閑話 寺本公司の一生・西川哲治の一生
side 寺本公司
僕の名前は寺本公司。まあだいだいの人には下の名である公司と呼ばれています。
出身はガンバイトシティで今年二十三になりました。僕の故郷であるガンバイトシティは生まれる五年前に【ボーンレイド】と呼ばれる悪の組織によって多くの人命と家屋を失いました。
ですが、この天才科学者によって防御壁が作られてから大きな被害がないそうです。
しかし、三年前再び襲われ、数名の方が亡くなったそうです。その時自分は運悪く、骨に殺されかけました。この時に助けていただいたのがジョンさんです。
自分も“ジョンさんみたいになりたい”と思い、武術を習い始めました。幸い自分には槍術の才能があったみたいで、今年にはガンバイトシティ防衛第三副隊長に就任されました。
おとといの事。憧れであるジョンさんがガンバイトシティ防衛第一隊長(通称隊長)さんと共にクレイバス村に行く志願者を探していました。僕はそれに喜んで志願させてもらいました。
メンバーは七人でなんと僕よりも若い子も入っていました。驚きです。その子以外は町で何回か見かけたことがある方ばかりでした。
そしてただいま自分は隠れていた強化骨によって不意討ちされ心臓を刺されました。致命傷です。まだ生存者が居るという事実に胸が踊り、隊長の言葉も聞かずに突っ込んでいったばかりに……。
人は死ぬときに走馬灯といって自分の人生が一瞬の間、頭を駆け巡ると言いますが全くその通りだと思います。みなさんすいません。先に逝く僕を許してください。
そして僕の意識は闇の中に消えていきました。
side 西川哲治
わしの名前は西川哲治。西川でなく西川と読む。間違えんなよ。
出身はコウチシティの北にある小さな漁村じゃ。特産品はもちろん新鮮な魚介類じゃ。当たり前じゃろ。じゃがもう今は亡い。
二十八年前、【ボーンレイド】なる者に襲撃され、廃村になったんじゃ。死んだ人達の中にはわしの知り合いがいっぱいいた……。若い衆も混じっておった。連中はそれどころか周辺の村も襲ったんじゃ。
“敵をとる”そう決意したわしは最初コウチシティで防衛兵を任されておったんじゃ。しかし、三年前にコウチシティは大量の骨格標本に攻撃され、陥落してしまった。面目ない。
住人達は避難出来たため 大きな被害はなかったが、防衛兵達は……。わしはそのことが今でも心に残っておる。
そして今、再び連中がクレイバス村を襲ったと聞き、参戦したんじゃ。仲間の中には三十歳以下が二人も居るではないか。心の中では怒っていたが、表面上ではニコニコしておった。
その二人の内の一人が槍で刺されて死んでしまった。想定しておった中で最悪のケースを考えてしまっておった。それは若い衆が死んで、人間が絶滅していくのを。
それはダメじゃ。若い者には生きてもらわなければ。まずは敵討ちじゃ。そう思ってわしは仲間を殺した強化骨格標本に挑みかかったんじゃ。
仲間が牽制しておったおかげでわしの網が上手く奴に絡まっておる。足掻こうとしても無駄じゃ。二十八年前まで漁師をしておったわしの筋力侮るでない。
奴は仲間の一人によって倒された。勝ったんじゃ。わしは仲間の所に向かおうとしていた時じゃった。
わしの体に衝撃が走り、なんと宙を舞っていた。最初何が何だか分かんなかったんじゃ。気付くと体の数ヶ所に銃弾を受けておった。そこから血も噴き出してきておる。
もうわしはダメじゃ。若い衆、わしの分まで生きなされ……。
そこでわしの意識は消えたんじゃ。
次回は6月12日になります。




