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ダンジョンシステム整備士、津田征也  作者: 氷理
第四章:ダンジョンを増やそう
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その、二十七 新しいダンジョンの設定造り




岸田・山村・酒井と征也が机を囲んでいた。

征也はちょっと緊張していた。これまでは思いついたことを片っ端からやってみて駄目だったら考えよう、という感じで、ほとんど感覚で設定やらなんやら行ってきたのだ。しっかりした決め事も何もなく適当だっただけに、真面目な設定を作る作業と言うのは前日に押さえておく場所を考えたりして難しかったのだ。

「では、階層は初心者用・中級者用・上級者用・強者用の4種類で行こうと思います。いいですか?」

「それでいいだろ」

征也はそれをメモして、次に進める。

「それぞれの強さは明日行う実践で考えるとして、構造ですね。

今あるダンジョンは下の階に行くのに上から順番に通って行く必要があります。もし面倒であれば、上から下まで直通の階段を作って各階の入り口を踊り場に作ることは可能です」

征也はダンジョンの地図を見せながら各階に入る階段の位置を示す。

「そっちの方が面倒が無くていいな。階ごとに入口を作ってくれ」

「分りました。

次に広さです。こちらのダンジョンは1階から3階までは1㎞×1.5㎞で4・5階は3㎞×3㎞で作ってあります。魔物が強くなると大きくなるので広さも必要になってきます。

あと、空間の最大設定は10㎞×10㎞の予定ですからその範囲内でお願いします」

「そうか、なら強者用は最大で頼むぜ。……あとは……上級者用も同じでいいか。

同じ階で強さが違うって言うのはできないのか?」

「排気口の設定を変えれば可能です。…………あー、訓練所にして段々レベルを上げて行くって事ですか? となると、スタートとゴールを別々に作った方がいいですかね?」

「おう。それができるならそうしてくれや」

どうやら完全に訓練所になって行くらしい。

「何を考えているんですか! 訓練所ではなく世界の安定を図る場所ですよ!」

岸田が憤って山村に食って掛かる。

「まあまあ、どうせやることは同じですし、一石二鳥でいいじゃないですか、ね?」

「やることは同じかもしれませんが、他の部隊も入るかもしれないんですよ! この戦闘バカにカスタマイズされたらどんなことになるか!」

「死んだらそいつの判断ミスだろ?」

目を吊り上げている岸田に山村は冷たい。酒井は我関せずの様子でひたすら議事録を書いている。

いや、止めてくれないか? 君の上司たちだろう?

仕方なく征也が口を挟んで止める。

「はいはい、落ち着いてください。岸田さんもどうした方がいいとか意見を下さい。それも考慮して作成しますから」

岸田は冷静さを取り戻すべく大きく深呼吸して

「私は1つの階に同じレベルの魔物がいた方がいいと思います。理由はあまり内部に詳しくない者が入った場合、段々レベルが上がっていることに気付かずに危険だからです」

という。

「えーっと、……こういうのはどうですか?

強さが一定の階と段々上がって行く階が交互にあるように作る。

上がって行く階は準備階、とか名付けて入口の案内表示板なんかには色分けして表示しておく。

たとえば、初心者の階の次が中級者準備階で、初心者用の1.5カラットから中級者用の8カラットを上限にしておくに行くにつれて強い魔物が出るようにする、とか。

これだったらこのレベルまでは出るって予測が出来るから、前もって準備出来るでしょ?」

「それでも構わねーぜ」

山村はあっさり同意してくれた。岸田も微妙に渋い表情をしながらも

「まあ、いいでしょう」

と同意してくれた。

「えー、ではもとに戻りますけど、広さですね。強者用と上級者用は……あと強者準備階もかな? その3つは10㎞×10㎞で作ってよろしいですね?」

「おう」

「初心者から上級者準備階はどうしましょう?」

「初心者用はすぐ上げるから小さくていい。中級者用は……あー、半分くらいでいいんじゃねえの?」

多分感覚で言っているのだと思うが、対応に困る。

「…………それは広さが、ですか? それともスタートからゴールまでの距離が、ですか?」

「……距離だな」

ややあって山村は距離を取った。

「分りました。初級用はこちらの4階をトレースした3㎞×3㎞でいきます。中級用は魔物が出る空間が上級より小さくなりますので3分の1位ですね。5㎞×7㎞位でどうでしょう? 中級用と上級用の間にある上級準備階は8㎞×8㎞あたりでどうでしょう?」

「いいんじゃね?」

岸田はさっきから渋い顔が戻らないまま頷いている。

「あとは……、中級と上級の間が12カラット、上級と強者の間が15カラットですけど、準備階は1階でいいですか? それともレベルの前半後半に分けて2階いります?」

「2階入れてください! 2階必要です!」

必死の様子で岸田が頼み込み、勢いに負けて2階になった。

「では次、休息所です。初級は良いとして、それ以上は付けますか?」

「つけてください。準備階はできれば2カ所以上」

岸田は注文するが山村は明後日の方を向いている。

「では固定階に1カ所、準備階に2カ所入れましょう。もしものときに助けが呼べるように一応電話も入れておいた方がいいでしょうか?」

「お願いします」

「他に要望はありませんか? これでいいですか?」

「おう」

「はい」

二人とも要望は以上のようだ。

「ではこれで設計図を作りますので、できたらまた意見を下さい」

そう言って解散した。

征也はうんうんうなりながらも明け方近くまでかかって設計案を作った。






概要を細かく話しています。

岸田さんは心配性。

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