表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青春謳歌  作者: 人知らず
59/60

番外編クリスマスの過ごし方 円・美奈

クリスマス編ラストです。

何となくではじめた番外編がこんなに時間がかかるなんて・・・・・

まあ、これで終わりなんでよろしくお願いします。

クリスマス

特別な日と言っても楽しいことだけが特別ではない

特にこの物語の二人にとっては・・・・・・



















「今日ってクリスマスだよな?」


「うん、そうだよ。それがどうかした?」


「あのさ・・・何で俺達・・・・家に居るんだ?」


二人が今居るのは早乙女家の円の部屋

ちゃんと整理されているところを見るとなぜかさすが!と思えてしまう

まあ、小さいころからこの家に出入りしていた美奈からすれば当然なのかもしれない

だが、今、円が気になっているのは美奈のことではない

今日はクリスマスなのだ。

外ではそれぞれの家でクリスマスツリーを飾り、商店街もクリスマスムードに包まれている。

円が気になっているのはそんな日に何で家の中で居るのかということだ。


「ダメ?」


「ダメじゃないけど別に家の中に居なくてもいいだろ?」


「いいじゃん、たまにはこういうクリスマスもさ」


そう言ってベットに横になる美奈

その顔には笑顔が浮かんでいる。


「・・・・まあ・・・いいけどさ・・・」


毎年、クリスマスは商店街を回り、お互いにプレゼントを買い合うのが恒例となっていたため少々残念に思う

だが、美奈はむしろうれしそうに言った。


「外に出たら・・・二人だけじゃなくなるでしょ?・・・クリスマスは二人っきりで過ごしたいよ」


「・・・・・良くそういうこと言えるよな?」


「だって私、円の事好きだし」


平然と普通に言う美奈だが顔は少し赤く染まっている。

円の顔も同じように赤くなっていたが・・・・


「・・・・・だけどクリスマスのプレゼントとかはどうするんだよ?」


「どっちも持ってないんだからいいんじゃない?」


「プレゼントも無しで外にも出ずに過ごすクリスマスか・・・・」


「そう考えるとちょっと寂しいかも」


「いいんじゃないか?こういうクリスマスも」


「あ、真似したな」


「してねぇよ」


確かにプレゼントもない狭い部屋の中で二人でいるだけというクリスマスではあるがそれだけのことが二人にとっては大切で何よりも大事なことだった。


ふと円が何かに気がついたように立ち上がる。


「どうかした?」


「・・・・・やっぱり外に出てみようぜ?」


「え?何で?」


「いいから!」


そういうと円はまだ納得の言っていない美奈の手を引いて外へ出た。

そして、そこに待ったいたのは・・・・・静かに舞い落ちる白い白い雪だった。


「一緒に雪、見たかったんだろ?」


まだ、降り始めたばかりなのか積もってはいないが雪は一つまた一つと地面に落ちる。

その光景は美奈にとっては大切な人と・・・円と一緒に見たかった光景だった。


「・・・・・・うん」


家の外とには誰もいなかった。

商店街の方へ行ったのだろう

雪の降る中、二人っきりでいる円と美奈

しばらく雪を眺め、そして美奈は子供のようにその中を走った。


「ねぇ!覚えてる?小さい時に雪の中で追いかけっこしたの」


「・・・・覚えてる」


あの時は雪で滑って二人とも何度も転んで美奈は泣いてたっけ


「じゃあさ、あの時に円が泣いてた私に言ってくれたこと覚えてる?」


「俺、何か言ったっけ?」


「言ったよ!ホントに覚えてないの?」


「・・・・・全然」


声をかけた記憶とその後、美奈が笑ってたことだけは覚えているが内容はまったく思い出せない


「・・・・あのね、円はその時『泣いちゃダメだよ!泣きたくても笑うんだよ』って言ってくれたんだ」


「それだけ?」


「うん、それだけ。でも、すっごい元気が出たんだ」


「単純なのは昔から変わってないんだな」


「何よ!馬鹿にしてるの?」


怒って円に背を向けてすねる美奈だったが円は美奈に近づいて行き

そして、美奈の頬に静かに一瞬だけ・・・・・キスをした。


「な、な、な、なにしてるの!!!!???」


いきなりのことにパニックになっている美奈だが円はそんな美奈を見てクスッと笑う


「わ、笑わないでよ!!」


「ごめん、ごめん・・・・でも・・・・美奈のそういうとこも好きだな俺は」


「・・・・・・知ってる」


二人だけの何のイベントもないクリスマス

でも、二人にとってはどんなクリスマスよりもよかったのかもしれない

そのことを表しているかのように二人の周りで雪は静かに舞い落ちていく

ご意見・ご感想よろしくお願いします。

短いとは思いますがこれで円と美奈の話も終わり、やっと本編へと戻ります。

まだまだ、未熟ではありますが、どうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ