表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
刻印戦記〜カミグライ〜  作者: ワサオ
第二章 東京編
7/18

第6話 破壊の羅将"絶壊皇"

 その声がする人物は僕の目の前に着弾した。その衝撃で砂煙が台風の如く舞う。

 大量の砂煙を浴びて、僕は何度も咳き込んだ。


「ゲホッ!ゲホッ!」

「いやはや失敬、失敬」

「絶対ワザとだろ!」

「オッサンは歩くのが疲れるからのぉ!はっはぁ!」


 目の間に落ちて来た絶壊皇と名乗る男。

 絶装皇子よりもひと回り大きい。

 それに、とても白く長い髪にだらしない。それに伸びきった髭。それに肌も剛毛でトケドケしく痛そう。

 上半身裸。見たことも無いような筋肉。テレビで見たようなマッチョを超えていると思うが、正直暑苦しい。


「ほぉ、お主が佐々本金吾。だな」

「あ、あぁ。いい加減要件を……」


 目の前にするととてつもなく迫力がある。

 威圧感というか、オーラというか、迫力というか。

 言葉には表せない強者の圧力を感じる。

 僕が圧倒されていると、絶装皇から口を開いた。


「では要件を告げよう。君に──」

「足が滑ってもうたわぁ!!はっは!!」


 いきなり話を腰を折るように絶壊皇が僕を蹴り飛ばした。

 見えなかった。あらゆる強者の力を得ているのに。

 捉えることすらできなかった!

 まるで発射されたミサイルのようにぶっ飛んでいき、富士山から九州の阿蘇山の火口まで飛ばされた。


「おい、話の腰を折るな」


 絶装皇が注意する。だが、絶壊皇は相変わらず笑っていた。


「はっは!すまんなぁ足が滑ったもんでな!」

「何故お前が壊輪を持つのか出来ん」

「素質があるっつう事だろうさ」


 僕は身体が半分溶けていた。正直熱い。

 火口から飛び上がり、すぐに身体は元に戻った。

 徐々に不意打ちされたことに苛立ちが募って来た。


「くっそ!要件言う前に殴りやがって!一撃だけでも喰らわせてやる!気が済まん!」


 神の雷の力を発動し、空に指を掲げた。

 あの二人がいる場所を思い浮かべ、指先に雷を溜め始めた。


「断罪の雷を受けろ!」


 指を振り下ろし、二人のいる位置に強烈な一撃の雷を降らした。


「ん?」


 二人が上を見上げた。

 その時、頭上より閃光と共に雷が降り落ちた。

 二人がいる場所は雷により、爆発を起こした。

 爆煙で状況が見えない。でも僕はまだ足りないと感じ、さらなる一撃を加えた。

 魔法使いの力を使用して、富士山上空に戻った。

 そして巨大なドラゴンの姿に変化し、口にエネルギーを溜めた。


「ダメ押しの一撃!!ドラゴンバスタぁぁぁぁ!!」


 二人がいた位置に口からビームを撃ち放った。

 ビームは一直線に飛んでいき、富士山山頂を粉々に消し飛ばした。


「何が羅将だ。不死身の僕に勝てるわけないだろ」


 二人の力は感じない。

 消した。安心した僕は、竜の姿を解いて消し飛んだ富士山山頂へと降りた。

 誰もいなくなった世界に、一人強がって自慢気になった。


「十メートルくらいは標高下がったかなぁ。はは」

「山をちょっと削るのがお前の限界か?」

「!?」


 後ろから絶壊皇の声が──

 咄嗟に振り向いた。だが、見えない速度で攻撃を受けてまたも遠くへと殴り飛ばされた。

 今度はスカイツリーが突き刺さっている東京ドームの客席にぶっ飛ばされた。


「くっ……あの一撃に耐えただと!?」


 全身の骨が折れた。

 すぐに回復して立ち上がると、スタジアム上空に羅将の二人がいた。

 すぐに反撃に出ようとした。

 手を構えた瞬間、絶壊皇がその場から消えた。瞬時に目の前に現れて、僕の手を掴み取った。


「これがさっきワシらをつついた悪い御手手か」


 腕をギュッと握りしめ、小馬鹿にするように笑う。


「くっ!離せ!」


 すると絶壊皇は笑った顔のまま、低い声で言った。


「羅将への喧嘩、買わせてもらうぜ」

「え?」


 僕の腕を引っ張り、身体ごと小物を持つように持ち上げた。

 そして円を描くように僕を振り回し始めた。

 対抗しようにも回転の軸移動で頭の血が昇り、思考回路が閉ざされた。


「な、何をッ!」

「お仕置きだ!!」


 タオルを振るように振り回し、今度は野球ボールを投げように投げ飛ばした。

 その際、腕が引きちぎれだが、そんな事関係ない。

 僕は訳もわからない内に投げ飛ばされて、海を超えて何処かの国へと飛ばれた。


「すまんな絶装。少しだけ遊ばせてもらうぞ!」

「好きにしろ」


 絶装皇は半ば諦めた形で絶壊皇を見送った。


「全次元が危機に陥っている中、何をしているのやら」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ