四女神連邦へ
四人目はその国のルールに従えない人だ。例えばここへ来る前の国の習慣を当たり前のように実行してしまうような人だ。
例えばその仕事は許可制だと言われてるのに許可も取らずにその商売をやったりするような事だ。
他には病院で騒ぐなと言ってるのに騒いだりとそれが積もり積もって逆鱗に触れてしまうのだ。
大体こういう人達は後進国出身者に多い傾向にある。まあ、教育水準が低い国なら仕方ないのだろう。
五人目はまあ、何と言うか激怒するのは姚晨総理位だと思うが街角で女性の写真を撮ったりスポーツしている女性の写真を撮ったりしてそれを第三者に売ってしまった事だ。
もちろん承諾も得ずにの撮影は論外だが例え承諾をもらっても本人が楽しむ以外はご法度となる。
そもそもなぜ撮っちゃダメなのかと言うとここ姚晨国ではもともと女性の着衣体を晒すこと事態を厳しく取り締まっていた為、規制が撤廃された今でもその風潮が根強く残っている。だからそのような写真を撮られるだけで重罪に問われる場合もあるのだ。
それでも許されるのは撮影者のプライベートや思い出などの範囲内であればいいだろうと言う事だけだ。
また、インターネット上での画像掲示板なども禁止されており、そこで公開することは決して許されない行為としている。
しかし中にはどうしても写真を載せたくなる輩もいるようで、そういった輩たちは処罰の対象となるのだった。
そして五人は追放となり二度と四国のいずれの敷居をまたぐことは出来ないのだ。
一生どこかで野垂れ死ぬしか道はない。
ただし三国ではなくうさちゃん国出身なら外国に出稼ぎに行ってることもあるので別段驚きはない。
なのでそういった女性を見ても周りはみんなスルーだ。触らぬ神に祟りなし。
そして一つ疑問に思う事もあるだろう。なぜ、うさちゃん国以外の三国は国外に出て行かないのか、いや出たがらないのか。
彼女たちは魅力的でモテる上に彼氏だってほしい。海外に出れば誰もが口説きたがるはずだ。それがなぜ国内で土方男性を求めるのかだ。
その答えは簡単で外国人男性を全く信用していないからだ。
まず国外で男性と結婚、いや恋愛問題まで行ってしまうと二度と帰る事が出来なくなる。
そして彼女たちは男を見る目があまりないのでくず男に引っ掛かる可能性が高い。
最後はいったん国を出たらどんなトラブルが起きようと自己責任だ。四国は助けてはくれないのが最大のリスクとなる。
そしてそれが怖いので四国から出るのが嫌なのだ。
特に姚晨国に関してはその風習が強い。
もちろん全ての女性がそうではないが比較的この思考は女性に多い傾向にあると言える。
###ヒミコ邸
「ヒミコ様!聞いてください!」と玉兎が騒ぎ立てるようにやってきた。
「あんたまた来たの?相変わらず暇そうねえ。まあ、私も人の事言えないけどさぁ、今度は何?」
とヒミコは呆れながら言う。
「別にいいじゃないですか。それより聞いてくださいよ!今まで四国とか言うのが面倒だったのでそれをまとめて呼ぶ時の名前を付けてみました。」と玉兎は嬉しそうに話す。
「例えばいろんな国が集まってヨーロッパと呼びますよね。そんな感じにつけてみました」
「へぇ、それってどんな名前?」
「はい、それがですね。四つの国は共通して一つの理念を持っています。それでこの思想を持つ国々はこう呼ばれるようになりました」
「うん、それで?」
「そうなんです。『四女神連邦』と呼ぶことになりました」
「四女神連邦ねぇ……なんか微妙なネーミングだけどまぁ、良いんじゃないかしら?私の名前を付けられるよりずっとましだわ!」
「あっ!その手があったか…」
「あんたそれマジで言ってるの?冗談じゃないわよ!私の名前を使うなんて絶対反対だからね!もし本当にそんなことになったらあんたを許さないから!!」
「えっとぉ、あのぅ、そのぅ……」
「何よ!言い訳なら聞かないわよ!」
玉兎はヒミコの迫力に押され言葉が出てこない。
「ごめんなさい!」
「わかれば宜しい。それで?続きは?」
「ヒミコ帝国にすれば良かったかなと…」
「はぁ……やっぱり馬鹿なの?私がそんな事を望むと思ってるの?」
「だってぇ」
「とにかく!私はヒミコ帝国なんて国はいらない。あなた達が考えたのは四女神連邦よ。わかったらさっさと消えてちょうだい!」
「わかりましたよぉ……じゃあ、もういいです。私は忙しいですから。では失礼しますね」
と言って急いで部屋から出て行った。
「まったく世話の焼ける子ねぇ……」
と愚痴をこぼす。そうは言うが別に彼女を嫌っている訳ではない。むしろ憎めない愛すべきキャラクターなのだ。
「ヒミコ様~」と玉兎が部屋に入ってきた。
「また来たの?今度は何の用事よ。忙しいんじゃなかったの?」
と冷たくあしらう。
「いやぁ、ちょっと相談がありまして……実はですね」
「何よ」
「ヒミコ邸の玄関先に私達四人の等身大フィギアを置かせて頂きたいのですが…。あっ、もちろんセクシーポーズで‥」
と上目使いに言う。本当にあざとい奴だ。
「却下」
「ええっ!なんでですか!すごく良いアイデアだと思うんですけど!」
「あんたねぇ……そもそもなんでそんな必要があるわけ?意味がわかんないんだけど。大体そういうものは芸能人とかがやることでしょ?一般人であるあんた達に需要はないし、第一お金の無駄じゃない。それに万が一盗まれたらどうするつもりなのよ!」
「それなら大丈夫ですよ。ヒミコ様の邸宅に盗みに入るような命知らずなんていませんから。それに私達って結構人気あるんですよ。ほら、大会優勝メンバー達だしね」
「確かにそうかもしれないけど……でも私は反対だから!絶対ダメだから!」
「ちぇーっ、わっかりましたよぉ」と言ってしぶしぶと退出していった。
が、後日、ちゃっかり建てられたのは言うまでもない。
セクシーポーズではなく四人が手を繋いで微笑んでいる四女神像だったが。
「あんの、糞アマー!」
とヒミコが言ってると、
「あら、ヒミコ様、どうしたんですか?」
「こらっ!こいつはまた」とヒミコの額に青筋が見える。
「いやだって、ヒミコ様に献上すればいいのかなって思いまして。それならオッケーでしょ?それともあっしが処刑されますでしょうか?」
「もういいわよ。好きにしなさい」と諦めたようだ。
「ところでヒミコ様、この四女神連邦は今後どのようになされるのですか?」
「そりゃあもちろん。今まで通りよ。何にも変わらないわ」
「そうですよね。良かったぁ……私、これで失礼しますねぇ」
「ちょっと待ちなさいよ!せめて屋根位付けたらどう?」
「えっ?屋根ですか?」
「当たり前でしょ!雨とか降ったら彫刻が痛むじゃない」
「え~でも、そこまで気にすることないと思いますが……」
「駄目よ!いいから付けなさい!命令よ!」
「はい、了解ですぅ!」と答えて退出していった。
「もう……」
結局ヒミコはその後玉兎によって屋根付きの四女神像の台座を作ってもらいしげしげと眺めていたそうな。




