第1章第3話自分の言葉に責任を持て(悪の秘密結社ドボールの最期)
「お前は、口ヒゲ」
迫夜が試験官の男にそう言うと。
「てめぇ、変なあだ名付けてじゃねぇ。俺の名前は、一作だ。これも何かの縁じゃねぇか。俺が相手になるぜ小僧」
「クズに小僧呼ばわりされる筋合いは無いんでねぇ。それに俺は24歳だよ、クズ」
迫夜と一作がお互いを挑発する。だが、そこに未来が入る。
「バカ試験官、よくも私は騙してくれたわ。迫夜、ここは私がやるわよ」
その声を聞いた迫夜は 勝手にしやがれみたいな表情をしていた。
「最初の相手は、お嬢ちゃんか」
この時、未来には分からなかったが、一作は頭の中で、
――俺に女が相手だと。この俺はヒーロー候補だったんだ。負けるはずがねぇ――
そう思っていた。
「先攻は譲るぜお嬢ちゃん。俺はそこまで本気じゃないぜ」
それを聞いた未来はその声に怒りを込めながら言った。
「私は怒らせて後悔しないでね」
その言葉と同時に、未来は一作に走り寄り左足で蹴りを入れた。だが、未来の蹴りは一作の右腕に阻まれ、一作にはあまりダメージが入らなかった。
「お嬢ちゃん。こんな攻撃じゃ俺は倒せねぇぜ」
一作は未来の左足を掴み近くの壁に叩きつけた。未来は片足を掴まれているためバランスがとれず、そのまま叩きつけられた。
「痛っ、こいつ強い」
未来は、相手のリーチに入らないように攻撃を仕掛けた。一作も未来にもう一発あの技を当てようとするが、未来に避けられなかなか当たらない。その時、男は思ってしまった。
――こんな女に、何故俺の攻撃が当たらない。俺はヒーロー候補だったんだ。なのに、何故楽に倒せない。――
男は焦っていた。男は気づかない。勝負で焦ることが負ける原因になることを。
「ぐはぁ」
未来は一作に着実にダメージを与えている。一作はもう冷静に判断することができなかった。
「てめぇなんて、ぶち殺してやる」
一作は未来に体当たりしていた。一作は気づかない。体当たりは隙が大きいことを。未来は見逃さなかった。未来は一作が体当たりしてくると未来はジャンプし言った。
『脚跳キック』(キャクチョウキック)
一作はその技をまともに食らった。さらに体当たりしているので急には止まれず、そのまま壁にぶつかった。一作は壁にめり込み、その状態のまま倒れた。
「はぁ、はぁ」
未来が肩で息をしていると迫夜が。
「意外と強いな。ヒーロー目指してただけある」
「そう言うあんたも私が戦っているとき、戦闘員達を倒してたみたいじゃない」
迫夜の言葉に未来が返す。
「さて、この基地の主は何処に居るのか、捜さねぇとな」
迫夜と未来は、基地内を捜していた。その途中、迫夜と未来を殺しにきた戦闘員を倒しながら。
「お前らちょっと待て、幹部様の所には行かせないぜ」
迫夜達に不意討ちをかける男。先程の戦闘員に比べると、強そうなオーラを出していた。
「ここは俺がやるぜ。強そうだな」
迫夜が相手になると強そうな男は、防御体勢に入った。
「ガードが得意の様だな。なら行くぜ『疾風拳』」
迫夜の腕には突風拳には及ばないものの、大きな風が纏わり付いていた。その風を纏った拳が男に当たる。
「ガフゥ」
男は迫夜の拳を的もに食らい壁に吹き飛ばされ倒れた。その光景を見ていた二人は。
「「えっ」」
二人が驚くのも無理もなく、倒れた男は強そうなオーラを出していたはずだった。疑問には思ったが雑魚に、無駄な時間を使っているので、先に急ぐ事にした。
そしていかにもボスが居そうな部屋を見つけた。
【ドボール幹部候補の部屋】
「どうつっこんでいいか分からない」
迫夜がこう言うと。
「私はあえてつっこまない」
未来がそう言う。
「とりあえず入ってみるか」
迫夜と未来は扉を開け入ると中には、黒いサングラスをかけた男が座っていた。
「何故ここまで、一作は何をやっているんだ」
誰がどうみてもびびっている男に対し、迫夜は大声で言った。
「お前馬鹿じゃねぇのか。俺達がここに来ている地点で、あの口ヒゲは倒したに決まってんじゃねぇか。折角この基地の主が強いのを求めていたのに、全くの期待外れだ」
迫夜は怒っていた。そしてそのまま黒いサングラスをかけた男を殴り飛ばした。
「ぶはぁ」
黒いサングラスをかけた男は壁にぶつかって倒れた。
「さぁ、お前どうする。俺はお前を勧誘しに来たが、お前の選択次第では、俺は諦めるぞ」
迫夜の問いかけに対し、未来は。
「あんたまだ、自分が悪の組織のボスとか言ってんの? 」
と質問で返す。
「当たり前だ。俺は自分の言ったことに責任を持っている。例え人の為につく嘘もつかない。何故かって言われたらこう言う、人の為につく嘘は、悲しい悲劇になる。場合によっては、敵になったり、最悪殺し合いにもなる。そしたら謝れるのか、死んでしまった人に自分は勘違いだったと。自分の為にやっていた人に。だから俺は自分の言葉に責任を持っている」
未来は悩んでいた。自分はヒーローになれると思っていた。しかし騙された。そして落ち込んだ。でもそこに迫夜が現れた。
迫夜は最初自分を悪の組織のボスと言った。自分は信じなかった。迫夜は可笑しかった。他人である自分の為に私を騙した男たちを倒してくれるのを。迫夜は倒していった。
そして本当に自分を悪の組織のボスといった。今、自分は悩んでいる。私はヒーローになりたい。悪の組織なんかには入りたくない。でもこの男の下には入ってみたい。未来は少し悩んで言った。
「あなたの勧誘、受けるわ」
その言葉に迫夜は。
「ありがとう」
と言った。
「普通、悪の組織のボスが手下にありがとうなんて言わないと思うんだけど…」
その時、基地内に大きな音が響いた。それに対し状況を理解した迫夜が言った。
「ヒーローが来た。ここにいると面倒になる。逃げるぞ」
その言葉に未来は頷き、一目散に逃げた。
迫夜達は町の外れへと逃げていた。そしてヒーローが後ろから来ていないのを確認して足を止めた。
「ふぅ、ここまで逃げれば大丈夫だろう」
一緒に逃げた未来がこう言い返す。
「そういえば、あなたの組織は他に誰かいないの? 」
その言葉に迫夜が答える。
「お前合わせて3人だ。もう一人は今俺の秘密基地にいる」
その言葉に未来の顔がびっくりした表情になるが、すぐ納得した表情になって言った。
「これから、どうするの? 」
未来の質問に対し迫夜はこう答えた。
「帰るんだよ。自分の秘密基地に。この瞬間移動マシンで」
迫夜のズボンのポケットから2つの指輪を出して迫夜の手に置いて言った。
「これ、誰が作ったの? 」
未来がまた質問すると。
「これは、俺が作った。こういうの作るの得意なんだよ」
迫夜が作ったと聴いた未来が言う。
「あなた、科学者に向いているわよ。特に正義側の」
未来のその言葉に迫夜の顔が暗くなって言う。
「正義側のヒーローや科学者は、裏切りや敵のスパイを防ぐ為に個人の全ての情報を暴かれる。例えば、親・兄弟関係とかな」
未来はこの状況が分かったのか話を切り替えてきた。
「この指輪を使って帰るわけね」
迫夜と未来は指輪をはめ帰ろうとした時、未来が言った。
「さっき、言い忘れたけど、私の名前は時空未来、よろしくお願いします」
未来は頭を下げて言った。
「そうか。未来っていうのか。改めて言う。俺の名前は鬼堂迫夜、よろしく」
そう言って二人は瞬間移動マシンの光に包まれていった。光が消えると、二人の姿は無かった。
その後ヒーロー達によって悪の秘密結社ドボールは壊滅した。もちろん一作も捕まり、そのまま牢獄に入れられた。死刑にならなかったのは、ヒーロー側の人間がグルになっていたのでヒーロー側の上層部が隠したのである。




