみを出すのが面倒なので、深夜2時。ごみを手にごみ捨て場に向かうと……



「ん?」



 誰かが、ごみ捨て場にごみを捨てて、去っていく。だが、その方向は私が住むマンションではない。というか、このマンションには10年以上住んでいるけど、あんな人は見たことがない。



「もしかして、住人じゃない人のごみ……?」



 だとしたら問題だ。管理人に通報しようと思いながらも、夜のごみ出しは禁止されているため、少し逡巡してしまう。そして、黒い袋が目に入る。ごみ捨て場にはそれしかなく、先ほどの人が捨てていったのは間違いない。



「………」



 他人のごみを開けるのはマナー違反だ。だけど……好奇心が、抑えられなかった。ごみ袋を開くと、中には……



「ひぃぃぃ!?」



 大量の、人形の頭があった。日本人形、フランス人形、マネキンの様に大きなものもある。大声をあげ、袋を投げ出し、家に逃げ込む。



ー----------------------------------------



 翌朝。管理人にあのごみ袋について相談しに行ったところ……



「今朝は黒いごみ袋はありませんでしたが」


「え?」



 管理人曰く、いつもあるのは知っていたが、今日はなかったのだと言う。昨夜見たものを話すも、適当に返されてしまう。それどころか、深夜ごみを捨てたこと、他人のごみを開けたことを咎められてしまう。それはその通りなのだけど……



「まぁ、不審な人物がいるかもしれないことは通達しておきますから」



 しかし、それ以降黒いごみ袋が出ることは無くなった。だが……私の部屋の前に、人形の体の一部が置いてあったのは……無関係だと思いたい。



                         完

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ