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【外伝集:わたしの外伝あつめ:ミーナ学園編のダイジェスト】

ユアがノアとお風呂にいったので、TVの前にはアミュアとラウマの二人となった。

膨大な量のサムネイルからラウマが新しいものを再生し始めた。


ーーーふむふむ‥‥これはなんですかね?

ーーいわゆる外伝的なものですかね?

ーーーミーナかわいいですね!

ーーうんうん!学院の女の子はみんな可愛いよね。


「いつの日か私も姉さまと一緒に旅がしたいです。もちろんアミュアとも行きたいけど」

ちょっと胸に来るカーニャ。

「もう、嬉しいこと言ってくれるな。ありがとう楽しみにしているわ」

幼いころから体が弱く、命を落としかけた時期もあるミーナ。

それが奇跡によって今に至った。

カーニャの心には二人の友人が自然と浮かぶのであった。

それはあたたかく優しい時間を思い起こさせ、すこしだけ寂しさもおぼえるのであった。

姉の表情の変化を敏感に受け取るミーナ。

最近はアミュアの影響か、他者の心を丁寧に知ろうとするミーナ。

「姉さま、せっかく2つベッドを準備してもらって申し訳ないのですが」

ちょっとほほを染めもじもじするミーナが上目遣いに姉をみる。

「もしよかったら今夜は一緒に寝てはだめですか?寮に入ったらまた姉さまとも会えなくなります」

ミーナ大好きカーニャには妹の気遣いは見抜けなかった。

「もちろんよ!べったりくっついて寝ていいのよ!」

すこし鼻息が荒かったりもしたが、姉が元気になってよかったなと思うミーナであった。


ーーーミーナかわいいですね‥‥妹にしたいです。

ーー本当‥‥みんなの妹ですねミーナは。

ーーーカーニャもミーナが大好きなのですね!

ーーうんうん!


「初めまして、本日よりお世話になりますミーナ・ヴァルディアと申します。若輩者ですがよろしくお願い致します」

丁寧な挨拶にちょっと驚いた風の女子が答える。

「ご、ご丁寧にありがとうございます。エーラ・マルタと申します。同じ1学年ですのでご遠慮なく」

ミーナより少し背が高く、体のボリュームも大きな女の子をみてミーナの感想。

(アミュアと同じくらいの背かな?少し大人っぽいけど)

質素な部屋着に隠しきれない女性のフォルムを恥じるように、腕で少し隠し背を丸めていた。

あまりグラマラスな自分が好きではないようだ。


ーーくぅ‥‥エーラの破壊力よ‥‥

ーーーどうしました?アミュア?‥‥みんな最初はこんな感じなんですねえ。

ーー今はあんなに仲良しなのにね!


(あちゃあ。面倒なのと会ってしまったわ)

それは私服すがたのレティシアと、いつもの黒服侍女の二人であった。

くるりと逃げ出そうとしたら、声がかかった。

「ミーナさんですね、御機嫌よう」

綺麗なカーテシーで会釈するレティシア。

ああそうだと思い出したミーナは頑張ってスカートを持ち上げ拝礼を取った。

「御機嫌ようレティシアお嬢様。お声を有難うございます」

先日の警告からミーナは王都の礼儀作法を書物で学んでいた。

上位の家格者には拝礼がふさわしいと書いてあったので、図を見て同じ姿勢になってみたのだ。

セレナの青筋はきれる寸前であった。

フィオナもむすっと顔をしかめる。

下手くそ過ぎてバカにしているようにも見えるのだが、懸命な拝礼ともとれて文句が言えないのだ。

「お嬢様に置かれましては先日の非礼を、お詫びいたします。無知な田舎者のすることとお忘れください」

言葉自体には敬意もあったので、スルーする侍女二人。

「気になさらないでねミーナさん。それでは失礼いたします」

丁寧な中に威圧を含めた調子。

訓練された下のものとの会話であった。


ーーーとげとげしいです!

ーーこわいです!

ーーーでも‥‥フィオナもセレナもきっと必死だったんですね。

ーーそうですレティだってきっと本当の自分を隠しているのです。


「ミーナが?」

ああ、もう呼び捨てあってるのか?とちょっとやきもちするエーラ。

「ええ、もしよかったら私のこともエーラと呼んでね」

試しに少し失礼に言ってみた。

「本当ですか?嬉しいです!わたくしのことも良かったらレティとお呼びくださいねエーラ」

ちょっと頬をそめ恥ずかしそうにはにかむレティシアであった。

(これは破壊力まんてんだわ)

そんな不遜を考えつつ、意地悪しないでこちらから聞いてあげようと思うエーラは賢く優しい女の子であった。

「もしイヤじゃなかったら私も友達にしてねレティ」

ちょっとエーラも頬を染めてしまうのだった。

ミーナを超える破壊力の微笑みに。

その時ドアをそっと開けてミーナが入ってくる。

「やったあ~!これで3人でお友達ね!レティ、エーラ!!」

きゅっとレティごと抱きついてくるミーナ。

「はわわ」

「ひゃぅぅ」

二人はミーナのおかげでドキドキになるのだが、ミーナはお構いなく3人を一纏めにするのであった。

まるでかわいらしい花束のように。


ーーーてえてえですわ。

ーーミーナかわいい‥‥

ーーー三人ともかわいいです!

ーーそうです!存在が既にかわいいのです!

ーーーこのあとはアレをやったわけですね。

ーーそうらしいです。


「まにあったあ!!!」

ミーナの声とともに、5人が目を閉じ手をつなぎながら祈りを捧げた。

眼下の湖は『アウシェラ湖』

太古の昔に暁の女神アウシュリネが人々の幸せを願い作ったのだと言う。

この湖には一つの伝承があり、言葉無く交わされた同じ願いを持つものに祝福をくれるというものだ。

それは真実たれと誠であれと言う訓戒であったかも知れないが、少女たちにはそれで十分なのであった。

登りゆく日の出の眩しさが5人の顔を晴れやかに染めた。

それはきれいに揃った透明な笑顔であったのだ。

こうしてミーナの王都学院生活が本当に始まるのである。



ーーちょっとこれでは意味がわからないのでは?

ーーーそうですね‥‥わたし達にはわかるけど。

ーーまぁ意味は気になった人が見ればいいのです。

ーーーそうです!‥‥あ?!ユア達あがったみたい。お風呂にしましょうアミュア。

ーーはぁい




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