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思い立ったが吉日



「うーん……」

“リーザ”を探し始めてから、早数ヶ月

手掛かりは一切ありません

悲しいです


そろそろ路銀も尽きそうなので、ぼちぼち仕事も探さなければ…

『魔女』という職業に就けるのは、その名の通り女性だけ

元々男の魔女…即ち魔法使いは珍しいものなので、そういった職に就くには弊害が多く難しい

ならばどうするか?

無難な職に就く他ないのである


「…んー、どうしたものか…」

「何を悩んでいるんだい、少年」

「え?」


小さな鈴の音がした後、現れたのは怪しげに微笑む男性

俺の歳と同じくらいか、それよりも上のように思える


「あの、貴方は?」

「…俺?んー…じゃあ、リーで。少年、もしかしてだけど職を探してる?」

「え?はい」


明らかに怪しそうな人だが、普通の人とは認識が大分違うらしい俺は全く気にしなかった


「なら、俺の店で働かない?」

「いいんですか?」


トントン拍子で進んだその話

仕事内容は、カフェの店員

しかも住み込みOK

何という、好条件

そこに勤めることになった


「俺が言うのはなんだが…あんまり人を信用しちゃいけないよ?」

「あ、大丈夫です

信用している訳ではないので」

「…いい笑顔で言うねぇ…」


カフェならきっと噂話なども耳に入るだろう

リーザのことも、わかるかもしれない

住む所と職は確保

あとは、衣食住で言うと食だが何とかなるだろう


「では…これからよろしくお願いします、リーさん」

「おう」










「いらっしゃいませ」

働き始めて早、数週間

相変わらずリーザに関しては、進展はない

ただ、気になる噂話をよく聞く


「また、だよ…」

「恐ろしいものだ…」

「…絶対に近づいてはいけないと何度も言っていたのに…」


話をしているのは、若い女性と少し老いた男性

数日前から、ずっと同じような話を聞いていた

ここから少し離れた地域に、とある恐ろしい魔女が住んでいるらしい

その魔女は、何でもかんでも壊してしまうのだそうだ

それは、物でも絆でも関係でも想いでも何でも

たとえ、人でも

で、不用意に近づいた旅人が欠けた(・・・)状態で帰って来たと言う

綺麗な瞳をしていた人だったが、帰ってきた時にはその目は醜く澱んでいたそうだ

その魔女は、破壊の魔女と呼ばれているらしい

他の魔女たちも近づかない孤独な魔女


「…リーザ、みたいだ」


彼女もまた、孤独だった

うーん、近づいてしまうと何かを壊されてしまうらしいけれど、行ってみるに越したことはないか

「うん、行ってこよう」

そう決めたら、すぐに行動に移した

客にさりげなく、破壊の魔女のいる場所を聞きリーさんに少し休みをもらい荷物をまとめる


さぁ、会いに行きましょう

『破壊の魔女』とやらに






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