【中3編】第Ⅲ話*馬鹿とホテル*
「それじゃぁ、詩乃ちゃんも山崎君も、また最終日に! 楽しんでくださいねー」
「ありがとうっす、おかげで楽しかったっす!」
「あぁ」
「じゃーねー!」
何時間か経って、午後13時、ついに目的地、大阪に到着! やっぱり空気がちゃいますなー。
あれから本当に短かった。ノリが良い海翔に加わって2人も関西弁ごっこを初め、無駄に盛り上がったのだった。名残惜しいが、実際同じ学校で隣のクラスなのである。でも関西弁に疲れてきて口調が変わった。
「さて、B組のバスを探そ~!」
「あったぞ」
「早すぎ!」
大型バス。なんというか、こういう行事の時にしか乗らないので久しぶりにライバルにあった気分だ。
なんといってもウチは……車酔いが、激しい。
「うあぁ……海翔、酔い止め薬……」
「いつもの場所?」
「いぇす……」
何かと隣の席が多かった海翔は、いつも大体同じバックで行くウチの、薬を入れる位置を覚えたらしい。
皆大阪らしい風景にはしゃいでいる中、ウチはいつも通りぐったりしていた。
○-○
初日はほとんどが移動で、天守閣と博物館と、何か色々行った。
「ホテルー! デカい!」
「詩乃、酔い大丈夫?」
「うん!」
もちろんホテルからは海翔たちと別。優しい声をかけてくれたのは蜜さんです。
「いやー、でもすごかったね! 大阪の人たちがホントに関西弁しゃべってた!」
「いやいや、普通に本当でしょ……詩乃は大阪来たことないの?」
「うん、なかった~」
そうか、常識なのか……。それにしても驚いた。
入館式を終えて、一旦20分後の夕飯までは部屋に行く。
「うおぉっ、綺麗だぁ!」
小学校の時とは全然違う、金かかってんなーという感じの部屋だった。広い。綺麗。
4人部屋はそんなに仲良くない子2人と蜜とウチという組み合わせ。むこうの2人とこっちの2人が合体した感じです。まぁ、蜜の方はあっちの2人とも仲良いんだけどね。ウチは友達が少ない。はがない。
「もっふもふー! ベットもっふもふー!」
「詩乃、そのベットで寝るの?」
「うん。もっふもふー!」
平和だなぁ。ふふふ。
「テレビつく?」
「うん、普通のホテルの部屋だし」
「深夜アニメ見たいな!」
「起こさないでよ?」
「イヤホン持ってきた!」
「修学旅行でまで……」
心のビートはもう止められない!!
雑談して、荷物整理して、夕飯会場に集まった。
A,B,C組は別の部屋で食べる。夕飯は、やっぱり地元の特産品系だった。ちなみに明日はお好み焼きを食べに行く。