1/9
プロローグ
とある国には、色んなものを『壊す』魔女がいました
それは、物だったり縁だったり人だったり
色々なモノを壊し続けていた魔女はいつの間にやら「破壊の魔女」と呼ばれていました
人々は彼女を恐れ、近づく者はいません
ーー…魔女は全てを壊したかった
少し街から離れた所に魔女の住む家があります
「うわぁっ!?」
魔女の家の中から、騒音と共に少女の悲鳴が聞こえました
此処ら一帯には、魔女しかいませんからきっと、彼女の声でしょう
「あっちゃー…またやっちゃったな…代わりの物あったっけ?」
ブツブツと物を漁る彼女
何かを壊してしまったようです
「お!
あったあった。コレで代用できそう」
彼女は楽しそうにそう言います
誰もいないこの場所で、誰かと会話するように話すのは何故でしょう?
魔女は、独りで楽し気に言葉を吐いた