第37話 空賊襲来
狩りを続けレベル10にアップ。スキル、セブンエレメンタルブラストを習得。各大陸から力を借り得て魔法を放つ大技。ついに攻撃魔法を覚えてしまったな、しかも壊れている威力。ディフェンダーとは何だったのか。今日はここまでにして帰ろう。
「来たか、話がある」
帰るとギガさんがギルドで待っていた。光と闇の地方の写真を入手したとのこと、これからしばらくは仲間探しになる。それから長時間書類に目を通す俺。二つの国分あるから時間がかかる。光の国を終え闇の国へ、そして全部の写真に目を通し終える。
「いませんでした」
「見つからないものだな」
二人見合わせ同時にため息を吐く。ここまでまさかの0、新人の写真を見て探すってのは良い案だと思ったんだけどね。
「いないのなら仕方がない次にいこう。土の大陸の資料が集まった、そこでダンたちに仕事をお願いしたいのだが」
現在ギガさんの部下が世界各地で写真収集を実行中。受け取りに行きたいが人手が足りなくていけない。そこで俺達に土の大陸へ向かい書類を受け取ってもらいたいとのこと。
「もちろんやりますよ」
「ここから近い位置まで書類を移動してくれたようだ。ただ、受け取るのはギルド職員ではないと色々と問題が出てくる。だから一旦臨時職員となって受け取ってくれ」
サラと合流し土の大陸へ行くと話をする。行きますと了承する彼女。簡単だからと後日二人でギルド職員試験を受けることに。試験官はギガさん、教壇に立ち試験開始。
「始めます、はい合格! あまり早いと怪しまれるから時間まで適当に過ごして」
試験と称しつつも目の前には何もなし、席に着いた途端合格してしまった。いいのかなとは思いつつそもそも写真を集めて職員以外に見せるのもダメなわけだしな。あくまで臨時だしいいよね! こうして臨時ギルド職員としてギルドに入った。
「ダンさん、お手紙ですよ」
姉さんからの手紙を受け取り読む。もう少しで向かうとの内容、姉さんが先にこちらに着いてしまうかもしれないな、ギガさんに姉さんのことを頼んでおく。
「エメルの件は任せてくれ。では受け取りを職員として頼む」
俺達は土の大陸に向かうことに。目的地はここから最も近い土の大陸の街、そこへ写真を取りに行く。二日後飛空船乗り場へ。首都行きではないせいか船は小型で客もそんなにいない。
「では出航します」
船が街を出て空へ飛び出す。今回は長旅になるからのんびり旅行気分で行くとしよう。甲板から小さくなっていくバルトワの街を眺める。
「風が気持ちいいですね」
中に入って船内を確認、船は小さいが施設は豊富にあり演劇に遊ぶところまである。こうして船旅をして今は無属性の大陸を抜けたくらいの位置。風景は山や陸から海と雲に変化したまに島や空に浮かぶ浮島が見えるくらい。海を走る船の話になるが、船旅は周りが海ばかりで子供は飽きてしまう傾向にあるとか。確かにあまりに長いと退屈してしまうかもな。そのために施設を充実させてあるのかな。それもあり少々お値段は高めではある。竜人の国へは施設は少なく安め。食事をしようと船内の食堂へ移動。食べ物を注文、酒と料理が運ばれてきた。肉を食べようと口に運ぼうとしたところ、船が急に激しい動きをして大きく揺れる。隣の客が椅子から転がり落ち怒りをあらわにしている。強風が吹いたか操作をミスしたか。
「空賊だ! 皆さん、テーブルの下に隠れてしっかり掴まって!」
甲板から船員が叫ぶ声が聞こえた。これは悠長に食事をしている場合ではなさそうだ。肉を置きサラとテーブルの下に身を置く。テーブルは床に打ち付けられていて簡易の避難場所としては最適。空賊は飛空船を使い略奪行動をする悪党たち。
「この事態は想定していなかったな」
「旅をして書類を受け取るだけの簡単な仕事だったんですけどね」
彼らとの戦闘が頭をよぎった次の瞬間。船が大きく揺れ内部の人が乱れ飛ぶ。俺達は飛ばされないようにテーブルの足をしっかり掴む。そして船は急激に下降を開始した。まさか落ちるのかと心配していると、すぐに速度は落ち緩やかに落下しているという状態になった。もしもの場合は船からの脱出も考えないと、現状を把握しておきたいな。船の動きが落ち着いたのを見計らって何が起きたのだと二人で甲板に上がる。先ほどの衝撃で帆柱が折れ、船員たちが対応に追われていた。
「空賊の船がぶつかってきやがった!」
ラグビーボールのような形状の空賊船が俺達をあざ笑うかのようにこの船の周りを飛んでいる。同じように上がってきた客も彼らを視認。
「最近近辺で活発に暴れている空賊ですね。全体が金属で作られている。自ら金剛船を名乗りこうやって空で悪さしているわけです」
金属でできた船か、そんなものに追突されたんなら木造のこの船はたまったものではないな。先ほど突っ込んだせいか空賊の船の先端は変形している。満足したかのように、空賊の船はそのまま飛び去っていった。それにしても彼らの目的は何だったのか。金品の強奪が目的ではない、ただ突っ込んだだけ。ここは我々の縄張りとでも言いたかったのか。国が所有する船だからこんなことをしたらかなりの危険をしょい込むと思うのだが。考えを巡らせてみるが賊に理屈は通じないかという結論が出た。
「皆さん甲板へ!」
甲板に乗客が集合、船長がここまでの経緯を手短に説明する。
「空賊船に突っ込まれ下部を損傷、そこから浮遊石が落ちてしまい一時的に落下、しかし、予備の浮遊石を補充することである程度落下を緩めることができました、しかし石が足りず、この船は落ちるだけです」




