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転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした  作者: はりねずみの肉球
【第一章】転生と断罪イベント、そして気づき
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群衆とリリィの涙

「王子様、お願いです……どうか、私の話を信じてください。セレナ様は私に、こんなにもつらい思いを……」


リリィが再び涙に濡れた瞳で王子を仰ぐ。可憐な顔立ち、儚げな声。その姿は、まさに守ってあげたくなるヒロイン像そのもの。周囲の視線が彼女に向かい、「可哀想に」「セレナはなんてことを」と囁きあっている。


――でも、本当にリリィが言う通りの被害者なのか? 私はまだ記憶が曖昧で、どういう嫌がらせをしたのかも思い出せない。それでも、ゲームの設定を思い返すと、リリィは確か“平民出身の聖女”で、王子や貴族の人々に愛される存在……。


しかし、断罪の場面では普通ヒロインは悲しみながらも、王子とともに悪役令嬢を厳しく追及するのがセオリーだったはず。ところが目の前のリリィは、王子にべったりと取りすがって、周囲の sympathy(同情)を総取りしようとしているように見える。それが、どこか不自然に映る。


王子はそんなリリィに軽く手を添えたが、その瞳は決して優しいとは言えない。それなのに、当のリリィは王子に庇ってもらえると信じ込んでいるのか、さらに大きな声で泣き続けている。

群衆はその構図に呑まれ、「リリィを救ってあげて」「セレナを罰して!」と声を張り上げている。もう私の弁明など聞く気もない空気だ。

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― 新着の感想 ―
数話前の言葉は群衆だったのか… その言葉で出てくるヒロインって、背中押されでもした?と今さらのなぞ 一話が短くて読みにくく感じてしまうのは、普段読んでるのと形が違うからなのか まだ状況?過去?がわか…
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