第2章第13話事件はまだ終わらない。
迫夜がバナードを倒した次の日。
「おはよう。」
迫夜が女の子に挨拶するが、女の子は怯えて風華の後ろに隠れてしまう。
「昨日、一緒に寝たけど、悪夢にうなされてたわ。」
風華の言葉を聴いた迫夜は。
「この話はみんなが集めて話さないか。」
迫夜の提案で、全員が集まる事になった。全員が集まると迫夜が言う。
「昨日、未来と優理が助けた女の子について、話したいと思う。」
迫夜がそう言って女の子に名前を聞こうとするが、女の子は再び怯えてしまう。
「この子は、俺以外には怯えない事を見ると、男性恐怖症の可能性が高い。」
迫夜の言葉通り、未来が話しかけると、女の子は普通に喋る。なので迫夜がこの場を一旦離れ、様子を見る。数分後、迫夜が戻ると、表情が明るかった女の子が急に暗くなった。
「やはり、男性恐怖症の可能性が高いですね。」
優理が結論を言う。迫夜がみんなに女の子の情報を聞く。
「で、名前や住所は聴けたのか?」
迫夜の言葉に風華が答える。
「えぇ、一応、名前は如月春ちゃん、年齢は10歳、という事は聴けたのですが……。」
風華が突然喋るのを止める。
「他の事は何も聞けなかったという事か。」
迫夜が風華の黙ってしまった部分を言う。その場に張り詰めた空気が流れるが、ここで未来が喋る。
「私達が黙っていても、何の解決にもならないわ。私達にも出来る事をやりましょう。例えば……。」
いい事を言う未来だが、肝心な所で言葉が出ない未来に対して迫夜は。
「言いたい事は分かる。でも説得力は無いな。だが俺達は未来の言葉を受け入れなくてはいけないな。」
未来の言葉で全員が動き出す。風華・優理は春の面倒を見る事、未来・理佐は町で春の情報を聴いてくる事、そして迫夜は、春の捕まっていたバナードの基地で、情報を探してくる事になった。
「俺はすぐにバナードの基地に行く。」
迫夜がそう言って光に包まれて消える。他の四人もそれぞれ行動を始める。
迫夜が、バナードの基地の近くの場所に転送すると、迫夜は妙な物を取りだし、自分に使う。妙な物を使った迫夜は透明になる。
妙な物とは、使用者の体を透明にする機械のようだった。そして迫夜は基地に向かった。基地に着くと、血のにおいが漂っている事に気付く。妙な違和感を持った迫夜は屋敷に通じる道に行くと倒された戦闘員達がみな殺されている事に気付く。
「ひでぇな。俺達の攻撃で死んだ奴もいるかもしれんが、どう考えても俺達以外の誰かがここに来た可能性が高いな。」
迫夜は死んだ戦闘員達に、黙祷を捧げると迫夜は春の居た建物の方に向かう。建物の前に到着した迫夜は、建物の中に入る。そして春が居たと思われる研究室を発見する。
すぐに研究室に入る迫夜だが、昨日ここに来なかった迫夜は、未来が気絶させた科学者風の男が、居ない事には気付かなった。
「うっ、機械が破壊されてる。これは未来がやったな。さて、何か手がかりはないか。」
研究者魂があるのか迫夜は、壊れた機械を残念がるが、すぐ気持ちを切り替えて春の情報を探す迫夜。しかし数十分探すが何も見つからない。
「誰かに回収されたって事か。」
迫夜は基地にはもう何も無いと感じ、建物の外に出る。迫夜が基地の入口に向かうが、その時迫夜の背筋に悪寒が走る。
恐る恐る振り返ると、顔に大きな斬り傷がある男が迫夜に刀を向けていた。迫夜は恐怖のあまり、何も出来なかったが、男は刀を鞘にしまい呟く。
「気のせいか。」
男はそう言った後、屋敷の方に向かう。迫夜は一秒でも早く、男から逃げたかった。迫夜がバナードの基地を瞬間移動マシンで立ち去った後、屋敷の中からバナードと思われる悲鳴が周り一帯に響いた。
「はぁ、はぁ、はぁ、今何が起こった。」
迫夜が家の周辺に転送すると、さっきの出来事を思い出していた。迫夜は感じていた。今の俺ではあいつに勝てないと。昼、未来と理佐が戻って来たので、経過報告をする。
「私の理佐さんはブレンスクートで、情報を集めていましたが、残念ながら何の情報も得られませんでした。」
未来は残念そうに話す。迫夜は先ほどの体験を話す。
「俺はバナードの基地に行って、情報を得ようとしたんだが、もう既に何者かによって情報は持ち出されていた。そして俺は、その何者かに出会った。そいつは俺の背後に立って、俺に刀を向けてきた。俺は、そいつの気配すら感じられなかった。だから俺は何も出来なかった。」
迫夜が何も出来なかった相手に四人は驚愕する。
「迫夜さんでも気配すら感じられない人とは、これから気をつけた方がいいですね。」
優理が言うと、風華が昼食を作り始めに台所に行った。風華が昼食を作り、全員が昼食を食べ終えると、未来と理佐がコバトートに出発した。
迫夜はバナードの基地に行くのは、危険と感じたのでサイカイ地区の西側にあるユーハイという小さな村に出発した。
迫夜がユーハイに着くと、村は閑散としていた。
「妙だな、やけに静かだ。前に来た時は、もっとにぎやかだったはずだが。」
不思議に思う迫夜だが、春の情報を探そうと歩き回っていた。すると、前から柄の悪い男数人がやってくる。
「へへへ、そこのお兄ちゃん、この村に入るには通行料が必要だぜ。」
いかにも悪党と思われる男が迫夜に詰め寄ってきた。
「そんな金はねぇな。」
迫夜の言葉にキレた男は迫夜に向かって拳を入れるが。
『突風拳』
迫夜の風を纏ったパンチに、仲間もろとも吹っ飛ぶ男。迫夜が通り抜けようとすると、遠くから。
「ーーレッド、あそこにいる……あれ、倒されてる。」
「あいつはただの一般人か? でしゃばりやがって。」
「ーーレッド、とりあえずあの人に聞いてみましょう。」
ヒーローと思われる三人組は、迫夜の前に立ち迫夜に尋ねる。
「この倒れている人は君が倒したのですか?」
格好からブルーと思われる男の質問に。
「ああ、俺がやった。」
迫夜がそう答える。するといきなりレッドと思われる男が、迫夜の胸ぐらを掴み言う。
「ふざけた事しやがって。お前のせいで人質が死んだらどうするんだ。」
怒るレッドと思われる男を止める仲間達、それに対して迫夜は。
「悪かった。この村の事情も知らず。」
迫夜が謝ると、レッドと思われる男は。
「ふん、二度と変な真似するなよ。」
レッドと思われる男はそう言うと、迫夜の元を立ち去る。更に、レッドと思われる男を追いかける仲間達。一人になった迫夜は。
「今は人の話を聴ける状態じゃないな。今日は家に戻ろう。」
迫夜は瞬間移動マシンを使い家に帰る。家に帰ると、迫夜以外の全員が戻って来ていた。
「迫夜さんも、もしかして収穫0ですか?」
理佐が迫夜が聞くので、――ああ――と答える迫夜。その言葉に全員が落ち込む。その後、迫夜達は話し合いを行い、春が自分の事を言うまで、春をこの家に預かろうという事になった。
次の日、理佐の地獄の訓練が始まったが、優理と同様、苦しそうな表情はしなかった。途中、理佐の属性検査を行うため、理佐に再び大鎌を渡すとあの性格が出て、一騒動が起こるが、何とか収め三日間を乗りきった。
ちなみに理佐の属性適性は、格闘術E、刃物術(鎌のみA)、遠距離攻撃E、付加属性(氷のみA)という結果になったが、迫夜達の予想通りなのは言うまでもない。




