第1章第6話どこの世界にも不良はいる。
「よし、準備出来たな。じゃ、出発するぞ」
迫夜と未来(風華は家で待機)はコバトートに行くため瞬間移動マシンを起動させた。光に包まれ消えた後、風華が呟く。
「何も起きなきゃいいけど」
迫夜達は、人が少ないコバトートの外れにやってきた。
「よし、着いたな。未来、俺は必要な物買っていくけど未来はどうする? 」
迫夜は未来にこれからの予定を聴く。
「私、町に初めて来たから、一緒に行くわ」
未来を連れ、歩いていくと人が多くなってきた。
「この町ってブレンスクートより大きく感じるわね」
「そうだろうな。ブレンスクートは人口約15万人、コバトートは人口約25万人と地図に書いてあったからなぁ」
コバトートの人の多さに未来が驚いていると、迫夜が突然指差す。
「あそこに、屋根が赤い建物があるだろ。あそこに俺達は行く」
未来が指差した所を見ると、屋根が赤い建物が建っていた。5分くらい掛け建物の正面に立つと、屋根の赤い建物には横沢科学室と書いてあり、形から倉庫だと判明した。
中に入ると、60代のお爺さんから20代の若者が、見たことのない機械を作っていた。未来が興味津々に見ていると、作業着をきた中年の男が迫夜に話しかけてきた。
「迫夜じゃないか。最近見かけないと思ったが、こんなに可愛い娘を連れ来たのか」
「未来は俺の会社の新しい社員ですよ。何を期待しているんですか」
男の冗談に笑って返す迫夜。それを見ていた未来は言う。
「あの、あなたは? 」
未来の質問に答える男。
「おう、すまん、すまん。俺はここの所長で横沢賢二と言う。ここでは新しい科学を追究して、いろいろな物を作っている会社だ」
自己紹介をする賢二を見て自分も自己紹介する未来。
「私は時空未来です。よろしくお願いします」
お互い自己紹介が終わり、賢二が二人を応対室 に入れると。
「今日は、用があって来たんだったな。ソファーにでも座っていてくれ。おーい将太、ちょっと来てくれ」
賢二が将太と呼ばれる男を呼ぶと、すぐに駆けつけて来た。
「所長、何のご用ですか」
「すぐに、お茶を入れて来てくれ」
賢二の言葉に、将太と呼ばれる男は、すぐにお茶を入れにいった。少し迫夜と賢二が話してると、将太と呼ばれる男がお茶を入れて帰って来た。
「迫夜が来なかった時に新しくうちに入った、三島将太くんだ」
賢二が紹介すると、迫夜達は挨拶をした。将太も同じく、挨拶をした所で賢二が迫夜に聴く。
「迫夜、今日ここに来たのは、分かってる。うちの部品を買いたいのだろう? 」
「はい、ちょっとある部品が足りなくて」
賢二は迫夜と長い付き合いがあるのか、迫夜の用件を見抜いていた。迫夜が足りない部品を賢二が聴くと、賢二は困った顔をして言った。
「うーん。今すぐここに持ってくるのは不可能だな。三日間、時間をくれないか。その間に作って置くから」
賢二の言葉を聴いた迫夜は、三日間待つ事にした。迫夜達はもう用が無いので応対室を後にした。帰り際にお礼を言い、横沢科学室を出ると、外はもう昼すぎになっていた。
「もう昼すぎか。未来、少し町を散策するか」
迫夜の提案に賛成する未来。その時、遠くの方で何やら騒動が起こっていた。迫夜達が見に行くと、年齢が10代後半の男達と、大きな荷物を持った年齢が10代後半で、水色の髪をしたセミロングをした、胸の少し小さい(B〜C)女が言い争っていた。
「さっきの言葉聞こえなかったのか、俺達と一緒に遊ぼうぜって言ってんだ」
10代後半の男達は10代後半の女にナンパしていた。
「いいえ。結構です」
女が丁寧に断ると、男達は。
「俺達のナンパを断るのか。痛い目に遭わなきゃ分かんねぇようだな」
男達の一人がいきなり女に襲いかかろうとして女に近づいていくが……。
「男が女に手を出すとは情けないな」
攻撃しようとしていた男の拳を止める迫夜。
「なんだ、てめぇは」
男達のリーダーと思われる男が言う。
「お前らに、教える必要は無いな」
迫夜の言葉に怒りを抑えられないのか、男は大きな声で言う。
「ふざけやがって、お前らこいつもやってしまえ」
男の命令に男達が迫夜に襲いかかる。
「正当防衛かな」
迫夜は拳を受け止めている男を速攻で倒し、他の男達に向かう。途中未来も参戦して数分後、迫夜達にボコボコにされた男達は。
「ヒ、ヒーローに言っちまうぞ」
「不良の俺達が捕まるわ」
「俺は逃げるぞ」
「お前だけずるいぞ。俺も逃げる」
男達は蜘蛛の子を散らして逃げていった。男達が居なくなった後、ナンパされてた女性が。
「助けて下さって、ありがとうございました」
女性がお礼を言うと、何かを不思議に思った、迫夜は女性に尋ねた。
「俺達もたまたま居ただけだよ。唐突に悪いが、どうしてそんな荷物を持っているんだ?この町は旅行できるほどの観光地は無いんだが」
迫夜の疑問に一瞬顔を暗くした女性だが、すぐに言い返す。
「私はちょっと仕事で来たのです」
女性の言葉は理由になっていたが、一瞬の表情を見逃さなかった迫夜は。
「それならいいんだが、俺達はあそこの横沢科学室に用があってこの町に来たんだ。もし何かあったら、あそこに行くんだ。迫夜の知り合いって言えば、分かると思うから」
迫夜の言葉に軽く頷く女性。別れを言った女性は荷物を持って、どこかに行ってしまった。女性が居なくなった後、迫夜は未来に言う。
「未来、分かったか? 」
迫夜のいきなりの質問に未来は。
「何がですか」
「あの女性、何かあるぞ。多分な」
未来は分からないようだったが迫夜は感じていた。俺達も巻き込まれると。迫夜達はその後、町を観光する。途中、大きな建物の前を通っていると、迫夜が言う。
「この町には専属ヒーローがいる。専属ヒーロー達が暮らしているのが、この建物だ」
迫夜のヒーローという言葉に、目に輝かせる未来。その後も、ヒーロー関係の場所に訪れていた。
夕方になり未来は、もう少し観光したかったが、夕方になったので迫夜と共に、瞬間移動マシンを使って家に帰っていった。
side その後の女性
私はヒーローをクビになった後、コバトートにいた。昼すぎ、宿を借りようとしたら、不良の男達に絡まれてしまった。
しょうがないので愛刀を出そうとしたが、突然、見知らぬ男が私を守ってきた。途中、私よりも小さな女性も戦いに入り、あっという間に不良達を倒していた。私がお礼を言うと、見知らぬ男は突然聴いてきた。
その答えが自分がヒーローをクビになった事だとは言えなったので、とっさに嘘を付いた。見知らぬ男は横沢科学室というとこに用があり、私に何かあったらそこに行けと言われた。
私はその後見知らぬ男と別れ、今宿を取っている。でも宿代は今日一日分しかない。明日からどうするか。そんな事を考えるうちに私は眠ってしまった。