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ダンジョンシステム整備士、津田征也  作者: 氷理
第二部:管理・整備が始まるよ
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その、六十三 段々春になって来た


 3月に入り、

「日本庭園の春エリア、一応これで完成なので見て貰えませんか?」

征也としては完成のつもりだが補佐が修正かやり直しを命じる可能性もあり一応と付いている。尚、補佐の許可が降りたら辻本君プレゼンツ『暗号で宝探し☆』が配置される予定だ。お宝は書庫の鍵、これがないと霊薬作成の本を収納している秘密の部屋に辿り着けないのだ。

「配置図は見せて貰ったわ。後は現物ね」

6㎞×3㎞の敷地に配置しているため見るだけで1日がかりだ。薬草の確認に武家屋敷・庵・東屋を確認、景観のバランスを確認して書庫へ。背景のホログラムに一部ダメ出しを喰らった以外は概ね問題なく、宝探しも予定通り許可された。

「後は休めるベンチをいくつか付け足した方がいいわね。自販機は置かないのよね?」

「はい、置きません。お茶は武家屋敷にお祭りの時だけ置く予定ですけど、ベンチはどこがいいですか?」

お茶は普段征也の所で使っている給茶機を置くだけだ。

「この道とここが長いから2つか3つ……ここも欲しいわね。ご高齢の方がいらっしゃると思うから車椅子も……あら? 車いすだとここ大変ね。どうにかならないの?」

多分術者系の方なのだろう、書庫に入る入り口は階段である。しかも本を勝手に持ち出されない術式付きだ。

「……昇降機、付けますか?」

「ええ」

エレベーターを付けるとバランスが悪くなりそうだ。

「ここには案内人はいないの?」

「案内人?」

「ほら、洋館エリアにはいたでしょう? 霊薬の作り方を教えてくれたり薬草の知識を話してくれる指導員と言うか式神が」

「ああ……今どうしようかと思って考え中です。奥女中か裃姿の武士か……医者の姿でもいいですし」

資料は今回の場合沢山あって迷っている。

「そうねぇ、……今回はお披露目の意味もあるし威厳のある裃姿の中高年に華やかな春の装いをした奥女中の組み合わせがいいかしらね」

「分かりました。後で作って画像を送ります」

今は何といっても春休みの天司君に相談できるのが嬉しい。こういう知識より経験がものを言う関係の物は相談が出来るのと出来ないのでは大違いだ。忙しいと言いながらも移動時間が空間移動でほぼ0に近いので去年より格段に余裕があると気軽に応じてくれる。

「大祭は平日になる予定だけど、ここの公開は例大祭を含めた10日程度を考えているのだけどどうかしら? 土曜日から例大祭を挟んで次の日曜日までよ」

「お祭り前から開けるんですね。公開時間は神社の時間と同じでいいんですか?」

「できれば夜まで公開して貰いたいけど、そこは宮司さん方と交渉になりそうね。満天の星に夜桜が見られたら素敵じゃない? 普通にはない光景だからアトラクションのようにして」

やろうと思えばできないこともないが、夜間開放は神社が18時までだからなぁ。満天の星に夜桜……補佐も結構なロマンチストだったのだろうか。





 征也は異空間で育てていた茶の木を江戸城の空間に移植して元の所は空間を閉じる。

「3月分です。志津さん、どうかなさいましたか?」

今月の抹茶を渡すと志津の顔色が悪いことに気付いた。

「いえ、大丈夫ですよ。今月分、確かにお受け取りしました」

補佐・志津・宮司親子・征也の5人と少し遅れて天司が参加しての会議となった。

「スケジュールはこの通りで進めて大丈夫ですね?」

補佐が司会で例大祭3日間のスケジュールが確認される。半月前にも示されていたが、そのまま進めることで合意した。12月の大祭は1日だったので参拝客に交じって神楽と剣舞奉納を見ただけだったが今回はそうもいかないようだ。

「大寄せは集会場を使う予定ですが、春エリアでも楽しめるようにしてはどうでしょう? 天候は調節できるそうですから中は晴天で外に椅子を置いて振舞う事もできるそうです」

「そうねぇ、どの程度の人数参拝にいらっしゃるかにもよりますけど、人数が多ければ中にご案内することも考えられますね。その場合は人員整理を頼むことになりそうですけど」

「少々警備用の式神も付けておきますのでご安心を」

警備の必要があるのだろうか? 売上金強盗か? と思ったら

「最近茶会の主人が志津さんと知られて揉めていますから」

と天司が細くしてくれた。

「茶会用の茶葉を奪うために強盗が入ったり脅迫があったりしているそうです。相手も茶会に入りたい人だったり利権にしたい人だったり、研究したい人だったりで……」

志津さんの顔色が悪いのはそのためか。

「霊課の結界の中で保管してあるので手出しは出来ませんが色々と面倒ごとになっておりまして」

志津さんも話してくれる。

「初めて半年くらいで効果が出るのが明確になったから横取りしようってこと? その辺りは補佐が最初の頃大丈夫って……」

「ええ、そういう可能性もあるって津田君が渋っていたことがあったわね。全て引き受けるからって頼んで承諾して貰ったけど。今対応している所よ」

「予想以上に狙う人がいて手が回っていない所もありますが、もう大体落ち着いてきていますから大丈夫ですよ。あとは素人さんと2・3か所なので」

志津さんも状況は知らされている様だ。





 志津さんと宮司さん達に春エリアを案内し、神社のどこに繋ぐのが効率的にいいかと検討した。そして鳥居を潜ると期間中のみ繋がるように設定することにした。






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