第2章第16話過去の呪縛を解き放つ(ガブリン戦)
『突風拳』
『水恋拳』
『突風拳』
『強拳』
迫夜の怒涛の攻撃が男達を襲う。
「残っている奴も少ないな。」
迫夜が見ると、立っている男は、数人になっていた。
「ひっ、もうやけくそだーー。」
残った数人の男は、やけくそになって迫夜に襲いかかる。
『疾風拳』
『疾風拳』
迫夜の最後の攻撃コンボで敵の男達をすべて倒す。一人意識がある男に迫夜は声をかける。
「おい、ボスの場所はどこだ。」
男は恐怖に怯えながら答える。
「た助けて、ボスは、サイカイシティの裏アジトにいる。裏アジトはナグナグという店の裏口から行ける。」
男は迫夜に、助けとボスの居場所を言う。
「大丈夫だ、すぐにヒーロー達が来る。」
男はヒーローという言葉を聴き、恐怖のあまり失神する。
「まさか、ヒーローって言葉で気絶するのかよ。あっ、おい、もう終わったからいいぞ。」
迫夜がみんなを呼ぶと、みんなが一斉にぞろぞろ出てきた。
「こんな人数を一人で倒せるとは、君も異常だね。」
秀が迫夜の強さを遠回しに認める。
「迫夜さん。ガブリンの居場所は分かりましたか?」
優理の質問に対し迫夜は。
「ああ、ばっちりだ。今から行くぞ。」
迫夜の言葉に全員が戦闘態勢になるが、町中を歩く為、ガブリンの所までは、いつもの姿で行く事になった。
男の言葉を元に、迫夜達はナグナグの店の裏口にやってきた。
「見張りも居ないとは、無用心だな。」
迫夜はそう呟いて中に入る。中に入ると。
「やっと帰って来たか。んっ、何ダァブゥ。」
迫夜が中に居た男を倒す。
「どうやらアジトは地下室のようだな。」
アジトが地下室にある事が、分かった迫夜が下に降りる。それに連なって全員が降りる。迫夜が降りていくと、小さな扉を見つける。
「みんな、どうする?ぶち壊すか。」
迫夜が小声でみんなに話す。
「そんな訳いかないでしょ。」
迫夜の特攻を反論する未来。
「迫夜さん。少し扉を開けて、中の様子を確認してきてください。」
優理の良案を迫夜はやる事になった。迫夜が扉を少し開けて中の様子を確認する。
「科学者を捕まえに行った奴ら遅いな。」
「ふふふ、奴らはダミーで私服を着ているんだ。制服に着替えるに時間がかかっているんだよ。」
男二人が雑談しながら、迫夜達がいる扉の前を通り過ぎる。その時、迫夜は男の格好が可笑しすぎて、少し笑ってしまった。幸い男二人にはばれなかったようだ。
「何、笑っているんですか。」
未来達の所に戻ると、未来に小声で怒られる。
「すまん。あいつらの格好が、おたまじゃくしのコスプレを着てたから、つい。」
迫夜の言葉に未来・理・優理・理佐が笑ってしまった。
「誰だ、誰か居るのか。」
三人の笑いで敵に気付かれてしまった迫夜達。
「強行突破しかないな。」
迫夜の言葉と同時に。
『疾風拳』
扉をぶち壊す迫夜。
「ブハァ」
敵の男が巻き添えを食らって倒れる。
「侵入者だー。援軍を呼べー。」
敵の男に叫ばれて、集まった近くの敵が、迫夜達に襲いかかる。
「迫夜、笑わせてんじゃないわよ。『炎気拳』」
「ふふ、今だって敵着てるじゃねぇか。『突風拳』」
「迫夜さん、残念ですが、あなたの責任です。『横薙ぎ二連』」
「お前ら、喋りながら倒すとは鬼畜だな。」
未来・優理が迫夜に文句を言っていると、理佐が三人を鬼畜扱いするので。
「「「お前に言われたくねぇ。(あんたに言われたくありません。)」」」
三人が理佐に言い返す。迫夜達の注意が、秀達から離れているのを見た敵は。
「今の内だー。科学者を人質にしろー。」
敵が秀と琴美に近付く。
バン、バン、バン。
秀達に近付いた男達がいきなり倒れる。
迫夜が琴美を見ると、琴美は手に銃を持ち、敵に向け発射していた。
「銃とは、珍しいな。」
迫夜が銃を見ていると、敵の男達が逃げ出していく。
「追いますか?」
優理はそう言うが迫夜は。
「いや、ガブリンを探す。」
迫夜の言葉で、敵を追わない事になった。
「でも、あんな可笑しな格好してる奴初めて見た。」
「全く、変な野郎だな。」
未来の言葉に理佐が答える。ガブリンを探しにアジト内を歩き回る。途中、倉庫みたいな場所で、待ち伏せをされるが、返り討ちにする。そして、アジトを散々歩き回った所で、ガブリンを発見する。
「よくここまで来たな。」
ガブリンは真面目に言うが、迫夜達は。
「ぷっ、蛙。」
「おたまじゃくしの次は蛙。」
「酷い格好。」
迫夜達はガブリンが蛙の格好をしていた事に笑い出す。
「蛙の何が悪いっていうんだ。」
ガブリンは自分を笑った事に腹をたてる。そして迫夜達に向かってくる。
『刈衣』
理佐の大鎌による大振り攻撃がガブリンに当たる。
「ガハァ、まだまだ。」
ガブリンは理佐の攻撃を受けるが、必死に耐え、再び迫夜達に向かってくる。
「ガブリン、悪いがここで倒れろ。『爆風拳』」
迫夜の猛烈な風を纏った拳を受け、後ろに吹っ飛び倒れるガブリン。その光景を見ていた秀は、迫夜達に対して。
「ありがとう。」
迫夜が後ろを見ると、礼をして頭を下げる秀。
「頭を上げてくれ。俺はそういうの好きじゃないんだ。」
迫夜の言葉に対し秀は。
「そうか。なら、私達もお前達の組織【美学道】に入れてもらおうか。」
秀の突然の言葉に、四人(迫夜・未来・優理・理佐)は。
「何で、俺達の正体知ってんだ。(何で、私達の正体知ってんのよ。)」
四人の言葉に琴美が謝りながら言う。
「すいません。お父さんは、さっき相手の頭の中を見る薬を飲んでいました。」
琴美の言葉を聴いた四人は。
「いつの間にそんな事してんだ。(いつの間にそんな事してんのよ。)」
迫夜達は秀を軽くぼこぼこにする。
ちなみに秀達を仲間にする事は、秀の元研究室で秀の過去を聴いた時から決まっていたようだ。秀達を無事仲間に加えた迫夜達は、ガブリンのアジトから、瞬間移動マシンで家の前に帰る迫夜達。
「この瞬間移動マシンとは凄い機械ですね。」
迫夜達の後ろから聞き慣れない声がする。迫夜達が振り返ると、見た目30代前半で茶髪のストレートロングをしていて、胸が大きい(F〜G)女性が立っていた。迫夜が誰か聞こうとするが、横に居た琴美が、突然女性に抱きつく。
「お母さーん。」
未来・優理・理佐は状況を理解出来ず、どうしていいか分からなかった。ただ一人状況が分かった迫夜は女性に言う。
「まさか、秀か。お前もしかして自分で性転換薬でも作って、それを飲んだのか。 」
迫夜の言葉にその場が混乱する。
「なかなかいい推理をしますね。しかしあなたの言っている事は、一つ間違っています。それは、あなたが性転換薬を飲んだと言いましたが、本当は性転換薬の効果が切れたのが正解です。」
女性は自分が秀だと認め、更にこの姿が本当の姿と話す。未来はまだ混乱しているようだが、優理・理佐はだいぶこの状況を理解して、冷静さを取り戻したようだった。
「じゃ、あなたは秀さんで、いいんですね。」
優理が女性に秀さんかと聞くと。
「はい。先ほども言いましたが、私は秀です。ですが秀という名前は、男の時の名前です。この姿の時は、莉佳と呼んでください。」
莉佳が全員に自分の名前を教える。女性の名前を聴いた瞬間、迫夜の顔が青ざめる。
「何で気付かなかったんだろう。静波莉佳と言えば、科学者界では有名な人……。」
迫夜の青ざめた顔を見て、理佐は。
「そんなに、凄い人何ですか。莉佳さんは凄いんですね。」
理佐は莉佳を褒める。
「みなさん、戻ってきたんですね。」
「お帰りなさい。」
外で話をしていたので、家の中に居た風華と春が出てくる。風華は、莉佳と琴美が居る事には触れず、みんなを中に入れる。その夜、迫夜は自分の部屋である事を思っていた。
――結局、春の情報を得る事は出来なかったか。それに、莉佳を妬んでいたのは、三区共同政府専属科学長官・柵勝か、今川よりも上か、俺はまた権力者に勝てないのか。――
迫夜は、権力者に屈した自分に悩んでいた。
――いつか過去の呪縛を解き放つまで、首を洗って待ってろ。――
迫夜はそう心に誓った。




