2/3
貴方の職場は何処ですか?
「着いた。ここが新しい職場か。」
俺、秋田 陽の前には古い和風な書庫が佇んでいた。
その古くさい書庫を見て、俺は思わずニヤケてしまう。
だってこんなに気持ちが高ぶることなんて無い!
今の今まで面接でテンパって何回も何回も不採用をくらって、親には白い目をされていたが……。
やっと、そうやっと採用された職場!
しかも、図書館司書の補佐という命に関わる重要な仕事!
「はやく入りたくてたまらない。まだここの司書の人は来ないのか。」
そう1人でぶつぶつと呟きながら時間が淡々と過ぎていった。