力の意味ー2
天使と悪魔と人間と
二章黒の日本刀
第9話力の意味ー2
「ここは?」一面真っ白な場所に俺一人
「…リク…」
この声は!
「ここはお前の意識の中だ」
「そうか…で?あんたは誰だ?」
「…始月リクお前自身だ…」
「…ああ、あの声か。おいお前が俺なら何故あの時力を貸さなかった?」
「もうわかっているだろ?」
だんだん鮮明に俺に似た喋り方になっていく
「まぁな…何となくだが」
「あの時お前は復讐などの理由で力を欲した」
「だから普段の俺だったんだな…」
「お前は始め何を願った?」
「明火里の無事を」
「それは人を殺すための…復讐するための力なのか?」
「違う…守るための力だ」
「それがわかれば良いな」
フワァ-っと視界が真っ白になにも見えなくなっていく
「現実に戻れ、そして守るために力を振るうんだ」
「今のは夢か?」
ん?ああそうだ
あの後家に帰って寝ちまったのか…
「リク?起きた?」
「ああ、明火里おはよう」
「おはよう下で朝御飯作ってるから降りて来てね」
笑顔でそう言いながら下に降りて行った
ああここは二階の俺の部屋(仮)か
明火里が起こしに来た所で俺が起きたんだろう
「うっ今日から訓練か?」
体がぼろぼろだ…
「兎に角降りよう」
あれ?一階がピカピカ~ってぐらい綺麗になってる
昨日はホコリがあったのに…
ああ明火里が掃除したのか
「あ~リク~ごめん電話出て~」
「あいよ~」
電話が鳴っていたようで急いで出る
「はいはい」
「佐々木です」
「おはようございます…訓練ですか?」
「そうしたいところですが…リク君動けますか?」
「正直辛いです…」
「わかりました、昨日の報酬です。もう一日だけ休みにします」
「助かります…」
「それでは明日こそは始めます」
「了解です」
電話を切ると昨日の明火里を思いだして声をかけてみた
「明火里…昨日の事なんだけど…」
「ごめん、料理忙しいから後でね?」
「ん~わかったよ」
まぁ忙しんだろうなんかどたばたしてるし
「おまたせ~リク~出来たよ~」
「ああ~すぐ行くよ~」
「じゃん!朝御飯らしく目玉焼き~」
「お~明火里はなんでも出来るなぁ」
「やめてよ~目玉焼きぐらいで~」
「いいや。見た目もすごく綺麗だよ」
「もう…やめてよね~」
「はいはい。あれ?食材どうした?」
「ああ~佐々木さん?が届けてくれたよ~」
「ん~後でお礼言っとくな~…ところで昨日の…」
「それより電話なんだったの?」
なんか…明火里昨日の話はしたくないのかな?
「ん~今日もお休みだとさ~」
「あ~リクぼろぼろだったもんね~」
その通りだ…毎回の戦闘で負傷してたらこの先どうなるか…
「ああ…だな…」
「ど、どうしたの?」
「あっいや…なんでもない…」
「ふ~ん…」
「なあ…明火里」
「へ?何?」
「これからも俺に明火里を守らせてくれ」俺の力は…明火里を…人を守るための力なんだ
「え?うん…わかった。よろしくね?リク」
「ああ、よろしくな」
これから俺は守れる人を守り…生きていくんだ!
それが俺が生き残る方法みたいだからな
2013-01-20