【第35話】『 御伽噺 』
37.花束の約束【第0章】- episode of zero -〈第35話〉『 御伽噺 』
顔も名前も知らないアナタヘ、
今日も生きてくれてありがとう。
辛い事、悲しい事、嬉しい事、笑える事、
今日は一体どんな事があったんだい?
しかし、貴方はきっともう疲れただろう。ゆっくりお休み。
また明日、沢山聞かせておくれ。
数えきれない星の中に生まれ、
数えきれない程の命に囲まれて、
数えきれないくらいの幸せを手にした貴方。
沢山ある物語の内からこの御伽話のようなお話しを読んでくれてどうもありがとう。
僕はここに書き記す。僕の周りで起きた全てを。
世界は僕が思っていたような場所ではなかった。人は僕が思っていたより残酷だった。夢は叶うより先に壊れてしまった。約束は呪いへと変わってしまった。
友達は僕の信じた通り素敵な人だった。家族は気がつけば失いたくないと思っていた。記憶は思いのほか大切なんだと気づかせてくれた。大切なのは手と手を取り合う事だと学んだ。
生きていればどうしようも無く理不尽な目にもあった。見たくもない現実に出会う機会も増えた。裏切られる事だって一度や二度じゃない。
それでも後悔はない。僕が選んだ道も、選んだ未来も。
この先何があっても、僕は僕の選んだ道を悔いる事はきっと無いだろう。
なんたって、誰かの“笑顔の役に立てる事”こそが僕の何よりもの生き甲斐なのだから。
どうか、貴方に幸せが訪れますように。
お腹いっぱい食べられますように。安心して眠れますように。
毎日が笑顔で過ごせますように。
どんな事があっても前を向いて生きられますように。
世界の片隅で日記を綴る、貴方の半身より。
最後まで読んでいただき、
誠にありがとうございました。
今後とも、
この作品を完結まで描き続ける所存であります。
もし少しでも良いと感じられましたら、ブックマークやコメントなどお待ちしております。
また、アドバイスやご指示等ございましたら、そちらも全て拝見させて頂きたく思います。




