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ダンジョンシステム整備士、津田征也  作者: 氷理
第四章:ダンジョンを増やそう
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その二十五 お客様がいらっしゃった

新章の始まりです。






「津田様―! 応接室に大物のお客様ですよー!!」

キエートがダンジョン内まで呼びに来た。

「誰?」

「十王庁副長官のひさぎ様と黄泉の国の女王イザナギ様です!」

「死後の世界ってやつ?」

ダンジョンから会議室に戻って訊く。

「はい! 御二方とも自分の世界にダンジョンを作ってほしいとおっしゃっていました」

「……今あるダンジョンにラインを引くとかは駄目なの?」

「世界を渡るラインは厳重に管理されていますし、新たに作るにしても相当な時間と手間がかかりますから。それにラインを引くことになると、邪気の分のエネルギーがこちらに取られてしまう状態になるので、それも嫌っておいでなのです。

気脈については現世とほとんど変わりませんから同じ方法をとっても問題ないと考えられます」

「ふーん? できれば死後の世界について簡単に教えてくれる?」

2F東の会議室から1F西の応接室へはちょっと距離がある。キエートはその間で聞ける程度にまとめてくれる。

「人は現世で亡くなれば、王庁と呼ばれる世界に行って十王庁で裁判を受けます。裁判の結果で決まった期間を悪いことをすれば地獄、良いことをすれば天国で過ごし、どちらも期間が終われば記憶を失って黄泉の国へ送られます。

黄泉の国で一定期間過ごした後は、転生して現世に戻ってくることもできますし、転生せずにそのまま黄泉の国で過ごすことも可能です」

「そっか、そこの偉い人なんだね」

話しが終わった頃に応接室の前まで来ていた。



コンコン

「失礼します」

中に入ると2m近い清楚で堅物そうな美青年と優しそうな美人のお姉さんがおり、その二人にお茶を出している浜岡が目に入った

「見習い君はそこに控えておいて―」

「あ、はい」

キエートに見習い君と呼ばれて一瞬不満そうな顔をしたが、すぐに大人しく壁際に控えた。

「では、イザナギ様、ひさぎ様、こちらが新しく神になられた中級二等神の津田征也様です。津田様、こちらがイザナギ様で、あちらがひさぎ様です」

「津田と申します。よろしくお願いします」

名前が判った所で

「では、本題にはいろう。そなたがダンジョンを作っておるのだな? 詳細については大禍津日に聞いておる。黄泉の国でもそのダンジョンを作っておくれ」

「こちらも同じく、王庁へきてダンジョンを作っていただきたい。いかがか?」

征也はキエートの方に視線を向けた。

「オモイカネ様からは既に許可を頂いております。禍津日神様と直毘神様たちの許可もあります。こちら側の神々としては問題ありません」

さすがキエート、根回しは完璧だ。すぐに作成が出来る段階にしてから話を持ってきたのだろう。

「わかった。ダンジョン作成については了解しました。しかし、ダンジョンは魔物が出現する場所であり命の危険があることだけは覚えておいてください」

強さと場所以外に制御はできないし、部下の人が怪我して責任を押し付けられても困るし。

「わかっております」

「危険は承知の上じゃ」

まあ、魔物だしな。気を付けるのは当たり前なのだが。

「では、そちら側の担当者をお聞きしたいのですが」

「うむ、黄泉からは戦闘部隊の赤部隊と参謀・研究部隊の青部隊から派遣しようと思う」

「こちらからは警備部隊の一部を派遣しようと思っております。こちらで準備しておくことなどはありませんか?」

ひさぎ様は腰は低いが眼光鋭く気の抜けない性格のようだ。

「異空間を作ってそのなかに全て納める予定ですから、出口の選定をしておいてもらえますか? 

後、これは現世のダンジョンで行っていることですが、人間は疲れる生き物なのでダンジョン内の3階の1部には途中休息をする場所を設けています。もし同じようにするのであれば、ベッドや食事なども用意できるようにしておいていただければよろしいかと思いますよ?」

二人は頷いて

「そのあたりはこちらの住人も同じだ。考慮しよう」

「そうじゃの。部隊のなかには新人も未熟者もおる筈じゃて。話しておこう」

と同意した。

「では、担当者の方に派遣する部隊の中で強い方と平均的な強さの方と弱い方を派遣していただきたいとお伝えください」

「どういうことかね?」

いぶかいしげな顔のひさぎ様が問う。

「現在ダンジョンは階層ごとに魔物の強さが違います。

強い方がより多くの邪気を処理できますが、倒す側にとっては負担です。

ですから、討伐予定の人で弱い方や初心者が使う階層と平均的な強さの方が使う階層などに分けて設置したいと思っています。

とはいえご存じでしょうが、私は最近神になったばかりで他の世界の者がどの程度戦えるのかを知りません。

ダンジョンの魔物の強さを設定するためには知っておく必要があるのです」

「なるほど。そちは派遣された者の力量で魔物の強さ、ひいては邪気の浄化量を決めようと言うのか」

イザナミ様は頷いている。ひさぎ様も納得したようだ。

「では津田殿の所へ見繕って派遣する。何時頃が良いか?」

「6月中か9月以降でお願いできますか? 7月には大きな気脈の点検がありますし、8月はこちらのダンジョン自体が本格開業する予定ですから」

「相分かった。こちらからはすぐに派遣する」

「こちらも数日中には派遣します」

それを聞いてメモを取っているキエートの方を向く。

「キエート、大禍津日様にフィルターの用意をして貰えるように連絡してくれる?」

フィルターは改造済みだが最初は大本のフィルターが必要なのだ。

「はい! わっかりました~! 派遣されたら最下層の闘技場で行いますか?」

「そうなる予定だけど、強さによっては1階から5階のフロアで体験してもらうことになるかも」

キエートの話に割って入ってきたのはひさぎ様。

「どの程度の魔物がでてくるのかね?」

「現在1階が0.25カラットの魔物が出てくる一番初級の階層で、5階が一番レベルの高い階です。それでも一般の術者用に作ってあるので6カラットですけどね。

そちらで作るときには討伐する人の力量次第ではもっと強い魔物を設定できるかもしれません」

「すべては力量しだいか」

「ふむ、現世の術者より黄泉におる部下が強いのは明白じゃて。それなりの浄化も期待できよう…………世界に影響を与える様な量じゃから、そうそう簡単に浄化が終わるとは思えんがの」

イザナミ様は特に効果を期待しているようでもなく、現状維持を目的としているようだ。

「それで、いつごろ開始できるじゃ?」

「まず、派遣された方々の力量測定を行います。それを基に担当者とダンジョン内の構造を相談しながら設計します。御希望内容によりますが、実際に作り始めてからは1~2週間そちらに滞在して制作し、内部に必要物品を運び込んで設置すれば完成です。

力量測定と設計の時間によっては長引く可能性もありますから、時期がいつになるのかはわかりません」

「そうか、では担当の者に早急に決断するように申し付けておこう」

そう言ってひさぎ様とイザナミ様は担当者の連絡先を置いて帰って行かれた。





現世の他にも世界があるんですねぇ~。

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