服を着なさい!
次の日課長が話しかけてきた。
「どうだった?あの町は?あっ、ちゃんとあなたの仕事はやっておいたから。」
「どうだったって……ただ裸で歩いただけでしょ……」とそっけなく返すと、「まぁそうよね。でも、あの町に住む人たちは皆裸が普通なんでしょ?恥ずかしくなかったの?」と聞いてきたので答えることにした。
「それがですね、意外と平気なんです。みんな同じ格好だし、それとどこに行っても男性の目がないっていうのは安心感があっていいですね」
「へぇー、そうなんだ。でも、服を着てる人がいると目立つかなぁ」と疑問を投げかけると、「いえ、それはありませんでしたよ」と否定した後、「でも、この仕事はもうやめてくれませんか?」と頭を下げた。「なんでよ!昨日は良かったじゃないの」と聞いてくるので理由を説明した。
「実はですね……私昨日、裸町に行ったんですよ。それでバスに乗ったら……もう信じられないくらい密着度が高くって……。いや、マジでエグかったです。密着度が高すぎて……」
「えっ?!どんな感じだったの!?詳しく聞かせて!」
興味津々といった感じで聞いてきたので正直に伝えた。「それが……もう本当にヤバかったんですよ!ぎゅうぎゅうに詰め込まれるんですよ?しかもみんな裸だし……。それに周りの女性達の目線がキツかったんですよね……。あんな視線は初めてですよ。まるで動物園で檻に入れられてる気分でしたよ」と言うと、「ふんふん、なるほどね……それで?」と聞いてくるのでさらに続けた。
「もう恥ずかしくて恥ずかしくて……」と涙を浮かべながら訴えると、課長は納得したようにうなずいてからこう言った。
「ふーん、そんなに恥ずかしかったんだね」
「はい!もう二度と行きたくありません!」と言うと、「わかったわ!じゃあまたお願いするね」と言ってきたので驚いてしまい、
「え?なんで?違う仕事してくれるんじゃないんですか?」と聞き返すと、「だって、そんな所私も行きたくないしね」と笑顔で答えるだけだった。
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それから数週間後、また裸町の仕事を押し付けられそうになったので全力でイヤイヤしたので課長は自ら出向くことになった。
で、帰って来て一番に
「もーいや、もー行きたくない。恥ずかしすぎるわ、これからは全部秋月さんに任せるからね」と言って来た。
「私も行きたくないんですが……」と答えると「ダメだよ!これは上司命令だから!」と言われてしまった。
こうなったらもう腹を括るしかない!覚悟を決めてバスの乗り場に並ぶことにしたのだ。
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バスの中で裸で過ごしているとやっぱり他の人からジロジロ見られるのは恥ずかしいものだ。いや、本当は気のせいなんだがそんな気分にもなる。
それに、知らない人に声をかけられたりするのも怖い。
しかし、ここで挫けてはいけない。何とか耐えて目的地にたどり着くことに集中するしかない!
「はぁ……」と大きなため息をついた。これから向かう場所を考えると気が滅入る。というのも、裸町にある銀行まで行くのだが、その行き帰りはいつも苦痛なのだ。
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「はあ・・・またか」と深いため息をつく。
もう、裸で街を歩くのは慣れたものだが、やはり羞恥心はあるわけで……。だが、これも仕事なので我慢するしかない。
そう思っていたのだが慣れとは怖いものである。何度も来ているうちに恥ずかしくなるどころか逆に解放感にも似た清々しさを感じるようになってきた。
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いつものようにお金を銀行に届ける仕事をこなしていく。
以前なら恥ずかしがっていただろうが、今ではすっかり慣れっこだ。
帰りにスポーツジムでストレッチなども出来るほどだ。
大股開きで柔軟体操など出来るようになるとは・・思ってもみなかったが。
「今日はこれで終わりか……」そう呟きながらバス停に向かうと、目の前には見覚えのある人が立っていた。
それはなんと、昔の同僚の女性だった。相変わらずの巨乳でスタイルも良い。彼女も秋月に気づいたようで声をかけてきた。
「あれ?久しぶりじゃん!どうしたの?こんなところで」と言われて思い出した。そういえば、この町に転勤になったと言っていたことを。
「あぁ、実は……」事情を説明すると、彼女は目を丸くして驚いていた。
それもそうだ。まさか秋月が裸で街を歩いているとは思ってもみなかっただろう。
「へぇ〜、そんなことがあったんだ……」
「うん……まあ、いろいろあってね」と苦笑いしながら答えると、「そっか……大変だったね」と同情してくれた。
その後、しばらく雑談をした後、互いに別々の方向に帰っていった。
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「はぁ……疲れたなー」と言いながら自宅への道を歩く。
やはり裸は解放感があっていい。
今まで恥ずかしくて恥ずかしくて仕方がなかったはずなのに、今ではまるで別人のように快感を得ている。
きっとこの町の人たちはみんなこうなんだろうなと思う。
そう考えると、少し寂しい気持ちになったが、それよりも今の快感の方が勝っていたので気にしないことにした。
家に着いてシャワーを浴びる時に鏡を見るとそこには、裸の自分があった。
裸町に来る前までは貧相な体にコンプレックスを感じて、裸をさらけ出すのが恥ずかしいと思っていた。
しかし、何度か裸町に通う内に徐々に変わってきており、今では裸の自分に自信を持つようになったのである。
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ある日、姚晨の元にステラが訪れた。
用件を言おうとしたその矢先、
「あんたその格好は何?ここへ来るときは服を着てきなさいって言いましたよね?」と姚晨が不機嫌な態度になった。
「あ、いえ、今日も裸でいようと思って……」
「とにかくここでは服を着てて!!」と言って姚晨は部屋を出て行ってしまった。
「あ、ちょっと待ってくださいよ!」と言って後を追いかける。
どうやら本気で怒らせてしまったらしい。
「だからその格好はダメって言ってるでしょうが!」
「でも、私はもう裸以外の服なんて着るつもりはありませんから。そもそも服を着る意味があるのでしょうか?」
「そんなことはどうでも良い!とにかく服を着なさい!」
「えっと、服なんて持ってないんですけど」
「はぁ!?」
「だって裸で生活してるわけだし、必要ないですし」
「はぁ、もういいわ……ちょっと、そこのあなた!ちょっとこっちへ来て頂戴!」と部屋の掃除をしていた女性を呼びつけた。
「はい!何でしょう!」
「ちょと着てる物全部脱いで頂戴!さ、早く!」と服の端を指先で少し引っ張った。
それに応じて女性も上着を脱いだ。
「ちょ、ちょっと何をするんですか!?私はまだ仕事中なんですけど!」と驚き慌てて叫ぶ女性だったが、そんなことを気にする様子もなく無理やり下着ごと全て脱がし裸に剥いた。
「ほら、これだけでも着てなさい!」と下着を渡されたのだが、
「いやいやいや、ちょっと待ってください!さすがに他人の下着を着るのはどうかと‥」
「良いから早く着なさい!寒いでしょ!それに恥ずかしいでしょ!」
「いえ、別に寒くはないんですけど……それに下着って貸し借りするものではないですよ。第一汚いし」
「汚いって何よ!せっかく貸してくれたのに失礼でしょ!」
「いや、普通の反応です!返してください!だったら姚晨さんの下着を貸してあげればいいと思います!」と掃除の女性も言い始めた。
「いやよ!他人に下着なんて貸せるわけないでしょ。解りました。お金は出してあげるから何か着てきなさい!」
「そうですか、残念です」とステラは名残惜しそうに答えた。
それから服を買いに行き数分後に戻ってきた。この辺りには呉服店しかなかったようだ。
彼女は着物姿になった。ブラジル系の女性が着てるので違和感はあるが似合ってはいる。




