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悪の首領(ボス)の世界征服術  作者: 黒牙 透
第2章サイカイ地区編【弐】
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第2章第18話権力に挑む者達。

 「あなたが、迫夜さんですか、今日は来て下さってありがとうございます」


 若い男性は、丁寧な喋りで迫夜を迎える。


 「俺が迫夜だが、今日は何の用事なんだ」


 迫夜が用件を聞く。


 「僕は、総司令官選挙に立候補している原羽勇(ハラバイサミ)と言います。今日、迫夜さんに話があるのは、選挙の事です」


 勇は、迫夜に選挙の事を話したいと言う。


 「総司令官選挙の時期か。でも、どうして選挙の話がしたいんだ?それに何故立候補している勇がこんな所に居るんだ?」


 迫夜が抱いた疑問を勇に聞く。


 「それは、順に話します。まずは、これを見てください」


 勇は迫夜に新聞を見せる。


 「何々、原羽勇候補汚職か?勇これは、でっち上げか?」


 新聞に書かれている内容が嘘だと睨み勇に聞く迫夜。


 「はい。僕もこの選挙、不気味だなぁと思っている矢先でした。更に身の潔白を演説で話すと、必ず刃物が投げられるんです。それで、精神的に参ってしまって、親友の将軍(将太)に話したら、賢二さんを紹介してくれたんです」


 勇が嘘のスキャンダルで悩んでいる事を話す。


 「でも、何故俺を呼んだんだ。賢二で充分大丈夫だと思うが?」


 迫夜は自分を呼んだ理由を聞く。


 「賢二さんに話した所、僕の選挙の対戦相手が、今川(範鎧)氏だということに問題があると言って、迫夜さんを呼んでいました」


 勇の今川という言葉に、迫夜は昔の事を思い出す。――あの時は、権力に屈してしまった。もし勇が、今川から嫌がらせを受けているなら、俺は奴を倒さなければならない。そうしないと優理に会わせる顔が無い。―― 迫夜は勇に言う。


 「勇、俺は今川の不正を暴く」


 迫夜の言葉の意味が分からない勇は言う。


 「えっ、何故ですか?今川氏が犯人とは限りません」


 勇は人を疑わない性格だった為、今川が犯人では無い可能性を示唆するが……。


 「奴(今川)は非道な事を平気でするような奴だ。三日以内に奴が不正をした証拠を俺が見つけてやる」


 迫夜の気迫の言葉に勇は。


 「迫夜さんの想いは伝わりました。しかし、僕には時間がありません。明後日、総司令官選挙候補者共同演説があり、そこで市民のみなさんに、誤解を解かなければ、僕は選挙を下りなければいけません」


 勇の言葉を聴いた迫夜は。


 「勇、明後日の共同演説には出ろ。今川の事は、俺が何とかする」


 「分かりました。あなたにお任せします」


 迫夜は真剣な面持ちで話す。対する勇は迫夜の真剣さを感じ、迫夜に今川の不正を暴く事を任せる事にした。ここで勇は、用があるらしく帰る事になった。勇が帰った後、将太が迫夜に言う。


 「迫夜さん。親友の手助けをして下さり、ありがとうございます」

 将太はお礼をするが。


 「まだ、何もしてないからお礼を言われる筋合いは無い。」


 迫夜は将太のお礼を謙虚に受けとる。迫夜も帰ってやる事がある為、秀を置いて帰っていった。






 次の日、将太に聞いておいた、今川の選挙事務所の近くに来ていた。


 「サイカイシティで選挙が行われるから、事務所もサイカイシティなのか」


 迫夜がそう呟くと、バナードの基地で使った、自分を透明にする機械を使って透明になる。透明になった迫夜は、今川の選挙事務所に正面から入る。

 幸い人がいなかったので、一人でに開く扉は、見られていなかった。中に入ると一階は、長い直線の通路と、長い直線の左右に、沢山の部屋がある構造になっていた。


 「部屋が多いな」


 迫夜は、今川の部屋を探すのが、遅くなるなと 考えていたが、部屋の入口の扉に、今川の部屋関係者以外立ち入り禁止と、書かれていたのですぐに発見する事が出来た。中に誰か居ないか、扉を少し開けて確認する。


 確認した結果、中には誰も居ない事が、分かったので中に入ってみた。中には、大量の荷物が入った段ボールが部屋全体に置かれていた。迫夜は、音を発てないように気を付けながら進む。奥に進むと机があり、机の上に何枚かの書類が置かれていた。迫夜がその書類の中身を見る。


――書類――候補者に対する内容書


――中略、原羽勇に対して汚職の罪を被せる。原羽が、総司令官選挙を辞退する事が無ければ、暗殺する。

――中略――

 立案者・今川範鎧。


 迫夜は書かれている内容を見て言葉を失う。更に、机の引き出しの中に入っていた書類には、とんでもない事が書かれていた。


――書類――コバトート乗っ取り計画


――中略、コバトートの専属ヒーローを全員辞めさせ、都合のいい代理に変える。コバトート町長に冤罪を与え、ヒーロー達に始末させる。居なくなったコバトート町長を、自分の手下にやらせる。――中略――

 立案者・今川範鎧。


 内容を見た迫夜は怒りを覚える。――こんな計画の為に、優理は、人生を狂わさせられたか。―― 必死に怒りを抑える迫夜。その後、様々な証拠を手に入れた迫夜は、今川の選挙事務所を立ち去る。


 次に迫夜はコバトートに移動する。迫夜が訪れたのは、コバトート専属ヒーローが住んでいる建物だった。


 「ちょっと、ここは、ナイトスピード(コバトート専属ヒーロー)のみなさんが、住んでいる場所です。関係者以外は立ち入り禁止です」


 建物の前に居た警備員に止められる迫夜。


 「ナイトスピードさんに会いたいのですが」


 「あなたの様な、どこの馬の骨か分からない人を、ナイトスピードさんには会わせられません」


 迫夜が警備員を説得して中に入ろうとするが、必死に迫夜を中に入れないようにする警備員。


 「いいぜ。そこの君、俺達に会いに来たんだろ」


 迫夜と警備員が後ろを振り返ると、赤いマフラーをした若い男性と、黄色いマフラーをした若い男性と、ピンクのマフラーをした若い女性が立っていた。


 「ナイトスピードさん。本当によろしいのですか?」


 「ああ、大丈夫だ。」


 警備員が迫夜に会う事を心配するが、赤いマフラーをした若い男性は、大丈夫と言って警備員を安心させる。


 「俺達に会いに来たんだろ。用は何だ」


 赤いマフラーをした若い男性が、迫夜に聞く。


 「ナイトスピードさんの司令官について話したい」


 迫夜の言葉に、ナイトスピードの三人は、訳が分からなかったので、迫夜に聞き返す。


 「司令官って今川司令官の事かい?」


 聞き返された迫夜は。


 「すまないが、この書類を見てもらえないか」


 迫夜は、コバトートの事が書かれた書類を三人に見せる。書類を見た三人は驚愕する。


 「今川司令官が、こんな計画を立てていたとは」


 「でも、この書類、誰かのでっち上げって事もあるんじゃない」


 「この書類だけではなぁ」


 書類が本当かどうか疑う三人。迫夜はここである質問をする。


 「優理はどうして辞めたんだ?」


 いきなり優理の名前が出て、三人は驚く。


 「何であなたがブルーの名前を知っているの?」


 ピンクのマフラーをした若い女性が、迫夜に質問する。


 「まずは、俺の質問に答えてくれ」


 迫夜は三人に自分の質問の回答を求めた。


 「すまん。ブルー(優理)が辞めたのは、親の病気で故郷に帰ったと聞いている」


 黄色いマフラーをした若い男性が言う。


 「優理は、今川に辞めさせられたと言ってたぞ」


 迫夜は優理に起こった事実を言う。事実を聞いた三人は。


 「ブルー、そんな目に遭っていたとは」


 「うそ」


 「今川の野郎、俺がぶっ飛ばす」


 黄色いマフラーをした若い男性が、今川に今にも向かって行きそうだったので、迫夜は止める。


 「待つんだ。俺達が力でねじ伏せても意味は無い。ただ悪党にされるだけだ。だから俺にある作戦がある、聞いてほしい。それは……」


 ナイトスピードの三人は迫夜の作戦を聞いて、迫夜に言った。


 「その作戦乗った」


 「今川に正義って何か教えてやるわ」


 「お前なかなか策士じゃねぇか」


 三人は、迫夜の作戦に協力する事になった。迫夜はその後、ナイトスピードの三人と別れ、家に帰ってきた。

 明日、とうとう総司令官選挙候補者共同演説が行われようとしていた。


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