第3章20話男の子のヒーローは戦隊、では女の子のヒーローは?
ここから第3章です。
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「――、そこまでよ。」
「――、私は…… 」
「問答無用。」
魔女のような格好をした少女と、薄いピンク色のフリルのついた服を着た少女が、お互いに相対する。
「くらいなさい。ハートブレイド。」
「そんなの効かない。火雷壁」
二人の少女は互いに戦い合う。しばらくして魔女の格好をした少女が言う。
「あなたを倒す事は私には出来ない。」
そう言った瞬間、魔女の格好をした少女はどこかに消えてしまう。残されたもう一人の少女は、消えてしまった少女に対して呟く。
「――、何故。」
少女はその言葉と共に、魔女の格好をした少女と、同じくどこかに消えてしまう。
総司令官選挙候補者共同演説から一ヶ月、迫夜達は、平穏な日々を送っていた。
「未来、1200回まで到達したな。そろそろ次のステップに進もう。」
「はい、師匠。」
迫夜と未来の修行が、何無荒野で行われている頃、家ではある事が起こっていた。
「優理さん、ヒーローだったって本当ですか?」
琴美が優理に質問する。
「はい。元ヒーローです。後、琴美、さん付けは止めませんか。同じ仲間なんですし。」
優理は、琴美の質問に答える。
「はい、そうですね。」
琴美が優理の要望を聞き入れる。ちょうどその時、春が優理に聞く。
「優理お姉ちゃん、ヒーローだったんだ。じゃ優理お姉ちゃんも、フリフリの服を着てたんだね。」
「「えっ?」」
春の言葉に二人が戸惑う。疑問に思った優理が春に尋ねる。
「春ちゃん、ヒーローは、フリフリの服を着てるの?」
「そうだよ。優理お姉ちゃん、ヒーローなんだから分かるでしょ。」
春は優理の質問に答えるが、二人は、春の思っているヒーロー像と、自分達が思っているヒーロー像が違う事に気付かず、困惑してしまった。
「それって魔法少女の事なんじゃない。」
二人が困惑していると脇から風華が言った。
「魔法少女ですか。確かにテレイ地区ではヒーロー扱いされています。あっ」
風華の言葉を聞いて納得する優理だが、ここである事に気付く。
「風華さん、春ちゃんの住んでいた所って、テレイ地区ではありませんか?」
優理は春がテレイ地区出身である事を予想し、気付いていそうな風華に尋ねる。
「優理も気付いた。この後、迫夜が帰って来たら、この事を相談しましょう。」
風華達は迫夜達が帰って来るまで春の出身の話を置いとく事にした。しばらくして、未来を背負った迫夜が帰って来る。
「迫夜、春の事で話があるの。」
「分かった、未来を布団に運んだらすぐいく。」
迫夜は未来を布団まで運び、風華・優理・理佐の三人がいる居間に来て置いてある椅子に座った。
「迫夜さん、春の出身地らしき場所が分かりました。」
優理の言葉に対して迫夜は。
「春の出身地が分かったか。教えてくれ。」
「そんな事言わなくても大丈夫ですよ。それでさっき春ちゃんの会話を聴いていたら、春ちゃんの中のヒーローが魔法少女だったんです。なので春ちゃんの出身地は、魔法少女が居るテレイ地区かと思っているんです。」
春の出身地らしき場所を、迫夜に話す優理。話を聴いた迫夜は、優理に問いかける。
「場所はテレイ地区までしか推測出来なかったんだな?」
「はい。それ以上は分かりません。」
迫夜の問いかけに対し、優理は肩を落としながら言った。
「じゃあ、テレイ地区に行くか。春の情報を求めに。」
迫夜のテレイ地区に行く発言を聴いた三人は。
「迫夜の事だからそう言うと思ってたわ。」
「私も春ちゃんの情報を探しにテレイ地区に行きます。」
「魔法少女ですか。一度会って見たいです。」
三人の想いは別々のようだったが、迫夜の決めた事には賛成だった。その日の夜、迫夜がテレイ地区に行く事を未来に伝える。
「師匠達は、テレイ地区に行くんですか。私もお供します。」
「未来の事だから、そう言うと思ったよ。明日の朝、行くから準備しておけよ。」
未来はテレイ地区に行く事を自分から決め、迫夜も未来の取った行動を予想していた。
テレイ地区に行く日の朝、家の外に春以外の全員が居た。
「風華、春の事頼むぞ。」
「風華さん、行ってきます。」
テレイ地区に行く人全員が、留守番係の風華に一言言う。
「テレイ地区にはまだ私も行った事無いな。」
転送中、秀が呟く。その直後光に包まれ、迫夜達は何無荒野から消えていった。消えていった迫夜達を、見送った風華は呟いた。
「迫夜の事だから、絶対厄介事持ってくるわね。」
テレイ地区にやって来た迫夜達。だが、周りを見回すと、民家が数えられるほどしかなく、迫夜以外の全員は、驚愕していた。
「迫夜さん、ここはどこでしょうか?」
優理が、迫夜に現在地を聞く。
「ここは、サイカイ地区の境界線がある、アサヤマ村だな。俺はテレイ地区にはこの村しか来た事が無い。だから、この村しか来れない。」
迫夜の、テレイ地区にはアサヤマ村にしか来た事が無い、発言は迫夜以外の全員に衝撃を与えた。
「師匠も行った事が無い所があるんですね。」
「未来、俺にも行った事無い所なんていっぱいあるよ。」
迫夜と未来が喋っていると、脇から理佐が尋ねる。
「迫夜さん、ここでの情報採集は無理なのではありませんか。」
理佐の質問に対して迫夜は。
「そうだな。ここでの情報採集は有効では無い。だから、隣町まで歩くぞ。」
迫夜の言葉で隣町まで歩く事になった。しかし隣町までは、一日歩かなければ行けない事を知った、迫夜と秀以外の全員は落胆していた。しかし迫夜以外で唯一落胆していない秀が、みんなに向かって喋る。
「私の発明品に空を飛べる薬がある。それを飲めば、一日も掛からないだろう。」
秀の言葉に、喜びと驚きの声が上がった。
「空を飛べるって、人類の夢じゃないですか。」
「お父さんはやっぱり凄いな。」
「迫夜さんも凄いですけど秀さんも凄いです。」
全員が空を飛ぶ薬を飲むと、迫夜がある事に気付きみんなに言う。
「おい、このまま町に行ったら目立つんじゃねぇか。全員、俺の作った自身透明機を使え。」
迫夜は、全員にバナードの基地や、今川の選挙事務所で迫夜が使った、妙な物を渡す。
「迫夜さん、これはどういう物なんですか?」
理佐が尋ねると迫夜は。
「これは自分を透明人間にする機械だ。製造した理由は……。」
迫夜以外の全員は、迫夜の言葉を最後まで聞かずに自分を透明する機械を起動させる。起動させるが、何も変わった様子が無いので、未来が迫夜に尋ねる。
「師匠、何も変わりません。」
迫夜は周りを見ると、全員が消えている事に気付いた、ちょうどその時、未来の声が聞こえたので、周りにいると思われる全員に向かって喋る。
「俺からはみんな見えないぞ。だから、ちゃんと起動してると思う。」
迫夜の言葉で安堵する未来達。その後、隣町に向けて出発した。




