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悪の首領(ボス)の世界征服術  作者: 黒牙 透
第4章タノマ地区編【壱】
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第4章第44話未来の平和なき冒険その12~四幹戦(前編)

 「【ボーンレイド】は三十年前に現れた組織なのはもう知っているはずだ。まず奴らの組織の構成はボス一人に四幹と呼ばれる幹部四人だ」


 「ちょっとまて前に三人って言ってなかったか?」


 次郎の説明の中に相違があったのか、ジョンは確認する。


 「まてまて、それについても詳しく話す。今は黙って俺の話を聞いてくれ」


 「ああ」


 次郎は手を前に置いて、ジョンを(なだ)める。その後、再び話を続ける。


 「次に【ボーンレイド】の変遷だ。奴らは二十八年前に大規模な殺戮(さつりく)を行い、人々に恐怖と不安を与えた。その際、八つの村が廃村。三つの都市が半壊という被害を受けた。しかし、この時、奴ら側も相当な痛手を受けて、当分の間姿を隠していた。……」


 次郎が話した二十八年の大虐殺はジョンと隊長が初めて遭遇した田舎町や哲治の故郷などを廃村にし、主要都市のコウチ・ガンバイトにも甚大な被害を出した出来事である。


 「ところが、十八年前頃から勢力が拡大し、三年前には骨格標本(スケルトン)の数が二万を越えた。この時、奴らは基地を作って再び周辺の町を襲った。幸いにも被害は二十八年前よりも圧倒的に少なく、基地も破壊された。……」


 【ボーンレイド】は三年前にも周辺の町を襲撃したが、二十八年前を教訓に防衛対策がしっかりさせていたおかげもあり被害は中規模に留まったのである。


 「そこに俺も居て、四幹の一人【ボーガン使いのタケロウ】を倒した。だから今は三人ってわけだ」


 「そういうことか」


 次郎の説明にジョンは首をこくりとさせて納得した。


 「そして今、奴らの規模はどんどん縮小している。骨格標本(スケルトン)はもう五百もいないだろう」


 「それでもまだ約五百は居るんですね」


 次郎の五百という台詞に、はぁ~とため息が出そうな未来であった。


 「次に俺についてだが……」


 「キキキ、ニンゲンハッケン」


 「アノガドリングツカイ、ヤラレタ、ヨワイ」


 次郎が次に自分の事に話そうとした時だった。人とは違う声が次郎の話を遮ったのだ。


 全員が声のする方を向くと、そこには(シルバー)一色に覆われた骨格標本(スケルトン)が横並びに二体立っていた。よく見ると二体とも武器と呼べる物は持っていなかった。


 「……四幹っ」


 「何?」


 その姿を見た次郎が正体を言う。その言葉にジョンが驚く。


 「キキキ、ヨンカンノヒトリ、ヒトリ」


 「オナジ、オナジ」


 正体を暴かれた四幹の二体は自ら四幹と名乗るが、個々の名前は言わない。四幹といえども所詮骨格標本(スケルトン)か、とジョンは思った。


 「ふん。どうせ生存者を消しに来たんだろ。先手必勝だ」


 ジョンは銃を取り出して、四幹の二体に発砲する。だが、一体は拳を突きだして、もう一体は体を何かで覆って防衛される。


 「キカナイ。キカナイ」


 「ヨワイ、ヨワイ」


 その直後に二体が二手に分けれて、次郎達に襲いかかってくる。


 「分断させる気か。そうはさせん。一体は俺が引き受ける」


 「キキキ?」


 次郎は四幹の拳で防衛した骨格標本(スケルトン)に一発拳を振るう。


 「マヌケ、マヌケ」


 しかし攻撃は外れ、逆に相手の拳が右肩に直撃してしまう。


 「くっ」


 次郎は苦痛の表情をするが、すぐさま左足で蹴飛ばす。だが、これも先ほど攻撃した方ではない拳でガードされてしまう。次郎は一旦、距離を取って相手の出方を伺うことにした。


 「名前は何と言う?」


 無事に距離を取り、お互い向き合った状態で次郎は尋ねる。


 「キキキ? ナマエ? ……コンタ、コンタ」


 「そうか、ならお前は【素手使いのコンタ】だな」


 一瞬、顔を傾けて考えこむ四幹の骨格標本(スケルトン)。そして自分をコンタと名乗ったのを聞いた次郎は【素手使いのコンタ】という異名をつける。


 「キキキ、ツギハオレノバン」


 そう言った直後、コンタは次郎に向け拳の連打を繰り出す。最初はかわしていく次郎だったが、徐々に疲れからか、攻撃を浴びていってしまう。


 「キキキ、オレノチカラ、ツヨイ」


 自分が優勢と知ったコンタはさらに攻撃を強める。次郎はこの状況を打破しようと、体当たりを試みるが、コンタは後方へ下がって回避する。しかし、再び接近を許したコンタに、次の行動を考える時間を与えてはくれなかった。


 「ぶっ……」


 そして、幾つもの連打を喰らった次郎が前に倒れかかった瞬間、強烈な左ストレートを横腹を直撃し、口から血の入った唾を吐きながら後ろへと吹き飛されてしまう。


 「ぷっ、やはり四幹ともなるとごり押しは出来ないか」


 起き上がった次郎は倒れた際に口内の血を吐き出すと、真正面に居るコンタに再度向かっていく。







 「ジュウウザイ、マズハ、オマエカラ、コロス」


 次郎は先頭で戦い出した頃、もう一方の四幹の骨格標本(スケルトン)は次郎を挟み撃ちしようとしていた。


 それを見たジョンは銃を発砲して注意をこちらに向けさせる。攻撃自体はほとんど効かなかったが、その攻撃を鬱陶しく思ったのか、四幹の骨格標本(スケルトン)はこちらに攻撃の標的を変え向かってきた。


 「お前の相手は一人じゃない。【二類疾風拳】」


 ばか正直にジョンに向けて突撃してくる四幹の骨格標本(スケルトン)に、ジョンはニヤリとしながら見ていた。そのすぐ後、横から迫夜の拳が油断していた脇腹に命中する。


 「がぁっ~」


 しかし、ダメージの受けたのは攻撃したはず迫夜の方だった。迫夜は痛いを発している手を押さえながら地面を(うずくま)っていた。


 「ユダンシタ、スキダラケ」


 「うぐっ……」


 敵が地面を(うずくま)っている迫夜を見逃さないわけがない。四幹の骨格標本(スケルトン)は迫夜へ突進し、避けることをしなかった迫夜はもろに当たって、ジョンの方へと吹き飛ばされる。


 「オレ、エイゴ、ツヨイ」


 四幹の骨格標本(スケルトン)は勝ち誇った様子で語る。その際、自分の名前がエイゴとばらす。


 「大丈夫ですか? 師匠」


 吹き飛ばされた迫夜が立ち上がると、心配した未来が声をかける。すると迫夜はとんでもないことを口にする。


 「ああ、……未来、奴の弱点が見えた。少し耳を貸せ」


 それはエイゴを倒す秘策であった。


 「はい、はい、えっ! そんなことで倒せるんですかか?」


 「ああ、多分な」


 その様子を不思議そうに見ていたジョン。敵であるエイゴはもう既に勝利は間違いなしとばかりにこちらを向いて突っ立ってるだけだった。


 「一体、何話してたんだ?」


 「それはな、少し耳を貸せば……」


 二人がこっちに来たので尋ねたジョン。それに対し、迫夜は未来同様、小声でエイゴを倒す秘策を話す。


 「まさか、いや、協力しよう」


 ジョンは最初は目を疑ったが、エイゴには自分の銃では歯が立たないので迫夜の秘策に乗っかることにした。


 今、エイゴの前には三人の男女が居る。そいつらは自分を倒すことになる人物だが、エイゴはそれに気づかない。次郎対コンタ、エイゴ対未来&迫夜&ジョンの二回戦が始まる。




 


 次回予告


 コンタVS次郎 エイゴVS迫夜&未来&ジョン 果たして勝負の行方は? 次回未来の平和なき冒険その13~四幹戦(後編)~


 次回は6月14日となります。

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