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ダンジョンシステム整備士、津田征也  作者: 氷理
第四章:ダンジョンを増やそう
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その、三十二 王庁からの派遣者

今回、ちょっと短いです。




午前9時、予定通り王庁からの使者が来た。

午前にある程度打ち合わせてから午後から討伐試験を行うことになっていて、明日は集団演習をすることになっている。

事前に王庁から黄泉に調節の時のことを聞いていたようで、電話での調整でこのスケジュールとなった。

「おはようございます。王庁より参りました、ダンジョン計画の責任者の島田と申します」

担当者の島田は柿原という部下を連れて二人でやってきた。

「はじめまして、津田です。

どうぞお座りください。まずは概要を簡単にご説明します」

ダンジョンの魔物の強さや排気口のこと、出入り口や気脈のことも先に説明しておく。中身を弄ることはできても王庁側に外の事は頼んでおく必要があるのだ。

「ここまでで何か質問はありませんか?」

「はい、出入り口の場所と気脈を津田様がおいでになるまでに建てて選定しておけばよろしいのですね?」

「はいお願いします。出入り口が1つになるか出口と入口の2つになるかはまた話し合って決めることになりますけど」

そう言って征也は現世と黄泉の立体地図をホワイトボードに貼り出す。

「こちらが現世のダンジョンです。ご覧のように1階を通って2階、2階を通って3階へ降りて行くようになっています。明確な道筋が無いので、遠回りしてもショートカットしても次の階へ自由に行くことが出来ます。

 そしてこちらが黄泉のダンジョンです。各階は独立しており階ごとに出口と入口があり、それぞれが螺旋階段でつながっています。階の入口側が弱い魔物、出口側に行くにしたがって段々強い魔物が出るように配置してあります。ですから、入口から出口まではルートが決められているのです。何でも訓練所としても使いたいとか。

 現世のダンジョンのようにするなら出入り口は一か所、黄泉のようにするなら入口と出口の二か所を設ける必要があります。これは王庁のお好みで選んでいただいて、他にご要望があれば考えます」

島田は地図をじっと見て、しばらくした後

「なるほど、…………では、王庁も黄泉の形式を採用したいと思いますがよろしいでしょうか?」

と黄泉形式を選んだ。

「分りました。

えー、次です。休息所について、現世ではベッドと軽い食事ができるように考えています。

黄泉では長くダンジョン内に滞在しないとのことでしたので、緊急用の連絡が出来る電話と入口前に通じる転移陣を置くだけになっています。

王庁の方ではどうしましょう?」

場所と数は設計図を作り始めてからでいいだろう。

「やはりこちらも黄泉と同様にお願いします。食糧等は自分で持って行かせますし、休むなら自室の方が良いでしょう」

「はい、では他に付け加えたいことは有りますか?」

少し考えるしぐさをしたあと、

「できれば、一斉放送があればよいかと思いますが、できますでしょうか?」

「大丈夫です。その場合、1F入り口付近に放送室を作ります。霊珠で動くようにしますので、使う際にはダンジョン内で採ってきて発電機に入れておいてください。そんなに多くは消費しないはずですから」

館内放送機能については明日の集団演習の時に見てもらうことにしよう。

「事前打ち合わせはこの位でよかったでしょうか? 他に何かありますか?」

「いいえ、こちらからは何も」

「では、午前中はこれで終了しますね」

時計を見ると11時過ぎ。

午後の時間までまだ2時間近くある。

「どうしますか? 課長がいるはずですから話に行ってもいいですし、ちょっと早いですがお昼にしますか?」

「先に挨拶に行かせていただきます」

そう言って島田は課長の元へ向かった。









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