表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪の首領(ボス)の世界征服術  作者: 黒牙 透
第5章何無荒野編~三地区編【壱】
70/103

第5章第58話バナードの攻撃

 タイトルは某有名SF作品のパロディ。

 「ヒァァァァァァあ」


 「なぜお前が……なんだか様子が変だな」


 現在、迫夜の前にはバナードが立っていた。バナードは迫夜を見て、奇声を上げながら体勢を整え始めた。


 迫夜は以前、バナードの基地に行ったとき、バナードは顔に大傷のある男に殺されたのを間接的に知っていた。しかし、目の前には殺されたはずのバナードの姿に目を見開くほど驚いた。


 最初は驚いた迫夜だが、よく観察するとバナードの様子はおかしく、目は血走り、口は(よだれ)が垂れ、胸には禍々(まがまが)しい赤色をした宝石が埋め込まれていた。


 「おい、何し……」


 『影拳打(シャドーケンダ)


 いきなり、バナードが迫夜目掛けて拳を振るう。間一髪の所でかわすがすぐさまバナードは攻撃を続ける。その拳には胸の宝石と同じ禍々(まがまが)しい黒いオーラを(まと)い。


 「ふぅ、ふぅ」


 迫夜はバナードの攻撃を避けながら頭の中で情報整理を始めた。以前よりもバナードの拳のスピードが比べ物にならないほど上がっており、気を抜けば当たるだろう。それも以前よりも威力を増した拳が。







 迫夜達はいつものように家で過ごしていた。するといきなり家の設置されたサイレンが鳴り出した。迫夜が家の周辺一キロを見渡せるカメラの画像を見ると、この家に向かってくるバナードの姿があった。


 迫夜は家には景色に同化できる仕掛けを施しているからと大丈夫と思ったが、バナードが五百メートルまで近付き、方向も変えないため、慌ててバナードの前に飛び出していったのである。


 迫夜が飛び出して数分後、再び家のサイレンが鳴り出す。それはバナードが来たからではなく、さらに他の者がやってきたということだった。






 『二類疾風拳』


 『影拳打』


 隙を見て、迫夜は拳を放つが、拳で受け止められてしまう。


 『二類突風拳』


 『影拳打』


 『二類爆風拳』


 『影拳打』


 次々と技を変えて繰り出すが、全て拳で防がれてしまった。この状態に迫夜は少し焦りを見せ始めていた。


 (こっちは技を違うのに変えているのに、あっちは同じ技だけでしのいでいる。つまり、同じ技だが強さが違うというわけか……)


 『二類水恋拳』


 「『影拳っ!」


 迫夜は前にバナードに使った『水恋拳』の強化技である『二類水恋拳』を左手で繰り出した。


 この技はただ水を(まと)うだけでなく、少しだけ風を(まと)うことで水が相手に顔にかかるようになっている。そうすると、相手は思わず目をつぶってしまう。つまり、相手の隙を生ませるためだけの技ということだ。そのため、威力は水恋拳とほぼ同じである。


 バナードは迫夜の拳から飛んできた水しぶきが顔にかかり、思わず出していた拳を止めてしまう。その隙を迫夜は見逃さなかった。


 『鉄拳祭(てっけんさい)


 『水恋拳』を使っていない方の手、つまり右手から放たれた風も水も(まと)わない、迫夜の純粋な拳がバナードのみぞおちへと強烈に当たった。


 「んっ! 何?」


 「グゥゥゥゥぅ」


 しかし、バナードは奇声を上げるだけで痛みを感じているような身振り手振りはしなかった。それどころかさっき迫夜が繰り出した右手を黒いジェル状の物が(つか)んでいた。


 迫夜が必死に()がそうとするが、逆にどんどんジェル状の物体が右手についていった。


 「しまった」


 迫夜はこの状態に思わず、そう言ってしまった。迫夜の目にはこちらに向かってくるバナードの拳が見えたからだった。


 『影拳打』


 「ぐっ」


 『影拳打』


 「がっ」


 『影拳打』


 「ごほっ」


 迫夜は立て続けにバナードの拳を体中にくらう。今の迫夜はサンドバッグのような状態であり、ただバナードに殴られ続けた。


 「うっ、げっほっ」


 何十発の拳を体に受けた迫夜は口から血が混じった(たん)を吐き出す。攻撃は止んだが、迫夜には嫌な予感しかしなかった。


 「ウぅぅぅぅ、コレデェェ、オワリダァァァ『終焉の(しゅうえんのうたげ)』」


 その言葉と共にバナードの体は爆発した。近くにいた迫夜含めて。爆発の規模は限定的だったが、爆発の衝撃波は迫夜達の家や近くにいた未来達にも届いたが、幸い家や未来達は無傷だった。


 そして、爆発の中心地にいたバナードは多少傷は負ったものの、しっかりとした体勢で地面の上に立っていた。一方、巻き込まれた迫夜は、大きく後方に吹き飛ばされ、地面に仰向けの状態で倒れていた。


 「がはっ」


 迫夜はなんとか意識を取り戻し、バナードの方を向いて立ち上がった。この際、バナードは何もしなかった。


 「はぁ、はぁ」


 迫夜の息は荒く、残された体力は(わず)かだった。


 (見かけで判断するなら、あの宝石が弱点だよな。だが、もしあれが(わな)だとしたら俺は負けるな……。ならば……賭けてみるか、運に)


 この状況で迫夜が決めたこと。それはバナードの胸にある赤色の宝石を攻撃し、破壊することだった。


 迫夜は左手に風を(まと)い始めた。既に右手はこの戦いでは使い物にならなくなっていたからである。身の危険を感じたのかバナードが動き出す。しかし、先ほどまで俊足であったとは思わないほど、遅い動きで迫夜に近づいてきた。


 「いくぞ、バナード」


 迫夜は威勢のいい声を出しながら、バナードへと駆け出した。






 次回は明日投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ