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悪の首領(ボス)の世界征服術  作者: 黒牙 透
第2章サイカイ地区編【弐】
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第2章第19話自分のやった行為にけじめをつけろ。(欲に溺れた権力者の末路)

 総司令官選挙候補者共同演説が行われる日、会場となる【サイカイシティ・ユーモアパーク】には沢山の市民が、候補者の演説を聴こうと集まっていた。その候補者達が休憩する楽屋に、迫夜・勇がいた。


 「迫夜さん。緊張してきました。本当に、僕の嫌疑は晴れるのでしょうか?」


 共同演説の前に、不安になって後ろ向きな発言をする勇。


 「大丈夫だ。俺が保証する。」


 迫夜は、勇に自信を持たせるような言葉を言う。迫夜の言葉を聴いた勇は。


 「迫夜さんの努力に、僕も頑張らないといけません。」


 勇が決意すると。


 「みなさん。長らくお待ちくださいました。 これより総司令官選挙候補者共同演説を始めたいと思います。」


 司会者の言葉が迫夜・勇に聴こえる。


 「迫夜さん。そろそろ行ってきます。」


 勇が共同演説の場に移動する為、迫夜に別れを告げる勇。


 「おう、しっかりな。」


 迫夜に見送られ、勇は、ステージに向けて歩き始めた。






 「これから総司令官選挙候補者の入場です。みなさん、拍手をして迎えましょう。」


 司会者の言葉に、会場の市民が候補者が出てくるのを見守る。


 「みなさんから見て、左から登場するのは、コバトートの専属ヒーローの司令官を勤めた、今川範鎧氏56歳、この場では、どんな演説をしてくれるでしょうか?」


 司会者の紹介と共に、ステージに登場する今川、観客達も拍手をして迎える。登場した今川は、自分の席に座る。


 「続きまして、みなさんから見て、右から登場するのは、総司令官選挙最年少となる20歳での立候補をした、原羽勇氏20歳の登場です。」


 今川と同様、司会者の紹介と共に、ステージに登場する勇、観客達も拍手で迎える。登場した勇は、観客にお辞儀をしてから、自分の席に座る。勇は、自分の席に座った時、迫夜の言葉を思い出していた。


 回想


 「勇、観客の最前列にいる奴は、全員今川とグルだ。今まで襲って来た奴らも最前列に居ただろ?今川は、奴らにお金をあげて買収している。だから、勇がどんな演説をしようとも、奴らは勇を共感してくれる事はない。」


迫夜は、勇に向けて、勇が襲われた理由を話す。


 「そんな。演説の最前列にいる人達は、今川とグルだったんですか。何とも酷な話です。」


 勇は、真実を知って今川に対して憤る。




 「次は、総司令官選挙候補者同士による討論です。」


 司令官の話すを止めると、今川がいきなり勇を責める。


 「おやおや、汚職は問題はどうされましたか?私には、若いあなたが私には、普通に勝てないから罪を犯してまで勝とうとしか思わないですよ。」


 今川の悪意に満ちた言葉の後、最前列にいた人達が勇に向け野次を飛ばす。


 「そうだ。そうだ。」


 「卑怯者」


 「若いからって調子に乗ってんじゃねぇ。」


 勇は野次が飛ぶ中、観客に向け話す。


 「みなさん、僕の汚職問題を話す前に、みなさんに見せたい物があります。」


 勇が言い終わった瞬間、会場に取り付けられていたモニターに、一枚の紙が映し出される。その紙に書かれている事は、昨日迫夜が、今川の選挙事務所で見つけた、勇に嫌疑を掛けると書かれた紙だった。それを見た観客達から今川を批判する声が上がる。


 「うそ、酷い。」


 「今川、最低だー」


 「今川氏、これはどういう事ですか。」


 今川は一瞬顔が青ざめるが、すぐに反論する。


 「こんなのはでっち上げだ。この男は、自分の罪を隠す為に、私に冤罪を掛けるような男です。みなさん、こんな奴を総司令官にしていいんですか。」


 今川が言い終わった後、再び最前列の人達が、勇に野次を飛ばす。


 「最低なのはお前だ。」


 「今川氏に謝れ。」


 「なんでこんな奴が選挙に出るんだ。」


 勇は観客に向け、再び話し始める。


 「みなさんにはもう一枚見て欲しい物があります。」


 勇が言い終わったと同時に、再びモニターに一枚の紙が映し出される。今度映し出されていたのは、演説の最前列にいる人達にお金を送って、勇に野次を飛ばすように書かれている紙だった。その紙を見た、観客達は、最前列にいる人達に抗議する。


 「お前ら、今川のグルだったのか。」


 「賄賂をもらっているとは愚か者だな。」


 「今川の犬は引っ込んでろ。」


 抗議されている最前列の人達は、顔を青ざめたり、観客達に反論したりしていた。最前列に居た一人の男が、勇に野次を飛ばす。


 「これもでっち上げだ。証拠はあんのか。証拠は。」


 その男の姿は、探偵小説で探偵に犯人だとばらされ、証拠は。と必要以上に迫る犯人と似ていた。勇は、観客達に向けて言う。


 「この書類の他にも様々な書類を僕は見つけました。その中には、賄賂を送った人の実名が書かれている書類もあります。今、最前列にいる人達の名前が、僕の見つけた書類に書かれていれば、証拠になります。今川氏に対する対応は、みなさんの判断に任せます。」


 勇が話し終わると同時に、今川に対する抗議の野次が、会場のあちらこちらから飛ぶ。


 「今川、帰れ。」


 「最低野郎。」


 「二度と出るなー。」


 今川は、精神的に追い込まれ、観客達に怒鳴る。


 「黙れ、愚民共。お前らの力など、権力の前では無力なのだ。お前ら、愚民共を道連れにしろ。」


 今川が、最前列の奴らに指示を出すが……。


 「ブッ」


 突然、今川が血を吐いて倒れる。その光景を見た観客が悲鳴を上げる。


 「きゃーーーーー。」


 何故今川が倒れたか、見ると腹には、斧が刺さっていた。斧を投げたのは最前列に居た、最後まで勇に野次を飛ばした男だった。


 「お前のせいで、俺達の人生は滅茶苦茶だ。どいつもこいつも殺してやる。」


 男は正気を失い、近くに居た人に襲いかかろうとしていた。その時、男が誰かに攻撃を食らって倒れる。


 「悪を倒すのが、俺達のやる事。ナイトスピードレッド。」


 「大切な者達を守るのが、俺達のやる事。ナイトスピードイエロー。」


 「私達に、倒せない悪はない。ナイトスピードピンク。」


 「三人揃って、ナイトスピード。」


 男を気絶させたとはレッドだった。ナイトスピードの三人のリーダー・レッドは、最前列に居た人達に言う。


 「お前達がもしこの場にいる人に危害を加えるなら俺達ナイトスピードは黙っちゃいない。」


 ヒーローを見た、最前列に居た人達は戦意を喪失する。


 「私の人生、終わった。」


 「ヒーローが相手じゃ、どうしようもない。」


 戦意を喪失した最前列の人達を見た、観客達は歓喜を上げる。


 「ヒーローが私達を助けてくれたわ。」


 「俺達は命を救われたぞ。」


 「かっこいいぞ。ヒーロー。」


 ナイトスピードは、観客達の歓喜の中、最前列に居た人達を捕まえ、その直後に来た、警察官らしき人達に渡して、会場から立ち去った。






 その後、総司令官選挙候補者共同演説は中止され、倒れた今川は病院に搬送された。しかし二日後、斧の傷が致命傷となり亡くなった。権力に溺れた男の悲しい末路だった。更に、今川を調べて見ると、様々な不正をしている事が発覚した。

 今川の不正に関わった78人が捕まった。選挙は再びやり直しになり、今川に脅迫され、辞退していた人達が立候補して、勇含め6人で選挙が行われたが、今川に脅迫され辞退した人(権力に屈した人)は、市民の共感を得る事は出来ず、勇の圧勝だった。勇が、総司令官になったと聴いて勇の所にやって来た迫夜。


 「総司令官おめでとう。」


 迫夜が勇に祝福すると。


 「迫夜さん、お久しぶりです。僕から迫夜さんに感謝したい事があります。迫夜さんのおかげで今、僕はこの場にいるんです。ありがとうございます。」


 勇は、頭を下げて迫夜に感謝の言葉を言った。


 「勇、これだけは覚えてろ。自分のやった行為にけじめをつけろ。けじめをつけなければ、あいつ(今川)と同じ末路が来る。」


 迫夜の気迫ある言葉に勇は。


 「迫夜さんの言葉は、一生忘れません。僕はこの後、新総司令官の演説があるので失礼します。」


 勇は迫夜の言葉を心に刻み、その場から立ち去った。ちなみに、ナイトスピードの総司令官は、勇が兼任してやる事になるが、それはまた違う話。






 迫夜は、総司令官選挙共同演説の後、勇には会わず家に帰っていた。


 「師匠、お帰りなさい。」


 「迫夜さん。総司令官選挙、お疲れ様でした。」


 家に入ると全員が迫夜を出迎えていた。迫夜はその後、総司令官選挙候補者共同演説の話を草臥れるほど話した。二日後、今川の死亡が迫夜の耳に入る。迫夜は今川の死亡を聞いて、ある事を思っていた。――哀れだな。自分の配下だと思っていた奴らに、殺されるなんて。――共同演説の三日後、未来の修行が再開された。


未来は、修行の間必死にやって、二週間後には、案山子(マッハ1)に1000回、当てる事が出来るまで成長し、今まで少ししか纏えなかった炎も、手足だけだがしっかり纏えるようになった。迫夜は、勇がやり直し選挙で当選し、総司令官になったのを知り、勇に会いにいった。勇とは少ししか喋れなかったが、迫夜の想いは伝えられた。


迫夜は、勇と別れた後、帰り道である事を思っていた。――勇、当分俺はお前に会う事はないな。俺はサイカイシティには、自分から行くつもりは無いからな。やっぱりこの町の空気は嫌いだ。過去の事を思い出してしまう。――迫夜は家に帰った後、自分の修行を二倍した事は、まだ誰も知らない事だった。






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