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悪の首領(ボス)の世界征服術  作者: 黒牙 透
第4章タノマ地区編【壱】
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第4章第51話未来の平和なき冒険その19~コウチシティ決戦(突破)~

 第4章はこの話と閑話を除けばあと三話です。

 (あれをみんなに伝えるにはどうしたらいい……)


 次郎はタチのナイフや増援の骨格標本(スケルトン)達が放つ矢をかわしていく中、必死で打開策を模索していた。


 (今、手元にあるのは……ない。奴の正体を知らせるには何か、物が必要だ。それも数を揃える必要が……)


 次郎はふとこの状況を見る。そしてあることに気付き、心の中で笑っていた。


 (フフフ、ハハハ、まさかあれを見落としてとはな)


 次郎は早速、行動に移すことにした。


 「ジボウジキ、ニデモ、ナッタカ、ニンゲン」


 なんと次郎は飛んできたナイフの方に向かって走ったのである。

 そして次郎はナイフにギリギリまで近づき、避けたのだ。その際、一本のナイフをキャッチしていた。


 迫夜達三人は次郎のこの不可解な行動に疑問を抱いていたが、休憩なく飛んでくるナイフや矢で、大声で叫んで次郎に尋ねることは出来なかった。


 再び、次郎はナイフに接近し、一本のナイフを取り避ける。この行為を計三回行い、手元には四本のナイフが握られていた。


 (まずは成功……)


 次郎はその四本のナイフを立て続けに他の三人が見えるような床の上に勢いよく投げたのである。


 床は大理石で出来ているため、突き刺さるどころか傷一つ付かず、逆に弾き飛ばされ、近くに落ちる。

 ナイフは上から見ると左右上下に一つずつ置かれていた。そして次郎は次の行動に移す。


 (ナイフの次は……)


 それは骨格標本(スケルトン)が放つ矢を先ほどのナイフのように取っていくことだった。ナイフは四本だったが、矢は九本必要だった。一瞬でも気を抜けば投擲物(ナイフ・矢)に体をやられる危険を省みず、次郎は矢を取りに行く。

 なんとか九本を矢を取り、ナイフのあった場所目掛けて投げたのだった。


 一本は周りにナイフが置かれている所に、他の一本は上から見たとき下にあるナイフの下に、ある矢はそれぞれ左右のナイフの外側に、上のナイフのすぐ横左右に一本、残った三本の矢は、一本が上のナイフの少し離れた上の所へ、もう二本はその矢の左右の少し離れた所へ置かれる。


 これで次郎はみんなにある事実を伝えようとした。





 (一体、なにを伝えたいんだ……)


 迫夜は次郎のメッセージを読み取ろうとする。しかし、回避しながら思考を巡らすのは容易ではない。


 (何だ、あの形は……? もう一回整理して考えよう。まず、ナイフと矢は別々に考えるべきか……。 ナイフは左右上下に一つずつ、これは四角形か……それならもう少し密着させるはずだ。)


 迫夜がこうして考えている間にも時間は流れていく。


 (……ナイフは四本、矢は九本。矢は置かれている場所にヒントがあるのか……? ーーん! これは上から見るべきか。上から見ると……これはまさか! だが、これとあいつ(タチ)に何の関係がある? ーーそうか! そういうことか。)


 迫夜は次郎のメッセージに気付く。周りを見渡してみると、ジョンはまだメッセージを読み取ってはいなかった。


 迫夜はジョンにメッセージの答えを伝えるため、とある物をタチに向け投げつけた。


 とある物はタチには当たらなかったが、それを見たジョンはハッとした表情をした。ジョンは次郎のメッセージに気づいた瞬間だった。


 迫夜がタチに投げつけた物。それは“野球ボール”であった。

 次郎のメッセージは“野球”を示していた。メッセージを上から見るとナイフは塁を、矢は人数と配置場所を示す。野球とタチの関係性。その答えは“野球ボール”にある。


 タチ、それが人間時代だった頃、それも若かった頃の話。タチは凄腕の投手として将来を期待されていた。しかし、不幸にも肩を故障してしまい野球の道を下りることになる。


 その後はどんどん落ちぶれ、いつの間にかチンピラのNo.2になっていた。しかし、何があったかは定かではないが、今目の前にいるのは人ではなく(しかばね)に成り果てた化物である。


 皮肉にも人の身を捨て、化物になったが故に、再び投手として投げられるようになる。生前の彼はどう思うのだろうか?


 (奴が投手ならば……)


 (狙いは……)


 (どうやら伝わったようだな。アシスト頼むぞ)


 次郎、迫夜、ジョン、三者の心が一つになったとき、事態は終焉(しゅうえん)を迎える。


 次郎がタチに向かい、走り出す。


 「カテナイト、フンダカ? ン~? ナイ!」


 タチは近づいてくる次郎にナイフを投げつけようとするが、周りに山のようにあったナイフは一本も無くなっていた。そうこうしているうちにも次郎が近づいてくる。


 タチの手元にはナイフはもうないが、後ろの骨格標本(スケルトン)達の矢は現存していた。したがって、次郎に向かって矢が飛んでくるのである。


 「『回転風流拳(スクリューフィスト)』」


 しかし、その矢は迫夜が飛ばす風によって彼方の方向へと吹き飛ばされる。


 「これでぇぇぇ終わりだぁぁぁぁあ」


 そしてタチの元に辿り着いた次郎は、助走をつけた拳をタチの右肩にぶつけたのである。


 「ガァァァァァァァ」


 衝撃によって右肩には亀裂に走っていく。次郎が拳を押し込む度に亀裂はどんどん大きくなり、ついにタチの右肩は粉々に砕けていく。さらに次郎の拳の衝撃はそれだけでは収まらず、通常の骨格標本(スケルトン)の一・五倍あるはずの体が宙に浮き、後ろへと吹き飛んでいく。


 吹き飛んだ先は二階の階段付近、つまり援護の骨格標本(スケルトン)達が居る所だった。もちろんそこに居た数体の骨格標本(スケルトン)達を巻き込んでいき、最終的には二階の壁に当たってようかく止まる。


 骨格標本(スケルトン)達は他の場所にも数体居たが、ジョンの銃によってすべて倒されていた。


 「ハァ……勝った」


 壁の前で倒れたタチの姿を見た次郎は息を切らしながらそう(つぶや)いた。






 次回予告


 タチを倒した次郎一行はついに黒幕が居る? 司令室に向かう。そしてそこで待ち受けていたこととは? 次回第52話未来の平和なき冒険その20~コウチシティ決戦(悲劇)~

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