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灼弾
1部完結前、みたいな感じです
「君…その腕は……!?」
なんということだろうか、彼は丁度、所謂『異能』を発揮していたところだ。
「…………!」
サイバは顔面蒼白で動揺を隠せていない。その瞬間彼の脳裏には、「人攫いに遭う」という考えが過ぎったが、現実はそんなに甘い物でもないだろう。もしかしたら…そんなこと考えていれば、国の中心、屹立としている山から火の手が上がった。
世には、自分たちに不都合な物を消していく『抹消者』なるものがいる。それは世の中に必要ない悪の組織やブラック企業、はたまた『異能力の生まれた国』まで。
火の手が上がればサイバの脳裏には『抹消者』が真っ先に浮かんだのだ。父親から聞いていた、そいつらが龍の国に…気付くと視察団の船は消えている。しかしそんなことはどうでもいい。国は次々と燃えていく。彼は急いで城へと戻った。