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悪の首領(ボス)の世界征服術  作者: 黒牙 透
第5章何無荒野編~三地区編【壱】
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第5章第81話後始末② 情報交換


 「おい、その話は本当なのか?」


 「ま、待て、落ち着け。」


 白夜はナイトレッドに詰め寄り、問いただす。ナイトレッドも突然詰め寄られていいはずがない。ただ、怒るよりはまず穏便に解決させた方が良い。そう判断して冷静に白夜を制止させる。


 「……悪かった」


 「ああ、平気だ。気にすんな。それよりも……」


 「師匠、今の声は何ですか~?」


 白夜はナイトレッドに言われ、我に帰る。そして、両手を合わせ、謝る。ナイトレッドも白夜の態度に許した。そして、事情を聞こうとした瞬間、未来の声が響く。


 「……」


 「……」


 「……とりあえず、下に行ってからまたこの話をしよう」


 「そうした方が良さそうだ」


 未来に中断させられ、お互いに微妙な空気になる。先に白夜が話しかけ、ひかりに関する話は下に行ってからとなった。






 「全く心配したんですよ」


 「はは、まだ身体は安静にしなきゃいけないが……」


 「今日はゆっくりしてください。これから話し合いですが……」


 白夜達が一階に行くと、既にこの話し合いに参加するメンバーは集合していた。白夜は未来から先ほどのことを聞かれたので、“後で”と言ったのみだ。未来はそれ以上聞いてこなかったが、代わりに身体の調子を聞かれた。白夜は平気だと言うものの、未来はすごく心配した様子である。白夜は正直に体が痛いことを言いつつ、軽い調子で答える。


 「どうやら皆さん、(そろ)ったようですね」


 白夜達が席に座ったのを確認した優理がこの場を仕切り始める。ここにいるのは【美学道】から白夜、風華、未来、優理の四人とナイトヒーローの三人が対面する形で座っている。ナイトイエローは中性的な顔立ちしている。そのため、女装したら間違いなく女性に見られるだろう。ナイトブルーは(さわ)やかなイケメンであり、相当モテていそうだ。なお、理佐は琴美と共に春と(みどり)の世話をしている為、出席していない。


 「まずは約束の件ですが……」


 最初に口を開いたのはナイトイエローである。内容は昨日の白夜と約束した件について。白夜はこの時、自分がほぼ一日の間眠っていたことに気づく。この件は白夜にしか精細に知らない為、白夜が答える。


 「今、ナイトレッドが無事にそっちにいる地点でこちらには約束を破る意思はない」


 白夜の言うとおり、ナイトレッドは正気に戻ってナイトイエロー達の元に居る。昨日はまだ懐疑的であったナイトブルーも今日は見る限り、友好的に接してくれている。


 「はい。こちらもレッドを、正人と救ってくださり、ありがとうございます」


 ナイトイエローはブルーと共に頭を下げる。次に話をしたのはナイトレッドである。


 「で、大方、話は聞いている。もう一度確認するが、政府や本部の奴らが支配されているのは本当なのか?」


 「ああ、百パーセント確証があるわけではない。しかし、もう思い当たる節はあるだろう?」


 白夜に言われて、ナイトレッドはナイトイエロー、ブルーの方へと顔を向ける。互いに言葉を交わさなくても大体のことは分かる。三人はそういう関係である。再び、白夜の方を向く。


 「間違いないな。……だが、俺は白夜、お前をこのままにさせておくはいかない。それはヒーローとして言ってるわけがじゃない。友として言っている」


 「えっ?」


 「正人、いつ仲良くなったんだ!」


 「師匠、どうゆうことですか?」


 「白夜さん。詳しく教えてくれますか?」


 ナイトレッドの言葉に白夜以外のメンバーがざわめく。昨日までとは考えられない光景に周囲は信じられない様子だ。白夜とナイトレッドは状況を説明するために少し中断するはめになる。


 「正人、お前が何と言おうが、俺の意志は変わらない。だが、まだ明日、明後日(あさって)に行うわけじゃない」


 「分かった。絶対に止めてやる」


 場が静まったのを見て、白夜が答える。その内容にはナイトレッドに対し、含みを持たせた形だ。ナイトレッドも理解し、白夜の前で正々堂々、言い放つ。その瞳がただ白夜だけを見つめている。白夜はナイトレッドが本気で言っていることを痛感させられる。


 「話は変わるが、さっきの話を詳しく」


 ナイトチームの用件が終わった所で、次に白夜から聞きたいことがあるようだ。


 「さっきの話……確か、近衛ひかりに似た女が国立科学研究所に居るって話か」


 「近衛ひかり……!」


 ナイトレッドの話の中に出た“近衛ひかり”という単語に反応した風華。ナイトレッドの口から出るとは思わなかった故、唖然(あぜん)とする。


 「そうだ。具体的に教えてくれ」


 「うーん、あの時は正常な状態ではなかったからな。所々、抜けていると思うが、それでもいいか」


 「それでもいい」


 ナイトレッドは国立科学研究所に行った時は正気ではなかった。そのため、ひかりに似た女性の事はうろ覚えになっている。

白夜はそのことには目を(つぶ)って、ナイトレッドから近衛ひかりらしき人物の特徴を聞く。






 「いくつか不審なところがあるが、ひか(ねぇ)で間違いないな。正人、頼む。国立科学……」


 「ちょっと待って、白夜。どう見ても別人でしょ」


 ナイトレッドから身体的特徴を聞いた白夜はこの女性が近衛ひかりだと感じた。勢いのまま、ナイトレッドに頼みこもうとした所で、風華から止められる。


 「ひか(ねぇ)はそんな優しい口調じゃないでしょ? それにもしひか(ねぇ)が生きていたら今年で三十六。塚さんが見たのは二十代の女性。名字も聞いていないし、名前が偶然一緒なだけじゃない?」


 「……」


 風華の反論に白夜は黙りこむ。もちろん、反論もあるが、物的証拠がないため、説得力に欠ける。このまま、どうすればいいかと思った直後。


 「じゃ、俺達が調べてくる。その女性が近衛ひかりかどうかを」


 「えっ、正人。何を勝手に」


 「俺が見たといったのが始まりだ。俺が調べるのは当たり前だろ」


 「まあ、正人が言うなら」


 ナイトレッドが声を出す。二人の会話を聞いて、ナイトレッドは自分達が調べるという。反論したナイトイエローも言いくるめたナイトレッドは白夜の方を見据える。


 「すまん。助かる」


 この申し出に白夜は軽く手を合わせて答える。近衛ひかりについてある程度、まとまったところでこの話は終わった。そしてこの後、互いに持っている情報を知っている限り、話した。


 ナイトチームにしか知らないヒーローの裏事情に未来が幻滅したり、白夜が知っている三地区の裏事情にナイトレッドが憤りを感じたりした。


 「もうすぐ昼になるのでここでお開きとしましょう」


 時計を見ると十二時ちょっと前になっていた。ゆえ、ちょうど話のきりも良かったため、ここで話し合いは終了する。


 ナイトチームも何もご馳走(ちそう)しないのは失礼だということで昼食を一緒に食べることになった。さすがに春や翠は理佐と琴美と共に別室だ。ナイトチームは昼食を食べた後に帰るらしい。ナイトレッドは昨日あれだけの傷を負っても、今日にはほぼ全回復したらしく、その強さに白夜達は恐さを感じたという。







 次回予告


 近衛ひかりの情報を探しに帰ったナイトチーム。一方、未来達は束の間の休息を取ることになる。そして三日後ナイトチームからもたらされた情報とは? 次回 第82話束の間の休息

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