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魔女は考え始める

お久しぶりです

やっと投稿できました

今回は糖度高めです

リーザとリヴィエルがイチャイチャしてる←





「やぁ、リーザ

今日もいい天気だね」

「……」


あの日から、あの男は毎日私の家を訪れる

最初は怪我だらけで包帯が巻かれていたが、今はもう服に隠れる所までになった

リヴィエルは、私のことを「リーザ」と呼ぶ

私もそれを拒まない

リヴィエルに「リーザ」と呼ばれる度、私の中の破壊衝動は消えるのだ

どうしてかはわからない

けれど、心地よいので良しとする


「リーザ、今日はパイを作って来たんだ

一緒に食べよう」

「…ん」

リヴィエルは、私に自然に接してくれる

破壊の魔女の私に

そこで私は、床に足の踏み場がないということに気がついた

「リ、リヴィエル、あ、あの…」

「あ!ごめんよ

はい、おいで」

「〜〜っ」

グチャグチャな部屋の中、ベッドに立っている私に、リヴィエルは手を広げている

おいでって言った?

おいでって……


ベッドの上で動けない私+両手を広げているリヴィエル+「おいで」=??





「ーーーっ!!!」

「…?どうかしたのかい?」


=抱きつく


う、うううう嘘だ…!

そんなの無理!!無理無理無理だって!!

自然と顔に熱が集まる

顔が赤くなっているのがわかる

い、いや!

私は別に気にしないって言うか…!

リヴィエルを男とは認識してないっていうか…!!

いや、でも男だけど!!で、でででもっ…!


「…?ほら」

「ひゃあ!?」

動かないでいるとわざわざリヴィエルは、こっちに来て抱きしめられました

そしてお姫様だっこ

…ん?抱きしめる必要、なくないか?

わからん……


「はい、一緒に食べよう?」

「お、おう…」

何故こんなにこいつは、普通に過ごせるんだ

いつ、壊されるのかわからないのに

ずっと笑顔で

優しくて

私なんかと一緒なのに


私は最近おかしい

いくらなんか壊したくないとはいえ、家に来る事を許し加えて世話をさせているなど…

全くもって理解できない

何がどうしたと言うのだ


「ねぇ、リーザ

君は今でも人を壊したい?」

ふと、リヴィエルがそう言った

いつもと同じ笑みを浮かべたまま

そう、聞いてきた

壊したい?

そうに決まっているだろう

だって、私は


「“破壊の魔女”だから?」


ーーーーッ!!!

心を、読まれた

察したとか、そういう事じゃない

リヴィエルに心を覗かれた(・・・・)

「リヴィ、エル…お、まえ」

声が震える

心を覗ける魔女、もとい魔法使いなど本来はいない

…できない訳じゃない

してはいけないのだ

人の心を覗くという行為は、いわば禁忌とされるもの

そして、それを実行するには大きな代償がある

それは、自分の心

人の心を勝手に見ているのだ、その位の代償はあるだろう

それはいい

どうだっていい

今、重要なのは、リヴィエルがした、という事だ

「だ、いしょう…は」

「嗚呼、ごめんね

心の中、だったみたいだね…

…うん、ごめん。」

リヴィエルは謝罪しか口にしない

今は、そんなのどうだっていいのに

「大丈夫、僕の心は平気だよ

無意識なんだ、昔から、ずっと」


リヴィエルは、自分でも知らず知らずの内に人のこと心を覗いてしまうのだという

稀に、そう言った者が生まれるということは知っていた

だが、その者たちは人に畏怖され虐げられ、そして死んでいったのだと思っていた

リヴィエルは、それを隠し生きてきた

ずっと、1人で

「大丈夫だよ、リーザ」




そう困ったように笑う彼に、今までずっと凍りついていた筈の心が痛くなった




私は彼に、何ができるのだろう

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