二話
狂の世界になりはなったが、
さて格別の、ことも出来ない。
そこで以前より、本なら熟読。
そこで以前より、人には丁寧。
あぁいやはやいけない。こんな時に中也のパロディ。まぁ格別のこともできないのは本当のことだから。
何せジッと見つめてはや十五秒にもなりそう。色々考えてしまうよ。
というか何だ私は。目の前に立つのは死人だと言うのに何故冷静に頭の中を言の葉が巡っているのだ。孤独のグ◯メじゃないんだぞ。一歩間違えれば俺がグルメだ。
だのに中々私は動く気が起きない。だって、死人が動かないんだもの。
この状況にも飽きたな、次に行こうか。
私は
パンッ
と何故か手を叩いてしまった。何を考えてのことかは到底分かったものではない。強いて言うのであれば「直感」だ。
ぼとり
死人は掴んでいた腕を落とした。
ゆっくり体をこちらに向け、身を乗り出しカウンターに乗りかかって来やがった。
私はとりあえず裏に戻った。そして、事務所のカメラで死人を確認。
まぁあれはゾンビだな。一人で納得。問題はタイプだ。
ロメロ?28?
28なら首を吊る。とても勝てそうにない。
まぁ先の動きを見る限り、きっとタイプはロメロだろう、と希望的観測。(因みにロメロ=愚鈍 28=機敏と言いたいようだ)
あぁやるせねぇ。何にも出来ねえ。
裏に回ってもう帰ろうか。明日からきっと赤黒い世界が始まるはずさ。明日に備えて寝ちまおう。
裏口のドアから出て、帰路に着いた。
酔っ払いを複数見た気がするが気にせずゴーホーム。酔っ払いは絡みたそうにしていた。
テレビをつけたらまぁすごい。
安物の小さな薄型テレビでもニュースがニュースなら、臨場感も抜群だ。
ニュースがまるで映画見たい。この状況をただ「地獄」としか言い表せない自分の語彙力に少し落胆。
しかし、テレビに映し出されるのは
地獄、地獄、地獄。
武器でも探すか。そんなものはこの家にはないのだけれども。
まぁきっと、日が開けたら正義に駆られた警察官が、……まぁ死んでいるだろうから拳銃でも拝借しよう。
同じことを考えている奴はごまんといるのだろうな。あぁ面倒くさい。
しかし、明日のことを思うと、胸は高鳴るものだから、まぁいいか。今は何も考えず、明日に向けてぐっすりだ。
おやすみ色なき世界よ。
また、逢う日まで




