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ほしいものは。

作者: くろこ

いつだって思い出せるよ。

もう、この奥に刻み付いてしまったから。

たった数ヶ月の交わりでも、こんなにも鮮明に。

記憶してしまったから。


あなたのくれる、快楽。

その律動やひそめた声やいろいろ。


いつか、ぼやけて曖昧になって

そうして忘れてしまうのかもしれないけれど。


心ではなくて、身体の記憶。

忘れられない、きっと。


心が欲しいわけじゃなくて。

好きになったり、なってほしかったり、そういうのではなくて。

でも確かに、他の誰にも代えられない“特別”ではあったけれど。


それでも。

たぶん、あたしは。


あなたの、其れが好きなの。

あなたの、其れが欲しくなるの。


心ではなくて、身体の方。

欲しいのは、きっと。

いろんな言の葉を書き溜めたら、ひとつにまとめるのです。

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