崩れる日常
天使と悪魔と人間と
一章赤い始まり
第1話崩れる日常
「俺達がいったい何をしたってんだ…」
なんだか視界がぼやけている
たくさんの人が、赤く染まって倒れている
足もとには血が溜まっている
目の前では刀を持った男が、見覚えのある女の子に向かって歩いて来ている
女の子がこっちを見て「助けて……リク……」と弱々しく言っている
助けに…行かなければ!
だが足が動かない、まるで凍りついたように…
…… 始月リク……このままで良いのか……お前はこのままで良いのか……
「うわあぁぁ!」
俺は思いきりベットから飛び起きた
あわてて足もとを見ると、真っ赤な血溜り……ではなく見馴れたフロ-リングだった
「……なん、だ、夢か……なんだったんだ?あの夢は」
落ちついて深呼吸して、少し寒い冬の空気を吸う
さっきの夢のせいか、嫌な予感がして、自分の部屋を見まわす
ちょっと狭めの部屋で、そこに白いタンスや、勉強机とベットを詰めこんだような部屋
よしいつも通りの自室だ。
落ちついて夢を思いだしてみた
「なんだったんだ、あの夢は」
恐ろしいほど生々しかったあの夢は、現実的ではなかったが
心の奥に引っかかったような……俺は気になってしょうがなかった。
夢の事を考えていたら、突然
コンコン
ドアのノック音が聞こえた、「リク入って良い?」この声は
「ああ、良いぞ」
ガチャ
扉が開いて赤い髪をした女の子が入ってくる
「おはよう」首をかしげながら、挨拶をしてきた可憐な少女は、
燃えるように赤く、ツヤツヤした髪を、尻尾のように後ろに流して
ちょっとはねた髪に気がついていないようなところが、俺は可愛いなと思っている
そしておっとりとやさしげな目で、こちらを見つめているのは、間宮明火里、俺の幼馴染みだ。
「おはよう、明火里」「うん、おはよう、もう7時だから着替えてリビングに出て来てね」
そう言って部屋から出て行った
「てか、なんで明火里が、俺の家に居るんだ?」
制服に着替えてリビングに行き
明火里が作ってくれた目玉焼きを、食べながらテレビのニュ-スを見ていた
「次のニュ-スです、ここ最近関東地方方面で、通り魔殺人が多発しています」
そうなのか関東地方か
ここも関東地方だな
「警察は手口が鋭利な刃物で首を切るという事が、一致していることから、同一人物の犯行と絞り早急に、解決する方針だそうです」
「物騒だね、私達も気をつけなきゃ」
「ああ、まぁ俺達が襲われる理由がないだろ」
「そうだね、そろそろ学校行こっか」
「ああ、すぐに俺も食べるよ」
「あれ?今日は僕じゃなくて、俺なんだね」
「ああ僕の方の俺はまだ寝てるよ」
そう俺は二重人格なんだ
精神科とかに行った訳じゃ無いが、自分の中に 僕 と自分を呼ぶもう一人の俺がいる事は、確かだ
そして学力は下、運動能力は上だと思う。がこれは俺の能力
僕のほうになると学力と運動能力は中、そしてよく人間観察を、しててそれなりに、分析力があるようだ
「そっか、あ、食べ終ったね、食器貸して食器洗浄器に入れちゃうから」
「ああ、よろしく」
「いってきま~す」
「お邪魔しました~いってきま~す」
と言いながらマンションの一室を出る
ここは13階立ての、7階の3号室
築13年ってところだったはず
ちなみに隣りの2号室は間宮家、明火里の家だ
あれ?
「よく考えたらお前どうやって家に入ったんだ?」
俺は一人暮らしを初めて2日目(親の2泊3日の旅行中)俺以外に人はいないはず…
「えへへ~企業秘密~」
……まあこいつなら良いかな……
「鍵が開いてたとかじゃないよな?」
「うん!他の人は入れないよ~」
ハテナマ-クをたくさん浮かべて俺が考えてたら
「心配しなくて良いよ?」
「…了解」
明火里が言うなら、大丈夫だろ
「よしよし素直でよろしい、実はリクのお母さんから鍵を預かってたんだよ
たまに様子を見に行ってくれって」
(ガコン)自分の中で歯車が一つ動くような気がした
「僕も明火里を信じてるからね?」
あ~もう…学校近くなったからって引っ込んじゃって
「ほ?あぁ、おはよう~」
明火里は気がついたのだろう、今僕達は入れ代わった、俺から僕に
「おはよう、あいつからちゃんと話聞いたよ~明火里が侵入してきたって」
「む~可愛い幼馴染みが、モ~ニングコ-ルだよ?」
「普通は電話だよ?それ」
「は!そうだった!」
話ていたら学校に着いた
あっ昇降口に居るのは、 鈴木 計だ
僕の友人だ
鈴木はアイドルオタクで
体はガッチリしていて髪型はいつも通りハリネズミ
伸長は170ぐらい毎日上を少し向くことになる
「おはよう鈴木」
「おはようリク、おお?」
「おはよう、どうしたの?鈴木君」
「あ、いえいえお熱いですねと思いまして」
「何の事?今は冬だよ?」
「今日もお二人で登校、いつもラブラブですね~」
「ちょっな、何を言うんだよ鈴木!」
「そうだよ鈴木君!私たちはそんな関係じゃないです!」
「はいはい、そうでしたね~」ニヤニヤと笑ってやがる
「す ず き く ん?」笑顔で僕は睨んでみる
「おっと怖い怖いじゃあね間宮さん」
脱兎のごとくとは、まさに今の鈴木を意味すると思うよ
「お熱い、ラブラブ……」
小声で明火里が呟いているが、よく聞こえなかった
「明火里、どうしたの」
「えっあっなんでもないよ」
「そうなんだ、教室行こうか」
「やっと昼休みだ~」
昼休みの時間になり
ドサッ
机にうつ伏せになって、昼寝をしていた
「リク、ちょっと良いか?」とんとん
肩を軽く叩きながら呼んでいる
「なんだよ鈴木、人が寝てるってのに」鈴木が手招きしている
「まあまあ、良いからちょっと来いよ」
「あ、うん」
なんだか鈴木が、真剣な顔をしている
真面目な話かな、行くか
「どこ行くの?」
「体育館との連絡橋だよ」
昼休みは全く人が、来ないんだよな
やっぱり真面目な話なのか
どんな話だろな
俺はハテナマ-クを、浮かべてついていくと
バッと鈴木が雑誌を広げて
「お前はこの中でどの娘が好みだ!?」
いろいろな女の子が、写ってる雑誌だ
「もしかしてここに呼んだ理由って……これ?」
雑誌を指さして言ったところ
「当たり前だろ!」
「少しでも真面目な会話を期待した僕が悪かった」
「なぁなぁそんな事よりどの娘が好みだ!?」
「そうだな、この娘可愛いよね」
「あ~愛たんか~良いよなこのおっとりとした眼差し!」
「うん、なんか写真でも可愛いって思ったよ。」
愛たんと呼ばれる僕が指さした子は、
鈴木の言う通り、明火里と同じようなおっとりとした目
違うところといえば、髪は緑色で毛先までストレ-トなところか。
「うむうむ、そうだよな~じゃあこっちのルイにゃんはどうだ!?」
「このネコ耳っ娘か、ちょっとツンツンしてる感じだけど、この笑顔の写真は良いね!」
鈴木が指さしたのは猫耳っ娘。
ショ-トヘア-で綺麗な黒髪が印象的だ
少し、いや、だいぶ熱くなって語り合っていたら
「何やってるの?」
この声は鈴木の声じゃない、鈴木がこんな声なら、顔と声のイメ-ジが違いすぎる
だがこの声は、ほぼ毎日聞いている
やっぱり……
振り向くとそこには、明火里がいた
明火里だ、やばいっ
やっぱりこんな雑誌を広げて、話が盛り上がってました
なんて恥ずかしくて言えない……
サッと鈴木に目配せをすると、既に雑誌を片付けて
右目を擦りながら、左耳を触って、笑顔で返してきた
なにも知らない人がみたら、不審な行動だろう、だが
これは最近ノリで決めた、お前に合わせるって暗号だったはずだ
「ん?ちょっと二人で、格ゲ-の話をして、盛り上がってたんだよ、なぁ鈴木!」
「そ、そうなんだよ、やっぱしあそこは、下段蹴りからの上段蹴りだろ!」
「いやっ!あの場合、投げ技からの下段攻撃だろ!」
「格ゲ-かぁ、私わからないなぁ」
「だよね、じゃ鈴木この話題はまた今度な」
「ああ、了解だ、それで間宮さんはどうしたの?」
「ううん、もうすぐ時間だから次の授業の準備させようと思って」
「うん、ありがとう、いつも僕ら時間ギリギリだもんな」
「よし!折角間宮さんが呼びに来てくれたんだから、早く戻ろうぜ!」
「そうだね、明火里行こう!」
「うん!」鈴木と瞬間笑いあって教室に行く
いつも通りの日常、変わった事なんて、なにもない日常
だがあの不吉な夢は、なんだっんだ?
妙に、引っかかる
なんて心配をよそに、いつも通り学校が終わり、家に帰りつき
晩ご飯を食べて、シャワ-を浴びて寝た
またあの夢を見た
今度は視界はクリアだった
たくさんの人が、血まみれで倒れている
その人達の中に、あれは、鈴木!?
「おい!鈴木!」
鈴木は悲しそうな顔をして、窓から飛び降りて行った
は!あれは、あそこに居るのは明火里!
白髪ス-ツの男が居る、男は刀と思われる物を持っている
コツ、コツ、と音をたてて、男が刀を光らせて明火里に近ずく
「明火里!」明火里がこっちを向いた
「助けて……リク……」
「明火里、明火里!」叫ぶ、そして走りたい!
が、全く足は動かない
……始月リク……このままで良いのか……お前はこのままで良いのか……
良い訳ないだろ!俺は明火里を助けたいんだ!
無力なる者よ……お前は力を望むか……
明火里を守る力を俺は望む!
始月リク……お前に 失われた力を与えよう
「また、夢か、」昨日今日は、嫌な予感しかしない夢だったな
それも、少しずつ鮮明になってる気がする
コンコン
「おはよう、リク起きてる?」扉の向うで明火里の声がした
「おはよう明火里、起きてるよ、着替えてリビング行くから」
「わかった、リビングで、ご飯作って待ってるね」
「ああ、了解」
着替えてリビングに行くと
「あ、おはよ、ちょうど準備終ったよ」
「おう、明火里ありがとな」
「しょくぱん焼いて、バタ-塗っただけだけどね」
「いいや、ありがとう、明火里がやってくれたのが、嬉しいんだ」楽だからな
「えっ?あっ、うん……どういたしまして……」
「明火里?お前顔赤いぞ?風邪でも引いたか?」
「ち、違うの!大丈夫だからっ、ほら、朝ご飯食べよっ」
「そうだな」
プチッ
テレビの電源をつけた
「今朝連続通り魔殺人の、最新映像が公開されました、公開された映像は次の映像です」
テレビにはス-ツ姿で、白髪の男が、刀を持って、走っていく映像だった
「少しでも似た姿の人を見つけたら警察の……」
「俺は今の男を見た事がある……」あの夢の中の男だ
「えっ?今何か言った?」
「あっいや、早く食べよう」
「そうだね、食べようか」
朝ご飯を食べていたら、あの夢は正夢になるのか?、と考えてしまう
「よし、学校行くか」食べ終わり準備も終って
「うん、行こっか」
「なぁ明火里」両肩を掴んでこっちを向かせる
「えっ、な、何?」
「俺がお前を守るから」
「え?ふふっ、変なリク」
「笑うなよ……よし行こう!」
この日常が続く事を祈って
学校についてから
「よし今日もみんな居るな、朝のホ-ムル-ム始めるぞ」担任の先生が言った
コンコン
教室のドアがノックされた
「ん?どうぞ」先生が返事をするが
…………ドアが、開かない
「変だな、誰だ?」ドアを、先生が開けると
そこには白髪でス-ツを着た顔色の悪い男がいた
男は右手で左腰でさわり
スパンッ
鮮血が舞った
後書き
始めましてこんにちは
星野聖龍と申します
久しぶりの方が居てくれると幸いですが
この小説は大幅な直しをしているので次話以降とは話のズレがあり
ごちゃごちゃになっているので一話だけを読んでいただけると幸いです
訳あって他の話の前書きと後書きは消させていただきます
安定するまで不定期更新
2012-12-21(書き終えた日)
2013-03-23〔大幅修正〕