第5章第63話『回想編』【狂悪】正式名称【狂科学者による悪の秘密結社】の壊滅
遅れてすいません。
「……」
「師匠どこ行くんですか?」
ずっと佇んでいた迫夜は、突如動き出し、下の階へと走り去る。
「……」
「……」
「……」
その光景に未来以外は言葉を出せなかった。
その後、風華からこの日の夜10時に一階の居間に集まるようにと言われる。もちろん、迫夜の部屋の片付けは中断とせざるえなくなった。
夜10時、春と翠は既に就寝している。一階の居間には迫夜、 風華が既にいる。その目の前には未来、優理、理佐、琴美の四人が座っていた。この場は物々しい雰囲気に包まれている。
「みんなが聞きたがってることはよくわかる。俺たちも知ってることは全て話す。だから、黙って聞いててくれないか?」
まず、口を開いたのは迫夜だった。迫夜は四人を見据えながら話す。
「分かりました」
四人を代表して優理が受け答える。
「まず……」
今から46年前の某所。
「よくぞ、ここまでやってきたな。私が栄蔵博士だ」
「お前が栄蔵博士か」
二人の男が対峙する。一人は白衣を羽織った三十代の男。もう一人は赤と白色のコスチュームを身に纏った男。顔も隠れていたが、声で男性だと分かる。
二人は幾分か会話をした後、戦闘状態に入る。
「くっ、これがナイトレッドか…… 二年前に【野蛮地帯】を滅ぼしたことはあるな……」
戦闘は少しで終わる。ナイトレッドと呼ばれる年齢不明の方の男の圧勝だった。
一方、ボロ負けした栄蔵博士と呼ばれる三十代男は全身血だらけで倒れていた。
「お前達の研究のために犠牲となった者たちの痛みを知ったか? 栄蔵博士ー」
「まだ青二才の分際で……。三十年早いわぁぁー」
そんな栄蔵博士に対して、声を荒らげて怒るナイトレッド。栄蔵博士も自分より若いナイトレッドに説教され、激昂する。
そして全身血だらけのまま、ナイトレッドに向け、特攻していく。白衣の下に大量のダイナマイトを持ちながら。
「なにぃ~、いつの間に?」
ナイトレッドは不意の攻撃に、一瞬だけ体の動きを止めてしまう。ナイトレッドが回避に動くが、既に時遅く、栄蔵博士は目の前に迫っていた。
そして栄蔵博士はナイトレッドを道連れに自爆したのだった……
というのは嘘で、実際は戦闘スーツのおかげで瀕死になりながらもナイトレッドは生きていた。爆発の後、駆けつけた仲間達により、救助されて病院へと運ばれていった。
その後、目を覚ましたナイトレッドが一連の顛末を語ったことで悪の秘密結社略称【狂悪】正式名称【狂科学者による悪の秘密結社】はボス鬼堂栄蔵の死亡によって壊滅とされた。
サイカイ歴(南歴)1950年のことだった。




