表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪の首領(ボス)の世界征服術  作者: 黒牙 透
第4章タノマ地区編【壱】
64/103

第4章第53話未来の平和なき冒険(終)~コウチシティ決戦(最期)~

 次回で本編第4章は終わりになります。

 四人の目の前に居る骨格標本(スケルトン)は通常とほぼ変わらない姿をしていた。しかし、誰から見ても異なる場所が一ヵ所だけあった。それは頭上にある王冠である。


 四人は目の前で王冠を被っている骨格標本(スケルトン)が【ボーンレイド】の皇帝、全ての黒幕だということを知る。


 「フッフッフ、弱いものから殺そうとしたが、まさか一番の敵を仕留めることができるとは……」


 プレイバーは倒れている次郎に向かって話す。


 「ハッハッハ、笑いも止まらんよ」


 その言葉はもう既に自分が勝ったと見せつけるかのようだった。


 「ちょいと次郎を支えてくれないか?」


 ジョンが迫夜に頼み、頼みを承けた迫夜が次郎の体を支える。


 「調子に乗ってるのもいい加減にしろ」


 直後、ジョンがプレイバーに向かって銃弾を一発、二発、三発と放つ。


 「無意味なことを……。『硬化』」


 プレイバーはジョンの銃弾を食らうがびくともしない。


 (これは、エイゴの……)


 ジョンが頭の中で先程のプレイバーの技を考察する。


 「次はこちらの番だ。『骨返弾(ボーンレフト)』」


 プレイバーは腕から二十センチメートルほどの骨を出し、ジョンへと投げる。縦方向に回転しながら飛んでくる骨をジョンは寸での所でかわす。かわされた骨は後ろの壁の方に飛んでいく。


 「もう一発……」


 ジョンが再度、銃で攻撃する時だった。


 「次郎後ろだっ~」


 迫夜の声が響く。顔を後ろにやると、先程かわした骨がジョンの方へと戻ってきたのであった。


 (ブーメランか……)


 ジョンがかわそうとするが、残念にも骨は右腕に直撃した。


 「がっ、ああ」


 ジョンは苦痛に満ちた声を漏らす。


 「ハッハ、お前が勝てるとでも思ったか? 滑稽(こっけい)だ。ハッハッハッハ」


 その光景を見たプレイバーはジョンを笑う。


 (くそっ、利き腕がやられた。そしてあのコントロール力。あれは……)


 ジョンは右腕を左手を押さえながら、顔は依然プレイバーへと向けられる。


 「次郎、交代だ」


 迫夜の声と共に左肩に手を置かれる。後ろを振り向くと、壁際に次郎を移動させて、こちらに来たことが分かった。


 「俺はまだ戦え……」


 「次郎を頼んだ。いくぞ、未来」


 「は、はい」


 ジョンは言葉を遮られ、迫夜と未来は前へと進み出た。ジョンも止められないと思ったらしく、次郎の所まで後退した。


 「未来、変身だ」


 「はい」


 そう言って、迫夜は未来へルビーのネックレスを渡した。


 「でも、変身は……」


 「心配するな。ネックレスを握って想像しろ」


 未来は迫夜に言われるがまま、ネックレスを装着し、左手で握りしめた。


  (変身)


 未来が心の中でそう思った瞬間から体が変化していく。着ていた 衣服が消える。そして赤のパンツ、赤いワンピース風の戦闘服が身に付けられる。


 ここまでは前回と同じだ。しかし、ここからは違った。ロンググローブ、ベルト、サイハイブーツと装着される順番こそ同じだが、その色は黒ではなく白であった。


 「これが、私?」


 変身を終えた未来の姿は正真正銘、どこから見てもヒーローの出で立ちをしていた。


 「この力、まずい」


 未来の変身後の姿を見たプレイバーは、未来へ攻撃を仕掛ける。


 「『骨直撃(ボーンストレート)』」


 プレイバーの口から放たれた骨は一直線に未来に向かっていく。


 「『爆風拳』」


 しかし、骨は迫夜の拳に(まと)っている風の風圧によってプレイバー自身に戻っていった。


 「お前の相手が一人だけだと思うな」


 「皇帝に向かってお前だと……」


 プレイバーは自分の骨でダメージを負うということはなく、直後に浴びせられた迫夜の“お前”発言に怒りを(あらわ)にする。


 「二人まとめて殺してやる。『骨連射(ボーンマシンガン)』」


 プレイバーは全身のあらゆる所から骨を出し、二人に向かって飛ばしてきた。


 「遅い」


 だが、この一瞬のうちに未来はプレイバーの真横にまで接近していた。


 「『硬化』」


 プレイバーは咄嗟(とっさ)の判断で体を硬くして防御する。


 「『焔爆烈拳(フレアブロー)』」


 「ごあぁぁぁ、あちぃぃ」


 そこに未来の炎の灯った拳が炸裂(さくれつ)する。頼りの自慢の防御は意味をなさず、プレイバーは衝撃で後退していく。


 「『一級風死拳(いっきゅうふうしけん)』」


 そこに未来と入れ替わった迫夜の拳がプレイバーの腹部へと当たる。


 「おぉぉぉぉっ」


 それによってプレイバーは吹き飛ばされ、後方のスクリーンに後ろ向きのまま激突し、床へ落ちる。


 「あぁ、やってくれたな。皇帝を地に落とすとは万事に値する」


 起き上がったプレイバーは中央基地全てに聞こえるような大声で叫んだ。


 「見せてやる皇帝の力を。『骨肉合体(こつにくがったい)』」


 その直後、司令室全体が大きく揺れ始める。


 「前兆から見てもこれは危険だ。『二塁突風拳』」


 「骨肉合体の邪魔はさせんぞ。『一列骨壁(いちれつのかべ)』」


 迫夜はこれから起きるであろう事態を未然に防ぐため、プレイバーに攻撃を仕掛けた。だが、プレイバーの周囲を骨で出来た壁で覆われてしまう。迫夜の拳もその壁を破壊することは出来なかった。


 「未来、離れろ」


 「はい」


 さらに一列骨壁(いちれつのかべ)は外側にどんどん広がっていく。こうとなっては仕方がないため、二人は後退した。






 二人が後退してから三分後、ずっと続いていた大きな揺れは収まった。しかし、これはプレイバーが骨肉合体を終えたことの証明でもあった。


 「フフフフフ、皇帝の力を思い知るがよい」


 一列骨壁(いちれつのかべ)の内側からプレイバーの不気味な声が聞こえてくる。それと同時に一列骨壁(いちれつのかべ)が無くなっていく。


 一列骨壁(いちれつのかべ)が完全に無くなったとき、そこにいたのは司令室の四分の一の大きさの骨格標本(スケルトン)だった。頭の上には王冠があり、それがプレイバーであることを示していた。


 「この姿を見せるのは貴様らが初めてだ。皇帝を怒らせたこと後悔しながら死んでいけ」


 その言葉の後、プレイバーの体から長さ一メートル、幅四十センチメートルの骨を大量に二人に向かって飛ばしてきた。


 「これぞ。皇帝の怒り。『大骨連射(ビッグボーンマシンガン)』だ」


 二人はすれすれの所をかわしていく。少しでもずれれば大骨が直撃し、命はないだろう。


 「『強拳』」


 迫夜はその殺人骨が飛び交う中を()い潜り、プレイバーの前へと飛び出し、拳を振り上げる。


 「遅いな」


 「がはっ」


 しかし、巨体とは思えないスピートで腕を払い、迫夜を吹き飛ばす。吹き飛ばされた迫夜は空中で体勢を整え、地面へ着地する。


 「まずは、弱った奴からだ」


 プレイバーは、未だ回避を続いている未来には目もくれず、標的を壁際で休んでいるジョンと次郎に向けた。


 「『二塁強拳(にるいきょうけん)』」


 「ぐっぅぅ」


 だが、次の瞬間、プレイバーの横腹に強い衝撃が走る。プレイバーが見ると、横腹に迫夜の拳が当たっていた。


 「このぅ」


 プレイバーが再び、迫夜に向かって腕払いを行おうとする。


 「『獄炎拳』」


 「ごあぁぁぁ」


 が、迫夜に気を取られていたプレイバーは、未来へ放っていた攻撃を止めてしまっていた。その隙を見逃さなかった未来はプレイバーの胸元へ渾身(こんしん)の一撃を繰り出したのであった。


 「未来、こいつを引き付けておいてくれ」


 「はい、分かりました」


 「何を?」


 プレイバーは迫夜を攻撃対象としたが、未来に翻弄(ほんろう)され、迫夜に攻撃することが出来ない。

 さらにこの間に迫夜はプレイバーの正面へと移動していた。


 「『特級風死拳』」


 迫夜から放たれた技は、骨格標本(スケルトン)達をバリケードごと吹き飛ばした技だ。この技は強風と衝撃波を伴う。プレイバーも例外ではなく、前方から強風と衝撃波が襲いかかった。


 「未来、俺達の最大火力で攻撃するぞ」


 「はい。」


 迫夜と未来はお互いに連携した攻撃をしていた。それは師弟関係の他に一緒に居た時間も長くなってきた故でもある。


 目の前に居るプレイバーは強風と衝撃波を凌ぐのが精一杯で迫夜と未来を攻撃する余裕はない。


 「いくぞ」


 「はい」


 強風が止み、衝撃波も消えた。そのタイミングで二人はプレイバー目掛けてジャンプする。迫夜の左手には風が、未来の右手には炎が(まと)われていた。


 「皇帝を、皇帝を、()めやがって。本気を見せてやる。生意気なお前達に」


 プレイバーの口調はあまりにも醜い。正体を現したときの面影は全くない。


 プレイバーの巨体が地面を揺らし、次の瞬間、巨体が宙に浮く。二人を押し(つぶ)す算段である。


 両者とも空中を行く。プレイバーが二人に近づく。二人もプレイバーに近づいていく。


 「「『双拳熱風(ツインズ・ヒアー)』」」


 プレイバーが二人に触れる前に、二人の拳が前へと突き出される。あらゆる物を焼き尽くす炎と広範囲に被害を及ぼす風。二つが合わさり熱風となってプレイバーに襲いかかる。


 この熱風内の温度は軽く千度を越えていた。プレイバーの体は人骨で出来ているため、温度が上がる度、表面の骨が溶けていく。


 「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 プレイバーの断末魔が司令室全体に響き渡る。熱風の温度は千五百度を越す。プレイバーの体が完全に溶けていく。灰すら残らずに。


 熱風が止み、空中に居たのは迫夜と未来の二人だけだった。体は重力によって下へと落ちていく。二人とも地面に上手く着地し、次郎とジョンの元へ走っていった。







 (終わったのか。長い長い戦いだった)


 その一部始終を壁際で見ていた次郎は心の中でそう思っていた。声を出すこともままならず、近くに居たジョンにすら声を掛けることが出来ない。遠目でプレイバーを倒した二人がこちらに戻ってくるのを見かける。


 (この傷は……。そうか、俺はもう……)








 次回予告


 プレイバーを倒した迫夜と未来。この後、待ち構えていたのは……。次回第54話冒険の終わり

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ