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依琉の千里眼は、時折血筋の者に現れていた。
しかし神無月の実家のように、無料奉仕をすることはなく、私欲で使っていた。
その結果、依琉の家は実業家として成功していた。
神無月の家とは、同じような能力の受け継ぎ方だが、力の使い方について真逆な為、あまり仲は良くなかった。
それは周囲の態度も同じだった。
神無月達は救いを求める人々に、その力を揮う。
しかし依琉達は黙って私欲の為に使う為に、あまり良い印象を持たれていなかった。
特に能力を職業としてきた神無月と違い、依琉の家はあくまでも沈黙に意味がある。
それゆえに時折生まれる千里眼の持ち主は、家を継ぐ者として大切に扱われる反面、気味悪がれてもいた。
依琉の両親はお互いに血縁者だが、能力は全くと言って良いほど無かった。
なので依琉が能力を発揮した時、両親はソレを激しく拒絶した。
依琉の他に兄と姉、そして妹がいるものの、全員千里眼とは無縁だった。