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第30話 殿堂入り

「来ました」

「もう少しで出し終える、座って待っていてくれ」


ギガさんが袋から新人の写真入り書類の束を取り出しテーブルに置いていく。大量の書類も便利な袋があるから悪さし放題さと笑うギガさん。こちらは苦笑いで返す。


「じゃあいつものやつ、目を通してくれ」

「わかりました」


仲間探し開始。かなりの数のため疲れが出て目がしぶしぶする。最後の一枚を確認して置きギガさんに報告。


「いませんでした」

「そうか」


今回も残念ながら成果なし。


「次は光と闇の国の写真を入手してくる」


光と闇属性の土地は地続きで他よりは簡単に入手できるとか。


「お疲れ様」


資料を返し休憩。ギガさんと雑談をしていると外から人々の話声が聞こえてくる。一人二人ではないな。


「今日は外が騒がしいですね」


気になって外を見ると大勢の人達が集まっていた。


「ああ、催し物があるんだ。PTランキング殿堂入りが出てな、国をあげてのお祭りさ」


殿堂入りは強すぎて相手がいないと判定されたPTに送られる称号。卒業ということで今後ランキングには参加できなくなってしまうが、莫大な報酬と名誉を受け取ることができる。ランキングの最終目標といっても過言ではない。


「最近は悪い出来事が増えて市民が不安がっている。山脈が吹き飛んだ、隕石が落ちたという報告が入っている。国としてもよい方向で盛り上げて悪い流れを払拭したいわけだ。いつもなら表彰程度だけど今回はかなり力を入れ、王様や有力者が参加してお祭り騒ぎをするという話だ」

「色々考えるんですね」

「有力者が集まるんだ、彼らを知っておいた方がいいと思ってね。我々も行こう」

「わかりました」


街はいつもよりも多くの人で賑わっている。露店も多く正にお祭りの様相を呈している。サラと合流し俺達も民衆に加わる。音楽隊が先頭、派手な踊りや大道芸を披露する人たちが続く。その後ろに派手な装飾が施された台車が続く。どうやらその上に乗った人たちが今回の主役のようだ。手を振り民衆の声援にこたえる彼ら。


「彼らは現在、最強PT最有力候補とされている。覚えておいた方がいいだろう」

「キャー、セダ様!」

「一際熱く黄色い声援を浴びている人物は太陽の化身と呼ばれているPTのリーダーのセダ」


黄金色のマントに赤い鎧というなんとも派手ないでたち、金髪で笑顔がまぶしい好青年風の男性。PTが強すぎて彼の本気がまるで分らないとか。というか本気を出さず殿堂入りしたのか、化け物だな。


「鬼姫ツバキ、怪力の持ち主。変幻自在の騎兵マーヤ、地上も空中も水中も得意。エレメンタルマスター、アイ。驚異の四属性持ち。神の使いレリン、その神々しさに思わず拝んでしまう人がいるとか」


彼を取り巻く四人の女性たち。皆強そうなオーラを感じる。パレードは進み台車が闘技場へと入っていく。俺達も闘技場へ入り観客席に座る。


「王様だ」

「隣に竜人王」


特別席の最上段にこの国の王様と竜人の王が肩を並べて座っている。竜人の国は近くて深い友好で結ばれているからな。その下には三人の王子たち。


「有名どころが来ているな。世界最大クランの主オブキンに空の覇者ルーラー。竜人騎士団団長に竜人ゼイオス」


オブキンは強大な勢力を誇っていて、その影響力はこの国だけに留まらない。ルーラーのクランの飛空船保有数は世界で一番。数が多いのなら当然戦いにも強い。そのあまりの強さから空の覇者という名が与えられた。竜人騎士団の団長はかなり強いと姉さんから聞いている。父さんも来ているのか、結構有名なのかな。


「そろそろ年頃、王子争奪戦線で最有力候補とされる傾国の美女シャロ、競争相手の女たちがいやがらせにつけたあだ名」


女の戦いか、怖い。確かにきれいな女性だ、言い寄られたら断る自信はない。


「鼻の下をのばして、あーゆーのが好みなんですか?」

「そういうわけでは」

「剣聖に賢者、大富豪。この国の有力者がそこそこ集まっているな」


司会者の男性が闘技場中央へ。


「お集りの皆さん、今日は楽しんでいってください。それでは絢爛舞踏団による華麗なる演芸をご覧ください」


こうして式が始まる。踊りにジャグリングに、先ほどの芸人集団が客を沸かせる。


「お待たせしました! 今回殿堂入りを果たした、太陽の化身セダ様率いる御一行の登場です!」


中央に五人が並び立つ。彼らにトロフィーと盾が送られる。


「最高の拍手を!」


スタンディングオベーションで式典は終了。興奮冷めやらぬ闘技場を後にし、俺達はギガさんと一緒に酒場へ。


「表もあれば裏もある。世界の悪人ども。有名どころだと破壊神、その信徒共、世界の空を脅かす空賊連合に赤獣石を集めるためなら人殺しも平気でするコレクター」


破壊神を倒すために俺がこの世界へ送られてきたというのがよくある流れかな。どこにいるかわからないしとりあえず自分を鍛えるしかないけど。空賊連合は危険な存在として知られている。唯一対抗できるのは空の覇者ルーラー、各国と協力し、空賊との戦闘を日々続けている。盗賊を操った者達をコレクターと呼び現在その行方を探しているところ。


「街には自警団、始末屋がいる。悪さをしなければ彼らも動くことはない」


強力な力を持つ始末屋が存在するとか。そうだな、これだけ巨大な街だ、仕切ろうとなるとそれなりの力が必要になってくる。


「じゃあな」


夜が更けギガさんと別れ宿屋に戻り一日が終わる。

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