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第18話 ヒーラー

想定外の速さだったようで、一瞬にして間合いが詰まり俺にぶつかる。衝撃で彼女が飛んでいかないように抱きしめる。当たった瞬間、石と石がぶつかりあったような音がした。お互いスキルでカチコチだからな。はは、このスキルは慣れてないとこうなるんだよね。


「大丈夫?」

「は、はい」


困惑しながら見上げる彼女、体を硬直させ動きがとまる。少しダメージが入ったかな、このくらいならスキルの効果もあり軽い痛みで問題ないはず。それとも速さに驚いたか。拘束を解き離れるがまだ固まっている。


「はっ! そ、想像以上でした!」


動き出すサラ、おかしなスキルだからこれが普通の反応だろう。アブソリュートインビンジブルも見せ、かばうとマジックストーンサモンを簡単に解説。デビルマウンテンを吹っ飛ばした件については秘密にしておいた。


「やはり圧倒的で凄まじい力を持っていたんですね」


うんうんとうなずき納得するサラ。次は私の番とスキルを使おうとしたとき、走竜で爆走する集団がこちらに向かって突っ込んできた。怒号が飛び交う、誰かに追われている様子だが。


「どけどけ、ってテメエはあの時の!」


誰かと思ったがこの話し方と声、彼らはマンハントの貴族たちか。当時は仮面をかぶっていたから素顔を見てもわからなかった。


「ちっ、命拾いしたな!」


憎しみを抱いた言葉を吐き捨て俺の横を通り過ぎようとする奴ら。後ろには走竜に乗った衛兵、牢獄から脱走して逃げているのか。


「捕まえた方がいいか」

「そういう事ならお任せください」


彼女は彼らに向かってスキルを使う。


「迷いの森!」


地面から木が生え急激に成長、辺り一面を覆ってしまった。


「んだよこいつは!!」


叫ぶが中は迷路のようになっていて抜け出せなくなったようだ。しかも彼女は木々を自在に動かすことができる。


「く、くそっ!」


それでも一人強引に抜け出した男がいた。しかも彼女のすぐ近くに。


「むかつく奴らだ、こいつだけでも!」


彼女に斬りかかる男、ここでスキルかばうを発動、彼女の前に瞬間移動し盾でガードした。


「無事かい?」

「は、はい」

「任せろ!」


男は横から接近してきた衛兵さんから蹴りを食らい、走竜から落下、すぐさまその場で押さえつけ捕まえる。


「今道を作ります」


衛兵さんが近づくと彼らまで一直線の道を作る。


「くそ、逃げられない!」

「こうなったら」

「観念しろ!」


逃げ道のない彼らは暴れたが屈強な衛兵さんたちの前にあえなく撃沈、地に伏せられ確保される。


「協力感謝する」


お礼を言うと衛兵さんは捕縛した男達を連れて行った。騒動が終わると木々は地面に消えていった。かなり強力なスキルを持っているな。迷宮を作り出し相手を閉じ込めてしまうのか。色々と応用が利きそうなスキルだ。他にも回復や身代わりのスキルなどサポーター、ヒーラーらしいスキルを使用。一通り見せ合ったところでまとめ。スキルの感想を話し合う。


「かばうはなかなか便利だな。しかしそこまで必須というわけではないかも。今のもスキル使うまでもなかったし」

「いえいえ、必須ですね。これは直撃ですよ、何度でもぉ!」


何を言っているのかよくわからないが彼女が必須というなら入れておこうか。では残った仕事を片付けてしまおう。順調に魔物を狩り依頼を達成。時間はお昼ちょっとすぎ、帰って昼ご飯にしようかな。


「お腹が空きましたね、丁度お昼ですし私が作りましょうか?」

「へぇ、料理か。お願いしようかな」


狩場のはずれにある安全な場所へ移動、ここはかまどがあり調理もできる場所、キャンプも可能。道具袋から調理道具一式を取り出すサラ。先ほど狩ったグラスファングの肉と骨を切り分け、鍋に水を張り叩き折った骨を入れ熱していく。沸騰したところで肉を入れ野菜を切り次々と鍋へ投入。流れるような包丁さばき、この子はかなり料理に慣れているな。香辛料を入れしばらく煮込み骨を取り出し出来上がり。器に盛りこちらに渡す。おー、食欲をそそるいい匂い。湯気が出ている熱そうなスープを飲む。


「うまい!」

「よかった」

「お店出せるんじゃないかな」

「褒め上手ですね! 他にも色々作れますよ」


嬉しそうなサラ。冒険者は野宿することもある。これだけおいしい料理を作る彼女がいればこの先食には苦労しなさそうだな。食べ終えて片付け街に入りギルドへ。


「うん、あの子は」


移動の途中、公園の大木の前でしゃがみ泣いている女の子を見かけどうしたと声をかけ近くに寄る。


「ぐすっ、アレ」


真上に向かって指さす女の子、上を見ると木の枝に人形が引っ掛かっていることが確認できた。振り回しているうちに手を放して飛ばして引っかけてしまったのかな。結構高い位置にあるから木に登らないと難しいかな。へへ、こう見えて木登りは得意なんだ、秘密基地でよく遊んでいたからね。取りに行こうとすると、すでにサラが枝付近まで登っていた。はやっ、木登り上手だな。戻ってくるときローブからちらりと人の物ではないものがたまに見えた。今のは一体。

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