ずっと一緒
声劇台本
♀:2人(姉・妹)
♂:1人(彼氏&店員)←1人二役
これは子供の頃に妹と会話した記憶…
〜回想〜
妹「ねぇ、お姉ちゃん!」
突然呼ばれた姉は驚いて振り返る
姉「何?どうしたの?」
妹「私たち大人になってもずっと一緒だよ
ね!」
姉「うん!ずっと一緒よ!」
なぜこんな事を妹が突然言ったのか不思議に思ったが姉は気にしない事にした。
すると、妹が呟いた
妹「絶対だよ!約束ね!」
姉・妹「指切りゲンマン嘘ついたら針千本飲〜ます!」
姉と妹は指切りゲンマンをして約束をした。
それから毎日妹と一緒に過ごしたのを覚えている…。
それから15年後、妹は信号無視のトラックに轢かれて亡くなった…。
とても悲しかったのと何もできなかったことへの悔しさを覚えている…。
〜回想おわり〜
姉は金融系の会社で仕事をしているうちに知り合った同年代の男性と付き合っている。
姉「あ〜、仕事終わったぁ〜!疲れたぁ…終電無くなっちゃったし、どうしようかなぁタクシーで帰るか、彼氏に送ってもらうか…」
彼氏「終電無くなっちゃったね〜。どうする?ウチ近いけど泊まる?」
姉「うん!お願いしようかな〜」
彼氏「ウチに泊まるのね!オッケーでも、その前に明日休みだし呑みに行かない?」
姉「誘ってくれる気持ちは嬉しいんだけど、今月ピンチでさ〜呑みにいけるお金無いのよね〜」
彼氏「大丈夫だよ!呑み代くらい奢るよ!
ほら、仕事の疲れもあるでしょ!呑みに行こっ」
姉「わかった。いいよ〜行こう!」
姉と彼氏はとある居酒屋に入った
彼氏「とりあえず生で良い?」
姉「うん!いいよ〜」
彼氏「オッケー!店員さ〜ん!」
彼氏は店員を呼んだ
彼氏・姉「とりあえず生一つ!」
店員「生お一つずつでよろしかったでしょうか?」
彼氏「はい!あと枝豆一つお願いします!」
店員「分かりました!少々お待ちください」
数分後…。
店員「お待たせしました!生お二つとこちらが…枝豆になります!ごゆっくりどうぞ〜」
姉・彼氏「乾杯!お疲れ様!」
姉「仕事終わりのビールは最高だね!」
彼氏「うん!そうだね!美味いし枝豆が進む進む。」
そのあと色々話したが仕事で疲れていて途中で寝てしまった為記憶が曖昧だ…。そんな中、姉は夢を見た。
妹「お姉ちゃん!お姉ちゃん!どこ?どこにいるの?」
どうやら妹の夢を見ているようだ
姉「ここにいるよ!こっちだよこっちこっち!」
妹「どこなの?どこ?どこにいるの?お姉ちゃん!」
夢の中で妹の様子がおかしい事に気がついた
姉「こっちだよ!」
いくら妹に話しかけても気付く気配が無い。
妹は交通事故で判別も出来ないくらいグチャグチャになって発見されたのでもしかしたら目も見えず耳も聞こえないのかもしれない。
妹「なんで…1人にするの?…ずっと一緒って言ったじゃん!お姉ちゃんの嘘つき!」
姉は夢から目覚める。
姉「ハッ!!わ、私寝てた?」
彼氏「寝てたよ!疲れてたみたいだから起こさなかったけど…。まだ、疲れが残ってるみたいだね。今日は帰ろっか?」
姉「う…ん…。」
彼氏「どうかしたの?」
姉「な、なんでもないよ!気にしないで〜」
彼氏「ならいいけど…。よし!帰ろうか」
しばらく歩き彼氏のアパートに着いた
姉「ただいまぁ…。……ベットで寝ていい?」
彼氏「良いけど。その前にちゃんと歯を磨い
て着替えてから寝なよ…。」
姉「はぁい…。」
姉はなんとなく着替えてから歯を磨いて
ベットに倒れ込んだ…。
彼氏「はぁ…俺もそろそろねるか…。明日休みだし、明日全てやろっと」
その夜、姉はまた夢を見た
暗闇をずっと走っている夢を見た。うしろから妹が追いかけてくる
妹「待って!待ってよ!お姉ちゃん!」
姉「・・・。」
姉は何故か声が出なかった。出なかったが走り続けている
妹「置いてかないで!どこいくの?ねぇ、お姉ちゃん!お姉ちゃんってば!」
姉「・・・なんで追いかけて来るの?」
やっと声が出たが…やはり妹には聞こえないようだ。
しかも妹の足はどんどん速くなってくる
追いつかれそうだ
妹「お姉ちゃんの気配だ!お姉ちゃん!そこにいるの?」
妹の手がもう少しで背中に触れそうになった時…目が覚める
彼氏「ん?目が覚めた?」
姉「んん〜ん〜…今何時?」
彼氏「11時くらいだね」
姉「そっか…」
彼氏「どうしたの?悪い夢でも見た?」
姉「ん?いや、そんな…事…ないよ。」
彼氏「まっ、平気なら良いけどな。それより朝食作っといたから食っちゃえば?」
姉「そうする。ありがと。」
彼氏「で?今日はどんな予定?」
姉「洗濯物とかやらないといけないから食べ終わったら帰るつもり。」
彼氏「そうか…。そっか…帰るのか…」
姉「ふふっ!もしかして何か期待してた?私と何しようとか考えてたの?ナニしようって考えてた?」
彼氏は顔を赤くして答えた
彼氏「いや、そんなわけねぇだろ」
姉「本当?赤くなっちゃって〜可愛い〜
ふ〜ん、期待してたんだ?」
彼氏「期待してないつってんだろ!」
彼氏は少し怒ったように言った
姉は少しからかいすぎたかと反省しながら言った。
姉「ごめんごめんw」
彼氏はからかわれた事に少し怒って言った
彼氏「もう、帰るんでしょ!早く帰ってよ!」
姉「ごめんw 泊めてくれて朝食まで…ありがとね!じゃあね!」
ここからは姉の独り言になる
姉「はぁ〜、少しからかいすぎたかな〜w」
突然姉の携帯に着信が入る
ピロピロピー〜
姉「あっ、会社からだ…もしもし…はい…そうですが…えっ?…本当ですか?分かりました…すぐ向かいます!」
姉は会社でトラブルがあった様で、急いで家に帰って車に乗って出勤しないといけなくなった。
姉「急がないと!」
姉は車を飛ばして会社に急いだ
しかし途中でトラックと正面衝突をしてしまう。偶然妹をはねたトラックと同じ型番のトラックに…。
姉は目の前が真っ暗になり、暗闇の中を1人さまよっていた
姉「あれ?こ…こ…は?どこ?」
姉「あれ?あなた誰?私はあなたなんて知らない」
???「私?私はあなたよ」
姉「でも、私はあなたを知らない なんで?」
姉?「私はあなたの記憶の存在だからよ。あなたは事故にあって記憶が曖昧なのよ」
姉「事故か…。」
救急車の音が聞こえる。
救急隊員「ダメです!意識が戻りません!」
声にならない声で話した
姉「あぁ…私は…死ぬのか…。」
姉は目を閉じた。また暗闇の中を彷徨っていた。また足音が聞こえた…どうやら妹の様だ。姉はそれまで走っていたが走るのをやめた。
妹「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」
妹の足音が聞こえる
姉「ごめんね!1人にしないって約束したのにね…」
妹「やっと追いついた…これからはあの時約束した通りず〜っと一緒だね!」
姉「ごめんね。ごめんね。今度は一緒に行けるね」
姉は暗闇の中で妹と再会し、暗闇の出口の様な光に向かって歩いた…。
現実で姉は救急車の中で息を引き取った…。
完